ブロック暗号で改ざんを確かめるとき、メッセージから作るものは
情報セキュリティマネジメント試験 2022年 サンプル問題 問23 / セキュリティ › 情報セキュリティ
過去問にチャレンジ
メッセージが改ざんされていないかどうかを確認するために,そのメッセージから,ブロック暗号を用いて生成することができるものはどれか。
- ア
PKI
- イ
パリティビット
- ウ
メッセージ認証符号
- エ
ルート証明書
会話形式の解説
講師今回は、メッセージが改ざんされていないかを確かめるために、ブロック暗号を使って作れるものを選ぶ問題です。ブロック暗号は、データを一定の長さごとに区切って暗号化する共通鍵暗号のことです。
受験者選択肢に仕組みの名前と、データの名前が混ざっていて迷いました。どこから見ればよいですか。
講師条件を3つに分けると整理できます。1つ目は、メッセージから生成するデータであること。2つ目は、改ざんの検出に使えること。3つ目は、ブロック暗号で作れることです。
受験者1つ目の条件で考えると、PKIは仕組みの名前なので外れそうです。
講師そのとおりです。PKIは公開鍵基盤の略で、公開鍵が正しい持ち主のものだと第三者が保証する仕組み全体を指します。メッセージから作るデータではないので、外れます。
受験者ルート証明書も、PKIと同じ仲間のように見えます。
講師はい。ルート証明書は、最上位の認証局であるルートCAが発行した証明書で、証明書の階層をたどったときの信頼の起点です。証明書の正当性を確かめるもので、メッセージから作るものではありません。
受験者パリティビットはデータに付けるものなので、1つ目の条件には合いそうです。改ざんも見つけられるのではないですか。
講師そこが迷いやすい点です。パリティビットは、一定の長さのビット列ごとに1ビットを付けて、受信側で照合する検査用ビットです。見つけられるのは、伝送中に偶然起きたビットの誤りです。
受験者偶然の誤りと、意図的な改ざんは違う、ということですね。
講師そうです。パリティビットは暗号を使わないので、意図的な改ざんを確かめる仕組みにはなりません。2つ目と3つ目の条件を満たさないので、誤りです。
受験者残るメッセージ認証符号は、どのように改ざんを確かめるのですか。
講師メッセージ認証符号はMACとも呼び、メッセージと鍵から作る短いデータです。送信者と受信者が同じ秘密鍵を共有し、受信側も同じ方法でMACを計算して、受け取ったMACと比べます。一致すれば改ざんはないと判断できます。
受験者MACはブロック暗号で作れるのですか。
講師はい。MACは共通鍵暗号であるブロック暗号を使って生成できます。ハッシュ関数を使って作る方法もありますが、その場合も鍵と組み合わせて計算します。3つの条件をすべて満たすので、メッセージ認証符号が正解です。
受験者整理すると、MACは改ざんの有無、つまり完全性を確かめるデータで、PKIとルート証明書は公開鍵の正当性の話、パリティビットは偶然の誤りの検出ということですね。
講師そのとおりです。「何を確かめるためのものか」と「メッセージから作るデータか」の2点を押さえると、似た用語が並んでいても見分けやすくなります。
まとめ
この問題は、メッセージの改ざんを確かめるために、ブロック暗号を使って生成できるデータを選ぶものです。正解はメッセージ認証符号(MAC)です。MACはメッセージと共有した秘密鍵から作り、受信側が計算した値と照合して改ざんの有無を確かめます。パリティビットが検出するのは偶然のビット誤りで、意図的な改ざんの検出には使えません。PKIとルート証明書は公開鍵の正当性を保証するためのもので、メッセージから生成するデータではありません。
解答・解説
正解はウです
この問題のテーマ
メッセージの改ざんを確かめるために、ブロック暗号を使って生成できるデータは何かを問う問題です。完全性(データが改ざんされていないこと)を確かめる仕組みの理解が問われます。
解き方の考え方
まず、各選択肢が「メッセージから生成するデータ」かどうかを確かめます。次に、そのデータが改ざんの検出に使えるかを見ます。最後に、ブロック暗号(データを一定長ごとに区切って暗号化する共通鍵暗号)で作れるかを照らします。3つの条件をすべて満たすものが答えです。
選択肢ごとの解説
- ×ア PKIPKIは公開鍵基盤の略です。公開鍵が正しい持ち主のものであることを、第三者が保証する仕組みを指します。仕組み全体の名前なので、メッセージから生成するデータではありません。したがって、PKIは誤りです。
- ×イ パリティビットパリティビットは、伝送中に起きたデータの誤りを検出するための検査用ビットです。一定の長さのビット列ごとに1ビットを付け、受信側で照合します。ただし、検出できるのは偶然のビット誤りです。暗号を使わないため、意図的な改ざんを確かめる仕組みではなく、誤りです。
- ○ウ メッセージ認証符号メッセージ認証符号(MAC)は、メッセージと鍵から生成する短いデータです。受信側は同じ方法でMACを計算し、受け取ったMACと比べます。一致すれば改ざんはないと判断できます。MACは共通鍵暗号(ブロック暗号)やハッシュ関数で生成できるので、すべての条件に合います。したがって、ウが正解です。
- ×エ ルート証明書ルート証明書は、ルートCA(最上位の認証局)が発行した証明書です。証明書の階層をさかのぼったときの信頼の起点になります。証明書の正当性を確かめるためのもので、メッセージから生成するデータではありません。したがって、ルート証明書は誤りです。
POINT
- メッセージ認証符号(MAC)は、メッセージの改ざんの有無を確かめる(完全性を確認する)ために使います。
- MACは共通鍵暗号(ブロック暗号)やハッシュ関数を使って生成できます。
- MACは送信者と受信者が同じ秘密鍵を共有し、それぞれが計算した値を照合して使います。
- パリティビットが検出するのは偶然のビット誤りで、意図的な改ざんの検出には使えません。
- PKIとルート証明書は公開鍵の正当性を保証するためのもので、メッセージから生成するデータではありません。
