マナビング情報セキュリティマネジメント

Webアクセスの中継とキャッシュはどの仕組みの役割か

情報セキュリティマネジメント試験 令和6年度 問10 / ネットワーク › データ通信と制御

過去問にチャレンジ

令和6年度 問10

社内ネットワークからインターネットへのアクセスを中継し,Webコンテンツをキャッシュすることによってアクセスを高速にする仕組みで,セキュリティ確保にも利用されるものはどれか。

  1. ア

    DMZ

  2. イ

    IPマスカレード(NAPT)

  3. ウ

    ファイアウォール

  4. エ

    プロキシサーバ

会話形式の解説

講師講師
この問題では、問題文にある「アクセスを中継」「Webコンテンツをキャッシュ」「高速にする」の3つが手がかりです。キャッシュとは、一度取得した内容を保存しておいて再利用することです。この3つを全部満たす仕組みを探しましょう。
受験者受験者
選択肢はどれもネットワークの境目に置かれるものなので、私には似て見えます。「セキュリティ確保にも利用される」という部分だけを見ると、ファイアウォールが当てはまりそうな気がします。
講師講師
そこは引っかかりやすいところです。ファイアウォールは、IPアドレスやポート番号、通信の状態などをもとに通信を選別して、不正な通信を防ぐ仕組みです。Webコンテンツのキャッシュは、ファイアウォールの基本機能ではありません。プロキシ機能を備えた製品もありますが、それはファイアウォール本来の役割とは別のものです。
受験者受験者
では、DMZはどうでしょうか。社内と外部の間にあるので、中継しているようにも思えます。
講師講師
DMZは、内部ネットワークと外部ネットワークの間に設けた隔離された「領域」です。外部に公開するサーバをそこに置き、そのサーバが侵害されても内部への影響を抑えるための区画です。DMZという場所そのものが、Webアクセスを中継したりキャッシュしたりするわけではありません。
受験者受験者
IPマスカレード(NAPT)は、社内の端末が外へ出るときにアドレスを変えるものですよね。中継している点は合っていそうです。
講師講師
NAPTは、IPアドレスとポート番号を変換して、複数の端末が一つのグローバルIPアドレスを共有できるようにする技術です。変換をするだけで、Webコンテンツを保存する機能はありません。そのため、キャッシュによる高速化には当たりません。
受験者受験者
そうなると、残りはプロキシサーバです。社内の端末に代わってWebの要求を送り、取得した内容を保存しておくので、同じページを見るときに速くなるということですね。
講師講師
そのとおりです。保存した内容を再利用すれば、外部との通信量が減り、応答も速くなります。さらに、接続先を制限したり利用履歴を記録したりすることにも使えます。これが問題文の「セキュリティ確保にも利用される」に当たります。
受験者受験者
DMZは「領域」、NAPTは「アドレス変換」、ファイアウォールは「通信の選別」、プロキシサーバは「代理とキャッシュ」と、役割で分けて覚えればよさそうです。
講師講師
いい整理です。補足すると、プロキシを通すと外部からは社内端末のアドレスではなくプロキシのアドレスが見えるので、内部のアドレスを隠すことにも役立ちます。この点はNAPTと似ていますが、キャッシュがあるかどうかで見分けられます。また、外部から公開サーバへのアクセスを中継するものは「リバースプロキシ」と呼ばれます。社内から外部へ向かう今回の中継とは、向きが逆です。

まとめ

社内からインターネットへのWebアクセスを端末に代わって中継し、取得したコンテンツをキャッシュして高速化する仕組みはプロキシサーバです。プロキシサーバは、接続先の制限や利用履歴の記録など、セキュリティ確保にも使われます。DMZは公開サーバを置く隔離された領域、NAPTはアドレスとポート番号の変換、ファイアウォールは通信の選別が役割で、どれもキャッシュによる高速化は行いません。プロキシは内部のアドレスを隠す点でNAPTに似ていますが、キャッシュがあるかどうかで区別できます。

解答・解説

正解はエです

この問題のテーマ

社内からインターネットへのWebアクセスを代わりに中継し、取得したコンテンツをキャッシュして高速化する仕組みがどれかを問う問題です。似た位置に置かれるネットワーク機器や技術との役割の違いを見分けられるかが問われています。

解き方の考え方

問題文の「アクセスを中継」「Webコンテンツをキャッシュ」「高速にする」という3つの手がかりに注目します。各選択肢について、Webの要求を端末に代わって送るか、取得した内容を保存して再利用するかを確かめます。両方を満たすのはプロキシサーバだけなので、これが正解になります。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  DMZ
    DMZの説明としては、内部ネットワークと外部ネットワークの間に設けた隔離領域で、外部に公開するサーバを置く場所を指します。公開サーバが侵害されても内部への影響を抑えるための区画であり、それ自体がWebアクセスを中継したり、コンテンツをキャッシュしたりする仕組みではありません。
  2. ×イ  IPマスカレード(NAPT)
    IPマスカレード(NAPT)は、IPアドレスとポート番号を変換して、複数の端末が一つのグローバルIPアドレスを共有できるようにする技術です。アドレスを変換するだけで、Webコンテンツを保存する機能はないため、キャッシュによる高速化には当たりません。
  3. ×ウ  ファイアウォール
    ファイアウォールは、IPアドレスやポート番号、通信の状態などをもとに通信を選別し、不正な通信を防ぐ仕組みです。Webコンテンツのキャッシュは基本機能ではありません。プロキシ機能を備えた製品もありますが、それはファイアウォール本来の役割とは別のものです。
  4. ○エ  プロキシサーバ
    プロキシサーバは、社内端末に代わってWebの要求を送り、取得したコンテンツを保存できます。保存した内容を再利用すれば、外部との通信量が減って応答も速くなります。さらに接続先の制限や利用履歴の記録にも使えるため、問題文にある「セキュリティ確保にも利用される」という説明にも合います。

補足

プロキシサーバを経由すると、外部からは社内端末のIPアドレスではなくプロキシのアドレスが見えるため、内部のアドレスを隠すことにも役立ちます。この点がNAPTと似ているため混同しやすいですが、キャッシュの有無が見分けるポイントです。また、外部から公開サーバへのアクセスを中継するものは「リバースプロキシ」と呼ばれ、本問の社内から外部へ向かう中継とは向きが逆になります。

POINT

  • プロキシサーバは、端末に代わってWebの要求を送る「代理」の役割を持つサーバです。
  • プロキシサーバのキャッシュは取得済みのコンテンツを再利用するもので、通信量の削減と応答の高速化に役立ちます。
  • プロキシサーバは、接続先の制限やアクセス履歴の記録など、セキュリティ対策にも利用されます。
  • DMZは公開サーバを置く「領域」、NAPTは「アドレス変換」、ファイアウォールは「通信の選別」と、それぞれの役割を区別して覚えておきましょう。

※出典:令和6年度 情報セキュリティマネジメント試験 科目A 問10