マナビング情報セキュリティマネジメント

データベースの監査ログは何のために取るのか、事前と事後で見分ける

情報セキュリティマネジメント試験 2022年 サンプル問題 問43 / データベース › データベース方式

過去問にチャレンジ

2022年 サンプル問題 問43

データベースの監査ログを取得する目的として,適切なものはどれか。

  1. ア

    権限のない利用者のアクセスを拒否する。

  2. イ

    チェックポイントからのデータ復旧に使用する。

  3. ウ

    データの不正な書換えや削除を事前に検知する。

  4. エ

    問題のあるデータベース操作を事後に調査する。

会話形式の解説

講師講師
今回は、データベースの監査ログを何のために取るのかを問う問題です。似た働きをする「アクセス制御」や「復旧用のログ」と区別できるかがポイントになります。
受験者受験者
ログと聞くと、障害が起きたときにデータを戻すのにも使うイメージがあります。チェックポイントからの復旧も、ログの用途として正しい気がしてしまいました。
講師講師
そこは混同しやすいところです。チェックポイントからの復旧に使うのは、トランザクションの更新後ログなど、障害回復用のログです。監査ログとは目的が違うので、別のものとして覚えておきましょう。
受験者受験者
では、監査ログには何が記録されるのですか。
講師講師
「誰が、いつ、何を操作したか」という操作の履歴です。記録は操作が行われた後に残るので、使い道は基本的に「後から調べること」になります。
受験者受験者
後から調べるためのものなら、権限のない利用者のアクセスを拒否するという選択肢も違いますね。拒否するのは操作の前で、記録とは別の働きに見えます。
講師講師
そのとおりです。アクセスを拒否するのはアクセス制御の役割です。監査ログは履歴を記録するもので、アクセスそのものを止める仕組みではありません。
受験者受験者
不正な書換えや削除を検知するという選択肢は、監査ログらしく感じました。でも「事前に」と書いてあるのが気になります。
講師講師
その「事前に」が誤りの部分です。監査ログは実行された操作を記録するので、記録を確認して不正に気付けるのは、操作が行われた後になります。
受験者受験者
そうすると、問題のあるデータベース操作を事後に調査するという選択肢が正解ですね。記録があるから、不正や誤操作の経緯を後から追跡できるということですか。
講師講師
はい、それが監査ログの目的そのものです。誰がいつ何をしたかが残っているので、問題が起きた後に原因や経緯を調べられます。
受験者受験者
整理すると、拒否はアクセス制御、復旧は更新後ログなどの障害回復用ログ、監査ログは事後の調査、という分担ですね。
講師講師
よく整理できています。補足すると、今回のように「事前に」という語で、記録の仕組みを予防の仕組みに見せる選択肢には注意しましょう。なお、操作が記録されていると利用者が知っていれば、不正をためらわせる抑止効果も期待できますが、それはあくまで副次的な効果です。

まとめ

データベースの監査ログは「誰が・いつ・何を操作したか」を記録した履歴で、主な目的は不正や誤操作を事後に調査・追跡することです。権限のない利用者のアクセスを拒否するのはアクセス制御の役割で、監査ログの役割ではありません。チェックポイントからの復旧に使うのはトランザクションの更新後ログなどの障害回復用ログで、監査ログとは別のものです。ログは操作の後に残るので、「事前に検知する」という説明は誤りになります。

解答・解説

正解はエです

この問題のテーマ

データベースの監査ログを何のために取得するのかを問う問題です。似た言葉の「アクセス制御」や「復旧用のログ」と区別できるかがポイントになります。

解き方の考え方

まず、監査ログが「誰が、いつ、何を操作したか」を記録した履歴だという点を押さえます。記録は操作の後に残るものなので、使い道は「後から調べること」になります。そこで、アクセスを拒否する、復旧に使う、事前に検知するといった、記録以外の働きや操作前の働きを述べた選択肢を外していきます。残った「事後に調査する」が正解です。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  権限のない利用者のアクセスを拒否する。
    権限のない利用者のアクセスを拒否するという説明は、アクセス制御の役割です。監査ログは操作の履歴を記録するもので、アクセスそのものを止める仕組みではありません。
  2. ×イ  チェックポイントからのデータ復旧に使用する。
    チェックポイントからのデータ復旧に使うという説明は、トランザクションの更新後ログなど、障害回復用のログの役割です。監査ログは復旧用のログとは目的が違うので、区別して覚えます。
  3. ×ウ  データの不正な書換えや削除を事前に検知する。
    不正な書換えや削除を「事前に」検知するという説明が誤りです。監査ログは実行された操作を記録するものなので、記録を確認して不正に気付くのは操作の後になります。
  4. ○エ  問題のあるデータベース操作を事後に調査する。
    問題のあるデータベース操作を事後に調査するという説明は、監査ログの目的そのものです。誰がいつ何をしたかを記録しておくことで、不正や誤操作が起きた後にその経緯を調べて追跡できます。

補足

ウのように「事前に」「未然に」といった語で、記録の仕組みを予防の仕組みのように見せる引っかけはよく出ます。ログは操作の後に残るものだと覚えておくと見抜けます。なお、操作が記録されていると利用者が知っていれば、不正をためらわせる抑止効果も期待できますが、それはあくまで副次的な効果です。

POINT

  • 監査ログは「誰が・いつ・何を操作したか」を記録した履歴です。
  • 監査ログの主な目的は、不正や誤操作を後から調査・追跡することです。
  • 権限のない利用者のアクセスを拒否するのはアクセス制御の役割で、監査ログの役割ではありません。
  • 障害からの復旧に使うのはトランザクションの更新後ログなどで、監査ログとは別のものです。

※出典:2022年 サンプル問題 情報セキュリティマネジメント試験 科目A 問43