マナビング情報セキュリティマネジメント

共通鍵暗号方式の見分け方 AES・RSA・PKI・SHA-256

情報セキュリティマネジメント試験 2022年 サンプル問題 問20 / セキュリティ › 情報セキュリティ

過去問にチャレンジ

2022年 サンプル問題 問20

データベースで管理されるデータの暗号化に用いることができ,かつ,暗号化と復号とで同じ鍵を使用する暗号方式はどれか。

  1. ア

    AES

  2. イ

    PKI

  3. ウ

    RSA

  4. エ

    SHA-256

会話形式の解説

講師講師
今回は暗号に関わる4つの用語から、データベースのデータを暗号化でき、暗号化と復号に同じ鍵を使う方式を選ぶ問題です。まず「同じ鍵」という条件に注目しましょう。
受験者受験者
暗号化と復号で同じ鍵を使うのは、共通鍵暗号方式のことでしょうか。
講師講師
そのとおりです。暗号化と復号に同じ鍵を使う方式を共通鍵暗号方式といいます。次に、4つの用語が暗号方式なのか、それ以外の仕組みなのかを分けてみましょう。
受験者受験者
PKIは名前に「公開鍵」が入っているので、公開鍵暗号の一種だと思っていました。
講師講師
そこは間違えやすいところです。PKIは公開鍵基盤の略で、公開鍵が本人のものだと証明して管理する仕組みです。鍵を管理する仕組みで、データを暗号化する方式そのものではありません。
受験者受験者
では、PKIはここで外れますね。SHA-256もデータを変換するので、暗号の仲間に見えます。
講師講師
SHA-256はハッシュ関数です。入力データから256ビットのハッシュ値、つまりデータの要約値を作ります。一方向の変換なので、ハッシュ値から元のデータに戻すことは困難です。
受験者受験者
元に戻せないなら、復号ができません。鍵を使って暗号化と復号をする方式でもないので、SHA-256も外れますね。
講師講師
はい。残ったAESとRSAは、どちらもデータの暗号化に使える方式です。ここからは、使う鍵が1種類か2種類かで分けます。
受験者受験者
RSAは公開鍵暗号方式だったと思います。そうだとすると、鍵は2種類でしょうか。
講師講師
そうです。RSAは公開鍵暗号方式で、暗号化と復号に別々の鍵を使います。暗号化には使えますが、「同じ鍵を使う」という条件に合わないので外れます。
受験者受験者
残ったAESが、1つの鍵で暗号化と復号をする方式ということですね。
講師講師
はい。AESは共通鍵暗号方式の代表で、1つの秘密鍵を暗号化にも復号にも使います。データベースのデータを暗号化して元に戻せて、鍵が同じという条件も満たすので、AESが正解です。
受験者受験者
整理すると、PKIは鍵を管理する基盤、SHA-256は元に戻せないハッシュ関数、RSAは鍵が2種類の公開鍵暗号、AESは鍵が1種類の共通鍵暗号、ということですね。
講師講師
その整理で大丈夫です。似た用語が並んだら、まず暗号方式かどうかで分け、暗号方式なら鍵の数で分けると、迷わずに絞り込めます。

まとめ

この問題は、データの暗号化に使えて、暗号化と復号に同じ鍵を使う方式を選ぶものです。PKIは公開鍵を管理する基盤で暗号方式ではありません。SHA-256は元に戻せない一方向のハッシュ関数なので、復号ができません。RSAは暗号化と復号に別々の鍵を使う公開鍵暗号方式です。1つの秘密鍵で暗号化と復号を行う共通鍵暗号方式のAESが正解です。

解答・解説

正解はアです

この問題のテーマ

暗号に関する4つの用語から、「同じ鍵で暗号化と復号を行う」という条件に合う方式を選ぶ問題です。共通鍵暗号方式・公開鍵暗号方式・公開鍵基盤・ハッシュ関数の違いを区別できるかが問われます。

解き方の考え方

最初に、問題文の「暗号化と復号とで同じ鍵」という条件が共通鍵暗号方式を指すことを確かめます。次に、4つの用語をそれぞれ「暗号方式か、それ以外の仕組みか」で分けます。暗号方式だった用語は、さらに使う鍵が1種類か2種類かで分けます。そのうえで、データを暗号化でき、元に戻せて、しかも同じ鍵で済む用語を探します。

選択肢ごとの解説

  1. ○ア  AES
    アのAESは、データを暗号化するアルゴリズムです。AESは共通鍵暗号方式に属し、1つの秘密鍵を暗号化にも復号にも使います。そのため、データベースのデータを暗号化して元に戻すことができ、鍵が同じという条件も満たします。したがって、アが正解です。
  2. ×イ  PKI
    イのPKIは、公開鍵基盤(公開鍵が本人のものだと証明して管理する仕組み)を指す略語です。PKIは鍵の管理のための仕組みであり、データを暗号化する方式そのものではありません。したがって、暗号方式を問う問題の答えにはなりません。
  3. ×ウ  RSA
    ウのRSAは、データの暗号化に使える方式です。ただしRSAは公開鍵暗号方式で、暗号化と復号には別々の鍵を使います。そのため、「同じ鍵を使う」という条件に合いません。
  4. ×エ  SHA-256
    エのSHA-256は、入力データから256ビットのハッシュ値(データの要約値)を作るハッシュ関数です。ハッシュ化は一方向の変換なので、ハッシュ値から元のデータに戻すことは困難です。また、鍵を使って暗号化と復号を行う方式でもありません。したがって、条件に合いません。

POINT

  • 暗号化と復号に同じ鍵を使う方式を、共通鍵暗号方式といいます。AESはその代表です。
  • RSAは公開鍵暗号方式で、暗号化と復号に使う鍵が異なります。
  • PKIは公開鍵を管理する基盤であり、暗号方式ではありません。
  • SHA-256はハッシュ関数です。元に戻せない一方向の変換なので、復号を前提とする暗号方式とは区別します。

※出典:2022年 サンプル問題 情報セキュリティマネジメント試験 科目A 問20