ポートスキャナーはWebサーバの何を調べるツールか
情報セキュリティマネジメント試験 令和元年度秋期 午前 問30 / セキュリティ › 情報セキュリティ対策
過去問にチャレンジ
Webサーバの検査におけるポートスキャナーの利用目的はどれか。
- ア
Webサーバで稼働しているサービスを列挙して,不要なサービスが稼働していないことを確認する。
- イ
Webサーバの利用者IDの管理状況を運用者に確認して,情報セキュリティポリシーからの逸脱がないことを調べる。
- ウ
Web サーバへのアクセスの履歴を解析して、不正利用を検出する。
- エ
正規の利用者IDでログインし,Webサーバのコンテンツを直接確認して,コンテンツの脆弱性を検出する。
会話形式の解説
講師今回は、Webサーバを検査するときにポートスキャナーを何のために使うかを問う問題です。ツールの名前から、何を調べられるのかを結び付けられるかがポイントです。
受験者名前に「スキャン」と付いているので、サーバの弱点を全部調べてくれるツールのような気がしていました。ログインしてコンテンツの脆弱性を探す選択肢も、それっぽく見えます。
講師そこが迷いやすいところです。ポートスキャナーは、対象機器の通信ポート、つまりサービスごとの通信の出入口に外から信号を送り、その応答を調べるツールです。分かるのは「どのポートが開いていて、どのサービスが動いているか」です。
受験者ということは、ログインはしないのですね。外から出入口をノックして、返事があるかを確かめるイメージでしょうか。
講師そのイメージで合っています。正規の利用者IDでログインしてコンテンツの脆弱性を調べるのは、ログインした状態で行う脆弱性診断に近い作業です。ログインせずに外からポートの応答を確かめるポートスキャナーの用途には当てはまりません。
受験者では、アクセスの履歴を解析して不正利用を見つけるという選択肢はどうですか。サーバの検査という点では関係がありそうです。
講師それはログ分析の作業です。ポートスキャナーは今のポートの状態を調べるもので、過去のアクセス履歴を集めたり解析したりするのは本来の用途ではありません。
受験者利用者IDの管理状況を運用者に確認する選択肢は、そもそも人に聞く作業なので、ツールの出番ではなさそうですね。
講師そうです。聞き取りや記録の確認で行う監査の作業で、ポートの応答からはIDや権限がどう管理されているかは分かりません。
受験者残るのは、稼働しているサービスを列挙して、不要なサービスが動いていないか確かめる選択肢です。開いているポートから動いているサービスが分かるので、これが用途そのものですね。
講師正解です。不要なサービスを見つけて止めれば、攻撃される入口を減らせます。代表的なポートスキャナーにはNmapがあります。
受験者整理すると、ポートスキャナーは開いているポートと稼働サービスの確認、ID管理の確認は聞き取りや記録確認、履歴の解析はログ分析、ということですね。
講師その整理で十分です。補足すると、ポートスキャンは管理者が自分のシステムを点検するときにも、攻撃者が攻撃前に下調べをするときにも使われます。許可なく他人のネットワークをスキャンすると法的な問題になることがあるので注意が必要です。「ツール名から調べる対象を考える」と覚えておくと、ほかの作業と取り違えずに済みます。
まとめ
ポートスキャナーは、通信ポートに外から信号を送り、その応答から開いているポートと稼働中のサービスを調べるツールです。Webサーバの検査では、稼働サービスを列挙して不要なサービスが動いていないかを確認する目的で使い、不要なものを止めることで攻撃される入口を減らせます。利用者IDの管理確認は聞き取りや記録確認、アクセス履歴の解析はログ分析、ログイン後のコンテンツ確認は脆弱性診断の作業で、ポートスキャナーの用途ではありません。代表的なツールにはNmapがあり、許可なく他人のネットワークをスキャンすると法的な問題になることがある点も押さえておきましょう。
解答・解説
正解はアです
この問題のテーマ
Webサーバを検査するとき、ポートスキャナーを何のために使うかを問う問題です。ツールの名前から、何を調べられるのかを結び付けられるかが試されています。
解き方の考え方
ポートスキャナーは、対象機器の通信ポートに外から信号を送り、その応答からどのサービスが動いているかを調べるツールです。つまり分かるのは「どのポートが開いていて、どのサービスが動いているか」です。各選択肢について、その作業がポートへの問い合わせで実現できるかを確かめていけば、該当するのは稼働サービスを確認する選択肢だけだと分かります。
選択肢ごとの解説
- ○ア Webサーバで稼働しているサービスを列挙して,不要なサービスが稼働していないことを確認する。稼働しているサービスを列挙して、不要なサービスがないかを確かめるという説明は、ポートスキャナーの用途そのものです。開いているポートから動いているサービスが分かるので、不要なものを見つけて止めれば攻撃される入口を減らせます。
- ×イ Webサーバの利用者IDの管理状況を運用者に確認して,情報セキュリティポリシーからの逸脱がないことを調べる。利用者IDの管理状況を運用者に確認するのは、聞き取りや記録の確認で行う監査の作業です。ポートスキャナーはポートの応答を調べるだけなので、IDや権限がどう管理されているかは分かりません。
- ×ウ Web サーバへのアクセスの履歴を解析して、不正利用を検出する。アクセス履歴を解析して不正利用を見つけるのは、ログ分析の作業です。ポートスキャナーは現在のポートの状態を調べるツールで、過去の履歴を集めたり解析したりする機能はありません。
- ×エ 正規の利用者IDでログインし,Webサーバのコンテンツを直接確認して,コンテンツの脆弱性を検出する。正規の利用者IDでログインしてコンテンツの脆弱性を調べるのは、ログインした状態で行う脆弱性診断に近い作業です。ポートスキャナーはログインせずに、外からポートの応答を確かめるものなので、この説明には当てはまりません。
補足
ポートスキャンは、管理者が自分のシステムを点検するときにも、攻撃者が攻撃前に下調べをするときにも使われます。そのため、許可なく他人のネットワークをスキャンすると法的な問題になることがあります。「ツール名から調べる対象を考える」と覚えておくと、ログ解析やID管理の確認と取り違えずに済みます。
POINT
- ポートスキャナーは、通信ポートに外から信号を送って、稼働しているサービスを調べるツールです。
- 開いているポートから稼働中のサービスが分かり、不要なサービスを止めれば攻撃される入口を減らせます。
- 利用者IDの管理確認は聞き取りや記録確認、アクセス履歴の解析はログ分析で行うもので、ポートスキャナーでは扱えません。
- 代表的なポートスキャナーにNmapがあります。
