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ハイブリッド暗号方式は何と何を組み合わせる方式か

情報セキュリティマネジメント試験 2022年 サンプル問題 問21 / セキュリティ › 情報セキュリティ

過去問にチャレンジ

2022年 サンプル問題 問21

OpenPGPやS/MIMEにおいて用いられるハイブリッド暗号方式の特徴はどれか。

  1. ア

    暗号通信方式としてIPsecとTLSを選択可能にすることによって利用者の利便性を高める。

  2. イ

    公開鍵暗号方式と共通鍵暗号方式を組み合わせることによって鍵管理コストと処理性能の両立を図る。

  3. ウ

    複数の異なる共通鍵暗号方式を組み合わせることによって処理性能を高める。

  4. エ

    複数の異なる公開鍵暗号方式を組み合わせることによって安全性を高める。

会話形式の解説

講師講師
今回は、OpenPGPやS/MIMEといった電子メールの暗号化で使われるハイブリッド暗号方式の問題です。何と何を組み合わせるのか、組み合わせて何を実現したいのか、の2点に注目してください。
受験者受験者
ハイブリッドというからには複数の方式を組み合わせるのだと思います。ただ、選択肢には共通鍵どうしや公開鍵どうしの組合せもあって、どれが正しいのか迷いました。
講師講師
そこで、まず二つの暗号方式の長所と短所を思い出しましょう。共通鍵暗号は、暗号化と復号に同じ鍵を使う方式です。処理は速いのですが、その鍵を相手に安全に渡すことや、鍵の管理に手間がかかります。
受験者受験者
公開鍵暗号は、公開してよい鍵と秘密にする鍵を分ける方式なので、鍵は配りやすいです。その代わり、計算量が多くて処理が重い、という理解で合っていますか。
講師講師
合っています。ハイブリッド暗号方式は、この二つを組み合わせて互いの短所を補います。まず公開鍵暗号を使って共通鍵を相手に安全に届け、その後の本文は処理の軽い共通鍵暗号で暗号化と復号を行います。
受験者受験者
そうすると、鍵の受け渡しの悩みは公開鍵暗号で解決し、本文の処理の重さは共通鍵暗号で抑えるわけですね。公開鍵暗号と共通鍵暗号を組み合わせて鍵管理コストと処理性能の両立を図る、という選択肢が正解になりそうです。
講師講師
そのとおりです。では、複数の異なる共通鍵暗号方式を組み合わせて処理性能を高める、という選択肢はどうでしょうか。
受験者受験者
共通鍵暗号だけなので、鍵をどうやって相手に安全に渡すかという問題が残ります。処理性能だけを目的にしている点も、両立をねらうハイブリッド暗号方式とは違うと思います。
講師講師
よい判断です。複数の異なる公開鍵暗号方式を組み合わせて安全性を高める、という選択肢も同じ考え方で外せます。公開鍵暗号だけの組合せではありませんし、ねらいは安全性を重ねて高めることではなく、鍵管理と処理性能の両立です。
受験者受験者
IPsecとTLSを選べるようにして利便性を高める、という選択肢は、通信プロトコルの選び方の話ですよね。暗号方式の組合せとは関係がないと考えました。
講師講師
そのとおりです。補足すると、ハイブリッド暗号方式は電子メールの暗号化だけでなく、TLSでも使われています。共通鍵を共有するところに公開鍵の技術を使い、データ本体は共通鍵暗号で暗号化する、という役割分担はどこでも共通なので、セットで覚えておくと応用が利きます。

まとめ

ハイブリッド暗号方式は、公開鍵暗号方式と共通鍵暗号方式を組み合わせた方式で、OpenPGPやS/MIMEで使われています。共通鍵暗号は処理が速い一方で鍵の配送や管理に手間がかかり、公開鍵暗号は鍵を配りやすい一方で処理が重いという性質があります。そこで、公開鍵暗号で共通鍵を安全に届け、本文は共通鍵暗号で暗号化することで、鍵管理と処理性能を両立させます。共通鍵どうしや公開鍵どうしの組合せ、通信プロトコルの選択は、ハイブリッド暗号方式の特徴には当たりません。

解答・解説

正解はイです

この問題のテーマ

OpenPGPやS/MIMEで使われるハイブリッド暗号方式について、何と何を組み合わせ、何をねらう方式なのかを問う問題です。

解き方の考え方

まず、共通鍵暗号と公開鍵暗号それぞれの長所と短所を思い出します。共通鍵暗号は処理が速い反面、鍵を安全に渡すことや鍵の管理に手間がかかります。公開鍵暗号は鍵を配りやすい反面、処理が重くなります。ハイブリッド暗号方式は、この二つの方式を組み合わせて互いの短所を補う方式です。選択肢の中から「公開鍵暗号と共通鍵暗号の組合せ」を述べたものを選べば正解にたどり着けます。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  暗号通信方式としてIPsecとTLSを選択可能にすることによって利用者の利便性を高める。
    IPsecとTLSを選択できるようにして利便性を高めるという説明は、通信プロトコルの選択肢を増やす話です。暗号方式の組合せの話ではないため、ハイブリッド暗号方式の特徴には当たりません。
  2. ○イ  公開鍵暗号方式と共通鍵暗号方式を組み合わせることによって鍵管理コストと処理性能の両立を図る。
    公開鍵暗号と共通鍵暗号を組み合わせるという説明は、ハイブリッド暗号方式そのものです。まず公開鍵暗号を使って共通鍵を相手に安全に届け、その後の本文は処理の軽い共通鍵暗号で暗号化と復号を行います。この仕組みにより、鍵管理の手間を抑えることと処理性能を確保することを両立できます。
  3. ×ウ  複数の異なる共通鍵暗号方式を組み合わせることによって処理性能を高める。
    異なる共通鍵暗号方式どうしを組み合わせるという説明は、ハイブリッド暗号方式に当たりません。ハイブリッド暗号方式は共通鍵暗号だけを組み合わせるものではなく、公開鍵暗号も使います。共通鍵暗号だけでは、鍵の配送という課題が解決されません。
  4. ×エ  複数の異なる公開鍵暗号方式を組み合わせることによって安全性を高める。
    異なる公開鍵暗号方式どうしを組み合わせて安全性を高めるという説明も、ハイブリッド暗号方式に当たりません。ハイブリッド暗号方式は公開鍵暗号だけの組合せではありません。そもそも、ねらいは安全性を重ねて高めることではなく、鍵管理と処理性能を両立することにあります。

補足

ハイブリッド暗号方式は、OpenPGPやS/MIMEといった電子メールの暗号化だけでなく、TLSでも使われています。選択肢に「同じ種類の暗号方式どうしの組合せ」や「プロトコルの選択」が出てきたら引っかけを疑い、「公開鍵暗号と共通鍵暗号の組合せ」という形を探すと判断しやすくなります。

POINT

  • ハイブリッド暗号方式は、公開鍵暗号方式と共通鍵暗号方式を組み合わせた方式です。
  • 公開鍵暗号は共通鍵を安全に配送するために使い、本文の暗号化には共通鍵暗号を使います。
  • 共通鍵暗号は処理が速い一方で、鍵の配送や管理に手間がかかります。
  • 公開鍵暗号は鍵を配りやすい一方で、計算量が多く処理に時間がかかります。
  • この組合せのねらいは、鍵管理と処理性能の両立にあります。

※出典:2022年 サンプル問題 情報セキュリティマネジメント試験 科目A 問21