マナビング情報セキュリティマネジメント

バックドアの意味と、似た用語との見分け方

情報セキュリティマネジメント試験 令和元年度秋期 午前 問21 / セキュリティ › 情報セキュリティ

過去問にチャレンジ

令和元年度秋期 午前 問21

情報セキュリティにおいてバックドアに該当するものはどれか。

  1. ア

    アクセスする際にパスワード認証などの正規の手続が必要なWebサイトに,当該手続を経ないでアクセス可能なURL

  2. イ

    インターネットに公開されているサーバのTCPポートの中からアクティブになっているポートを探して,稼働中のサービスを特定するためのツール

  3. ウ

    ネットワーク上の通信パケットを取得して通信内容を見るために設けられたスイッチのLANポート

  4. エ

    プログラムが確保するメモリ領域に,領域の大きさを超える長さの文字列を入力してあふれさせ,ダウンさせる攻撃

会話形式の解説

講師講師
今回は「バックドア」という用語の意味を問う問題です。選択肢には、似た分野の別の用語の説明が並んでいます。それぞれが何の説明なのかを見分けられるかが注目点です。
受験者受験者
バックドアは「裏口」という意味だと覚えています。ただ、どの選択肢も攻撃に関係しそうに見えて迷いました。
講師講師
裏口という理解で合っています。もう少し正確に言うと、正規の認証や手続を経ずにシステムへ入れる入口のことです。この定義に当てはまる選択肢はどれだと思いますか。
受験者受験者
パスワード認証などの手続を経ないでアクセスできるURLの選択肢が、まさに認証を飛ばして入れる入口なので、これだと思います。
講師講師
そのとおりで、それが正解です。開発時に残された管理用URLのように、開発側が設けたり残したりした入口もバックドアになり得ます。攻撃者が一度侵入した機器に、また入るために仕掛けることもあります。
受験者受験者
稼働中のTCPポートを探してサービスを特定するツールも、侵入の準備に使われそうなので気になりました。
講師講師
それはポートスキャナの説明です。侵入前の調査に使われることが多いですが、管理者が自分のネットワークを点検するときにも使います。どのポートが開いているかを調べるだけで、認証を迂回して入る仕組みではないので、バックドアではありません。
受験者受験者
通信パケットを取得するためのスイッチのLANポートは、こっそり通信を見る裏口のようにも感じました。
講師講師
そこは取り違えやすいところです。これはミラーポートの説明で、あるポートを流れる通信を別のポートにも複製して送り出し、監視や解析に使う機能です。認証を経ずにシステムへ侵入する入口ではないので、バックドアとは違います。
受験者受験者
残りの、メモリ領域をあふれさせてダウンさせる攻撃は、バッファオーバーフロー攻撃ですね。これは攻撃手法そのものなので、裏口とは別物だと考えました。
講師講師
そうです。バッファは一時的にデータを置くメモリ領域のことで、そこに想定より長い文字列を入れてあふれさせる攻撃です。サービスの停止や任意のコードの実行につながりますが、入るために設けられた裏口とは性質が異なります。
受験者受験者
まとめると、バックドアは「認証や正規の手続を迂回して入れる入口」で、ポートスキャナは調査ツール、ミラーポートは監視機能、バッファオーバーフローは攻撃手法ということですね。
講師講師
よく整理できています。この問題は似た分野の用語が並ぶため、意味を取り違えやすいです。迷ったら「認証を迂回して入れるかどうか」に注目してください。なお、バックドアへの対策としては、コードレビューや公開しているURLの棚卸し、ログの監査などが挙げられます。固定の管理者アカウントがバックドアになることもある点も覚えておくとよいです。

まとめ

バックドアとは、パスワード認証などの正規の手続を経ずにシステムへ入れる「裏口」のことです。この問題では、手続を経ないでアクセスできるURLがバックドアに当たります。ほかの選択肢は、稼働中のポートを調べるポートスキャナ、通信を複製して監視するミラーポート、メモリ領域をあふれさせるバッファオーバーフロー攻撃の説明で、いずれも裏口ではありません。見分けるときは「認証を迂回して入れるかどうか」に注目すると判断しやすくなります。

解答・解説

正解はアです

この問題のテーマ

「バックドア」という用語の意味を正しく理解し、ポートスキャナ、ミラーポート、バッファオーバーフロー攻撃といった似た分野の用語と区別できるかを問う問題です。

解き方の考え方

最初に、バックドアとは「正規の認証や手続を経ずに入れる裏口」であることを確かめます。次に、各選択肢が認証を迂回して入る仕組みを説明しているかを照らします。イ・ウ・エは、それぞれ調査ツール、監視用のポート、攻撃手法の説明です。そのため、用語名が浮かべば消去法でも答えを絞り込めます。

選択肢ごとの解説

  1. ○ア  アクセスする際にパスワード認証などの正規の手続が必要なWebサイトに,当該手続を経ないでアクセス可能なURL
    パスワード認証などの正規の手続を経ずにアクセスできるURLの説明は、認証を迂回する裏口そのものなので、バックドアに当たります。開発時に残された管理用URLのように、意図せず残った入口がバックドアになることもあります。
  2. ×イ  インターネットに公開されているサーバのTCPポートの中からアクティブになっているポートを探して,稼働中のサービスを特定するためのツール
    稼働中のTCPポートを探してサービスを特定するツールの説明は、ポートスキャナのことです。侵入前の調査に使われるほか、管理者が自分のネットワークの点検に使うこともあります。ただし、認証を迂回して入るための仕組みではないため、バックドアではありません。
  3. ×ウ  ネットワーク上の通信パケットを取得して通信内容を見るために設けられたスイッチのLANポート
    通信パケットを取得するために設けたスイッチのLANポートの説明は、ミラーポートのことです。あるポートを流れる通信を別のポートにも複製して送り出し、監視や解析に使います。認証を経ずに侵入する裏口ではありません。
  4. ×エ  プログラムが確保するメモリ領域に,領域の大きさを超える長さの文字列を入力してあふれさせ,ダウンさせる攻撃
    確保されたメモリ領域を超える長さの文字列を入力してあふれさせる攻撃の説明は、バッファオーバーフロー攻撃のことです。サービスの停止や任意のコードの実行につながる攻撃手法であり、侵入用に設けられた裏口であるバックドアとは区別されます。

補足

バックドアを見分けるときは、「認証や正規の手続を迂回して入れるかどうか」に注目します。「攻撃に関係しそうだから」という理由だけで選ぶと、別の用語を選んでしまいます。対策としては、コードレビューや公開しているURLの棚卸し、ログの監査などが挙げられます。

POINT

  • バックドアとは、正規の認証や手続を経ずにシステムへ入れる「裏口」のことです。
  • 攻撃者が一度侵入した機器に再び入るためにバックドアを仕掛けることがあるほか、開発者が残した管理用URLや固定の管理者アカウントがバックドアになることもあります。
  • ポートスキャナは稼働中のポートやサービスを調べるツールで、侵入前の調査によく使われます。
  • ミラーポートはスイッチを流れる通信を別のポートに複製し、監視するための機能です。
  • バッファオーバーフローは入力の長さでメモリ領域をあふれさせる攻撃手法で、「裏口」とは性質が異なります。

※出典:令和元年度秋期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問21