マナビング情報セキュリティマネジメント

ポートスキャナーはWebサーバ検査で何を確かめる道具か

情報セキュリティマネジメント試験 2022年 サンプル問題 問30 / セキュリティ › 情報セキュリティ対策

過去問にチャレンジ

2022年 サンプル問題 問30

Webサーバの検査におけるポートスキャナーの利用目的はどれか。

  1. ア

    Webサーバで稼働しているサービスを列挙して,不要なサービスが稼働していないことを確認する。

  2. イ

    Webサーバの利用者IDの管理状況を運用者に確認して,情報セキュリティポリシーからの逸脱がないことを調べる。

  3. ウ

    Web サーバへのアクセスの履歴を解析して,不正利用を検出する。

  4. エ

    正規の利用者 ID でログインし,Web サーバのコンテンツを直接確認して,コンテンツの脆弱性を検出する。

会話形式の解説

講師講師
今回は、Webサーバを検査するときにポートスキャナーを何のために使うのかを問う問題です。ポートスキャナーで外から調べて分かることは何か、という点に注目してください。
受験者受験者
ポートスキャンは攻撃者が使う手口という印象が強くて、検査の道具と言われると少し戸惑います。
講師講師
そう覚えている人は多いです。ポートスキャナーは、対象の機器の通信ポート、つまりサービスごとの受け口に信号を送り、どのサービスが動いているかを外部から調べる道具です。攻撃者が侵入前の下調べに使うこともありますが、管理者が自分のサーバを点検するためにも使います。
受験者受験者
応答したポートを見れば、どのサービスが動いているか分かるということですね。それなら、稼働しているサービスを列挙して不要なものが動いていないか確かめる、という選択肢が当てはまりそうです。
講師講師
そのとおりです。公開する必要のないサービスが動いていれば見つけられます。不要なサービスが動いていると攻撃を受ける範囲が広がるので、検査で確かめる意味があります。
受験者受験者
アクセス履歴を解析して不正利用を見つける、という選択肢も検査らしく見えて迷いました。
講師講師
それはログ分析です。サーバに残った記録を後から調べる作業なので、外からポートに信号を送るポートスキャンとは別の手法です。
受験者受験者
利用者IDの管理状況を運用者に確認する選択肢は、規程や台帳を見たり聞き取りをしたりする確認ですよね。ポートの応答からIDの管理が適切かは分からないと思います。
講師講師
そうです。では、正規の利用者IDでログインしてコンテンツの脆弱性を探す選択肢はどうでしょうか。
受験者受験者
ポートスキャナーはログインせずに外からサービスの稼働状態を調べる道具なので、ログイン後のコンテンツを確認する検査とは違う、ということですね。
講師講師
正確です。迷ったら、その選択肢の内容がポートの応答だけで分かるかどうかで判断すると整理しやすいです。代表的なポートスキャナーにはオープンソースのNmapがあります。ポートスキャンは攻撃だとだけ覚えていると、検査の目的を問われたときに迷いやすくなるので、両方の使われ方を押さえておきましょう。

まとめ

ポートスキャナーは、対象機器のポートへ信号を送り、どのサービスが稼働しているかを外部から調べるツールです。Webサーバの検査では、稼働中のサービスを列挙し、不要なサービスが動いていないかを確かめる目的で使います。アクセス履歴の解析はログ分析、ID管理状況の確認は規程や聞き取りによる確認、ログイン後のコンテンツ確認はWebアプリケーションやコンテンツを対象にした検査で、いずれもポートスキャンとは別の手法です。ポートスキャンは攻撃者の下調べにも管理者の点検にも使われる点を押さえておくと、引っかけに迷いにくくなります。

解答・解説

正解はアです

この問題のテーマ

Webサーバを検査するとき、ポートスキャナーを何のために使うのかを問う問題です。似た検査手法(ログ分析、管理状況の確認、コンテンツ検査)と区別できるかが試されています。

解き方の考え方

まず、ポートスキャナーが「対象機器の通信ポートへ信号を送り、どのサービスが動いているかを外部から調べる道具」だと押さえます。そのうえで各選択肢を見て、ポートへの応答から分かることを述べているかどうかで判断します。利用者IDの管理状況、アクセス履歴、ログイン後のコンテンツは、どれもポートを外から調べても分からないので外せます。

選択肢ごとの解説

  1. ○ア  Webサーバで稼働しているサービスを列挙して,不要なサービスが稼働していないことを確認する。
    稼働しているサービスを列挙し、不要なサービスが動いていないかを確かめるという説明は、ポートスキャナーの用途そのものです。応答したポートから対応するサービスが分かるので、公開する必要のないサービスが動いていれば見つけられます。不要なサービスは攻撃の入口になりやすいため、検査で確かめる意味があります。
  2. ×イ  Webサーバの利用者IDの管理状況を運用者に確認して,情報セキュリティポリシーからの逸脱がないことを調べる。
    利用者IDの管理状況を運用者に確認するという説明は、規程や台帳、聞き取りによる確認の手順です。ポートの応答を調べても、IDがポリシーどおりに管理されているかは分からないので、ポートスキャナーの用途ではありません。
  3. ×ウ  Web サーバへのアクセスの履歴を解析して,不正利用を検出する。
    アクセス履歴を解析して不正利用を見つけるという説明は、ログ分析の内容です。サーバに残った記録を後から調べる作業で、外からポートに信号を送るポートスキャンとは別の手法です。
  4. ×エ  正規の利用者 ID でログインし,Web サーバのコンテンツを直接確認して,コンテンツの脆弱性を検出する。
    正規の利用者IDでログインし、コンテンツを直接確認して脆弱性を探すという説明は、Webアプリケーションやコンテンツを対象にした検査です。ポートスキャナーはログインせずに外からサービスの稼働状態を調べる道具なので、この説明には当てはまりません。

補足

代表的なポートスキャナーには、オープンソースのNmapがあります。ポートスキャンは管理者が自分のサーバを点検するためにも使いますが、攻撃者が侵入前の下調べに使うこともあります。そのため「ポートスキャン=攻撃」とだけ覚えていると、検査の目的を問う問題で迷いやすくなります。

POINT

  • ポートスキャナーは、対象機器のポートへ信号を送り、どのサービスが稼働しているかを外部から調べるツールです。
  • Webサーバの検査では、不要なサービスや問題のあるサービスが動いていないかを確かめる目的で使います。
  • アクセス履歴の解析はログ分析で、ポートスキャンとは別の手法です。
  • ID管理の確認やログイン後のコンテンツ確認は、ポートの応答からは分からないことを調べる作業です。

※出典:2022年 サンプル問題 情報セキュリティマネジメント試験 科目A 問30