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IoT機器でTCP23番ポートが狙われるのはなぜか

情報セキュリティマネジメント試験 令和元年度秋期 午前 問6 / セキュリティ › 情報セキュリティ

過去問にチャレンジ

令和元年度秋期 午前 問6

ネットワークカメラなどのIoT機器ではTCP23番ポートへの攻撃が多い理由はどれか。

  1. ア

    TCP23番ポートはIoT機器の操作用プロトコルで使用されており,そのプロトコルを用いると,初期パスワードを使って不正ログインが容易に成功し,不正にIoT機器を操作できることが多いから

  2. イ

    TCP23番ポートはIoT機器の操作用プロトコルで使用されており,そのプロトコルを用いると,マルウェアを添付した電子メールをIoT機器に送信するという攻撃ができることが多いから

  3. ウ

    TCP23番ポートはIoT機器へのメール送信用プロトコルで使用されており,そのプロトコルを用いると,初期パスワードを使って不正ログインが容易に成功し,不正にIoT機器を操作できることが多いから

  4. エ

    TCP23番ポートはIoT機器へのメール送信用プロトコルで使用されており,そのプロトコルを用いると,マルウェアを添付した電子メールをIoT機器に送信するという攻撃ができることが多いから

会話形式の解説

講師講師
この問題の選択肢は、2つの要素の組合せでできています。1つは「23番ポートを使うプロトコルは何に使うものか」、もう1つは「そのプロトコルでどんな攻撃ができるか」です。順番に確かめていきましょう。
受験者受験者
23番ポートはTelnetだったと思います。ただ、Telnetが何をするものかと聞かれると、自信がありません。
講師講師
Telnetで合っています。Telnetは、離れた場所から機器にログインして操作するためのプロトコルです。メール送信に使うのはSMTPというプロトコルで、ポート番号は25番です。
受験者受験者
それなら、23番をメール送信用と説明している2つの選択肢は、前半の時点で誤りですね。操作用と書いている2つが残ります。
講師講師
そのとおりです。残った2つは前半が同じなので、後半の攻撃内容で比べます。遠隔操作用のプロトコルを使ってできる攻撃は、どちらだと思いますか。
受験者受験者
操作用ならログインして機器を操ることなので、初期パスワードで不正ログインするほうだと思います。マルウェア付きのメールを送る攻撃は、Telnetとは関係なさそうです。
講師講師
はい。メールを相手に届けるのはSMTP(25番)の役割なので、添付メールの攻撃は23番ポートを狙う理由になりません。一方、IoT機器のIDやパスワードが初期値のままだと、Telnetでログインを試すだけで侵入でき、機器を自由に操作されてしまいます。
受験者受験者
メール送信用で不正ログインと書いた選択肢は、後半だけ見ると正しそうなので迷いそうです。でも前半の用途が間違っているので、誤りになるのですね。
講師講師
そこがこの問題の注意点です。用途と攻撃内容の両方が正しいのは、操作用プロトコルで初期パスワードによる不正ログインと説明している選択肢だけです。用途も攻撃内容も誤っているのが、メール送信用でメール送付と書いた選択肢です。
受験者受験者
整理すると、23番はTelnetで遠隔操作用、25番はSMTPでメール送信用です。IoT機器は初期パスワードのまま使われやすいので、Telnetで乗っ取られやすい、ということですね。
講師講師
よくまとまっています。対策としては、初期パスワードを変更し、使わないTelnetのサービスは止めておくことが有効です。補足すると、Telnetは通信を暗号化しないため、IDやパスワードが平文のまま流れます。また、IoT機器を狙うマルウェアのMiraiは、Telnetで初期パスワードを使ってログインする手口で多くの機器に感染し、大規模なボットネットを作りました。

まとめ

TCP23番ポートはTelnetに割り当てられており、離れた場所から機器にログインして操作するためのプロトコルです。メール送信に使うのはSMTPで、ポート番号は25番です。IoT機器はIDやパスワードが初期値のまま使われていることがあり、Telnetでログインを試すだけで侵入され、機器を操作されてしまいます。そのため、23番を操作用とし、初期パスワードによる不正ログインを挙げた選択肢が正解です。対策は、初期パスワードの変更と、使わないTelnetサービスの停止です。

解答・解説

正解はアです

この問題のテーマ

TCP23番ポートを使うプロトコル(Telnet)の役割と、IoT機器でこのポートが狙われる理由を問う問題です。

解き方の考え方

選択肢は「23番ポートを何に使うプロトコルか」と「どんな攻撃ができるか」の2点を組み合わせています。まず、23番ポートはTelnetに割り当てられており、Telnetは離れた場所から機器を操作するためのプロトコルです。メール送信に使うのはSMTPで、ポート番号は25番です。この時点で「操作用」と書いたアとイに絞れます。次に、操作用のプロトコルでできる攻撃は、ログインして機器を操ることです。メールの送り付けではないため、アが残ります。

選択肢ごとの解説

  1. ○ア  TCP23番ポートはIoT機器の操作用プロトコルで使用されており,そのプロトコルを用いると,初期パスワードを使って不正ログインが容易に成功し,不正にIoT機器を操作できることが多いから
    23番ポートを操作用プロトコルとする説明は、Telnetの用途と合っています。IoT機器のIDやパスワードが初期値のまま使われていると、Telnetでログインを試みるだけで侵入に成功し、機器を自由に操作されてしまいます。用途と攻撃内容がどちらも正しく、正解です。
  2. ×イ  TCP23番ポートはIoT機器の操作用プロトコルで使用されており,そのプロトコルを用いると,マルウェアを添付した電子メールをIoT機器に送信するという攻撃ができることが多いから
    前半の操作用プロトコルという説明は合っています。しかし、後半のマルウェア添付メールを送る攻撃は、Telnetの用途と結びつきません。メールを相手に届けるのはSMTP(25番)の役割なので、23番ポートを狙う理由にはなりません。
  3. ×ウ  TCP23番ポートはIoT機器へのメール送信用プロトコルで使用されており,そのプロトコルを用いると,初期パスワードを使って不正ログインが容易に成功し,不正にIoT機器を操作できることが多いから
    後半の初期パスワードによる不正ログインは攻撃内容として妥当です。ただし、23番ポートをメール送信用とする前半が誤りです。メール送信用はSMTPで25番を使い、23番は遠隔操作用のTelnetです。
  4. ×エ  TCP23番ポートはIoT機器へのメール送信用プロトコルで使用されており,そのプロトコルを用いると,マルウェアを添付した電子メールをIoT機器に送信するという攻撃ができることが多いから
    23番ポートをメール送信用とする点は誤りです。メール送信はSMTP(25番)が担います。添付メールを送る攻撃も、遠隔操作用のTelnetとは関係がありません。用途と攻撃内容の両方が誤っています。

補足

Telnetは通信を暗号化しないため、IDやパスワードが平文のままネットワークを流れます。また、IoT機器を狙うマルウェアのMiraiは、Telnetで初期パスワードを使ってログインする手口で多くの機器に感染し、大規模なボットネットを作りました。

POINT

  • TCP23番ポートはTelnetで、離れた場所から機器を操作するためのプロトコルです。
  • メール送信に使うSMTPのポート番号はTCP25番です。
  • IoT機器のパスワードが初期値のままだと、Telnetで簡単にログインされ、機器を乗っ取られます。
  • 対策として、初期パスワードを変更し、使わないTelnetのサービスは止めておくことが有効です。

※出典:令和元年度秋期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問6