IDカードの入退室記録が食い違うと通さない仕組みはどれか
情報セキュリティマネジメント試験 令和5年度 問2 / セキュリティ › 情報セキュリティ対策
過去問にチャレンジ
入室時と退室時にIDカードを用いて認証を行い,入退室を管理する。このとき,入室時の認証に用いられなかったIDカードでの退室を許可しない,又は退室時の認証に用いられなかったIDカードでの再入室を許可しないコントロールを行う仕組みはどれか。
- ア
TPMOR(Two Person Minimum Occupancy Rule)
- イ
アンチパスバック
- ウ
インターロックゲート
- エ
パニックオープン
会話形式の解説
講師今回は入退室管理の問題です。注目してほしいのは、入室時に使われなかったカードでは退室できず、退室時に使われなかったカードでは再入室できない、という条件です。カードごとの記録に注目した制御だという点がポイントになります。
受験者入退室管理というと共連れ対策を思い浮かべます。共連れ防止なら、インターロックゲートも候補になりそうで迷いました。
講師よくある迷い方です。共連れというのは、正規の人がカードで扉を開けたときに、別の人が一緒に入ってしまうことですね。インターロックゲートは二重扉の設備で、一方の扉が閉じるまでもう一方が開きません。一人ずつの通過を確認できるので、共連れ防止に使われます。
受験者それなら問題文の条件にも合いそうに思えますが、何が違うのですか。
講師インターロックゲートは扉の構造で物理的に通過を制限する対策です。カードの入退室記録を照らし合わせて、順序の矛盾を調べる仕組みではありません。問題文が求めているのは、記録の整合性で通すかどうかを判定する仕組みです。
受験者記録を照合して、矛盾する通行を止めるのがアンチパスバックということですね。
講師そのとおりです。アンチパスバックは、カードごとの入退室の記録をもとに矛盾する通行を拒否します。入室記録のないカードでの退室も、退室記録のないカードでの再入室も認めないので、問題文の条件にそのまま当てはまります。
受験者TPMORはどういうものですか。名前からは想像がつきませんでした。
講師Two Person Minimum Occupancy Ruleの略で、区画内に常に二人以上が在室することを求める規則です。一人だけで在室する状況を避け、単独での不正や事故時の孤立を防ぐのが目的です。在室人数のルールであって、カードの記録の順序を照合するものではありません。
受験者パニックオープンは、名前からすると非常時の機能でしょうか。
講師はい。火災や停電などの非常時に出入口を自動で解錠して、避難経路を確保する仕組みです。安全確保のための機能なので、通常時の不正な入退室を拒否する制御とは目的が違います。
受験者整理すると、記録の照合がアンチパスバック、扉の構造がインターロックゲート、在室人数の規則がTPMOR、非常時の解錠がパニックオープン、ということですね。
講師よく整理できています。補足すると、共連れで入った人には入室記録がないので、アンチパスバックのもとでは正規の手順で退室できません。それが不正の発見の手がかりになります。ただし、共連れを物理的に完全に防ぐものではなく、カードの貸し借りや共連れを抑止し、見つけやすくする仕組みだと理解しておくとよいでしょう。
まとめ
IDカードの入退室管理で、入室時に使われなかったカードでの退室や、退室時に使われなかったカードでの再入室を拒否する仕組みはアンチパスバックです。カードごとの入退室記録を照合し、順序が矛盾する通行を止めます。インターロックゲートも共連れ対策ですが、二重扉の構造で一人ずつの通過を物理的に制限するもので、記録の照合ではありません。TPMORは区画内に二人以上の在室を求める規則、パニックオープンは非常時に出入口を自動解錠して避難経路を確保する仕組みで、いずれも目的が異なります。
解答・解説
正解はイです
この問題のテーマ
IDカードによる入退室管理で、入室と退室の記録が食い違うカードの通行を拒否する仕組みの名称を問う問題です。
解き方の考え方
問題文の「入室時に使われなかったカードでの退室を許可しない」「退室時に使われなかったカードでの再入室を許可しない」という条件に注目します。これはカードごとの入退室の記録を照合し、順序が矛盾する通行を止める制御です。選択肢のうち、記録の整合性を判定する方式はアンチパスバックだけです。他の選択肢は、在室人数の規則、物理的な扉の構造、非常時の解錠といった別の目的のものなので、目的の違いで消去できます。
選択肢ごとの解説
- ×ア TPMOR(Two Person Minimum Occupancy Rule)TPMORは、区画内に常に二人以上が在室することを求める規則です。一人だけの在室を防ぎ、単独での不正や事故時の孤立を避けることが目的です。カードの入退室記録の順序を照合する仕組みではありません。
- ○イ アンチパスバックアンチパスバックは、カードごとの入退室の記録をもとに、矛盾する通行を拒否する仕組みです。入室記録のないカードでの退室や、退室記録のないカードでの再入室を認めないので、問題文の条件にそのまま当てはまります。
- ×ウ インターロックゲートインターロックゲートは二重扉の通過設備で、一方の扉が閉じるまでもう一方が開きません。一人ずつの通過を確認でき、共連れの防止に使われます。ただし物理的な構造による対策であり、カードの入退室記録の矛盾を調べる方式ではありません。
- ×エ パニックオープンパニックオープンは、火災や停電などの非常時に出入口を自動で解錠し、避難経路を確保する仕組みです。安全確保のための機能であり、通常時の不正な入退室を拒否する制御とは目的が違います。
補足
共連れ対策というキーワードだけで選ぶと、アンチパスバックとインターロックゲートのどちらにも当てはまるので迷いやすくなります。決め手は、記録の整合性で判定するのか(アンチパスバック)、扉の構造で物理的に制限するのか(インターロックゲート)という違いです。なお、アンチパスバックは共連れを物理的に完全に防ぐものではなく、カードの貸し借りや共連れを抑止し、検出しやすくする仕組みだと理解しておくとよいでしょう。
POINT
- アンチパスバックは、入室と退室の記録を照合し、矛盾する入退室を拒否する仕組みです。
- 共連れで入室した人には入室記録がないため、アンチパスバックでは正規の手順で退室できず、不正の発見につながります。
- インターロックゲートは二重扉の構造で一人ずつの通過を確認する物理的な共連れ対策です。
- TPMORは区画内に二人以上が在室することを求める規則で、パニックオープンは非常時の避難用の自動解錠です。
