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IPSの説明はどれか?似たセキュリティ用語との見分け方

情報セキュリティマネジメント試験 平成31年度春期 午前 問15 / セキュリティ › 情報セキュリティ対策

過去問にチャレンジ

平成31年度春期 午前 問15

IPSの説明はどれか。

  1. ア

    Webサーバなどの負荷を軽減するために,暗号化や復号の処理を高速に行う専用ハードウェア

  2. イ

    サーバやネットワークへの侵入を防ぐために,不正な通信を検知して遮断する装置

  3. ウ

    システムの脆弱性を見つけるために,疑似的に攻撃を行い侵入を試みるツール

  4. エ

    認可されていない者による入室を防ぐために,指紋,虹彩などの生体情報を用いて本人認証を行うシステム

会話形式の解説

講師講師
今回はIPSの説明を選ぶ問題です。選択肢にはセキュリティ関連の仕組みが並んでいます。それぞれが何のための仕組みなのか、目的に注目して見分けていきましょう。
受験者受験者
IPSは侵入防止システムの略だったと思います。名前のとおりなら、侵入を防ぐ説明を選べばよいのでしょうか。
講師講師
その考え方で大丈夫です。IPSは、サーバやネットワークへの不正な通信を検知して、さらに遮断まで行う装置です。不正な通信を検知して遮断する装置という説明が正解になります。
受験者受験者
暗号化や復号を高速に処理する専用ハードウェアの説明も、セキュリティ製品らしく見えて迷いました。
講師講師
それはSSL/TLSアクセラレータと呼ばれる装置です。暗号処理をサーバの代わりに受け持って、負荷を減らします。目的は性能の向上で、侵入を防ぐためのものではありません。
受験者受験者
疑似的に攻撃して侵入を試みるツールも、侵入という言葉が入っているので紛らわしいです。
講師講師
それはペネトレーションテスト(侵入テスト)や脆弱性診断で使うツールです。システムの弱点を見つけることが目的で、通信を見張って防ぐ装置ではありません。侵入を「試みる」側か「防ぐ」側かで区別できます。
受験者受験者
指紋や虹彩で本人を確かめるシステムは生体認証ですよね。入室管理なので、ネットワークの話とは違うと考えました。
講師講師
そのとおりです。物理的な入室管理のための仕組みなので、ネットワーク上の不正な通信を扱うIPSとは別物です。
受験者受験者
まとめると、負荷を減らすのがアクセラレータ、弱点を探すのがペネトレーションテスト、入室管理が生体認証で、不正な通信を検知して遮断するのがIPSですね。
講師講師
よく整理できています。あわせて、IPSと混同しやすいIDSも押さえておきましょう。IDSは不正を検知して管理者に通知するまでで、IPSはさらに遮断まで行います。説明が「検知して通知する」で終わればIDS、「検知して遮断する」とあればIPSです。
講師講師
なお、IPSは誤検知によって正常な通信まで遮断してしまうおそれがあります。そのため、ルールの設定には注意が必要です。

まとめ

IPS(侵入防止システム)は、サーバやネットワークへの不正な通信を検知し、遮断して侵入を防ぐ装置です。暗号処理を肩代わりしてサーバの負荷を減らす装置はSSL/TLSアクセラレータで、目的は性能の向上です。疑似攻撃で弱点を探すツールはペネトレーションテストなどで使うもので、指紋や虹彩による入室管理は生体認証です。IDSは検知して通知するまで、IPSは遮断まで行うという違いで見分けられます。

解答・解説

正解はイです

この問題のテーマ

IPS(侵入防止システム)の正しい説明を選ぶ問題です。暗号処理の専用機器、疑似攻撃のツール、生体認証など、ほかのセキュリティ用語と区別できるかが問われています。

解き方の考え方

まず、IPSという名前が「侵入を防ぐ」仕組みを指していることを思い出します。次に、それぞれの選択肢が何の説明なのかを考えます。用途が「負荷軽減」なのか「侵入防止」なのか「弱点探し」なのか「入室管理」なのかを見分けます。そのうえで、不正な通信を検知し、さらに遮断まで行う説明を選びます。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  Webサーバなどの負荷を軽減するために,暗号化や復号の処理を高速に行う専用ハードウェア
    暗号化や復号を高速に処理して、Webサーバの負荷を減らす専用ハードウェアという説明です。これはSSL/TLSアクセラレータ(オフロード装置)にあたります。目的は性能の向上であり、侵入を防ぐ装置ではありません。
  2. ○イ  サーバやネットワークへの侵入を防ぐために,不正な通信を検知して遮断する装置
    不正な通信を検知し、遮断して侵入を防ぐ装置という説明です。これがIPSの役割にあたります。検知にとどまらず、自動的に防御まで行う点がIPSの特徴です。
  3. ×ウ  システムの脆弱性を見つけるために,疑似的に攻撃を行い侵入を試みるツール
    疑似的に攻撃して侵入を試み、脆弱性を見つけるツールという説明です。これはペネトレーションテストや脆弱性診断で使うツールにあたります。弱点を見つけることが目的であり、通信を見張って防ぐ装置ではありません。
  4. ×エ  認可されていない者による入室を防ぐために,指紋,虹彩などの生体情報を用いて本人認証を行うシステム
    指紋や虹彩を使って本人を確かめ、入室を管理するシステムという説明です。これは生体認証(バイオメトリクス認証)にあたります。物理的な入室管理のための仕組みであり、ネットワーク上の不正な通信を扱うIPSとは別物です。

補足

この問題にIDSの選択肢はありませんが、IDSとIPSは混同しやすい用語です。IDSは不正を検知して通知するまでを担い、IPSはIDSを発展させて遮断まで行います。説明文が「検知して通知する」で終わっていればIDS、「検知して遮断する」とあればIPSと見分けられます。また、IPSは誤検知によって正常な通信まで遮断するおそれがあるため、ルールの設定に注意が必要です。

POINT

  • IPSは侵入防止(防御)システムのことで、不正な通信を検知し、遮断して侵入を防ぎます。
  • IDSは不正を検知して管理者に通知するところまでで、IPSはさらに自動で防御まで行います。
  • 暗号処理を肩代わりしてサーバの負荷を減らす装置は、SSL/TLSアクセラレータと呼ばれます。
  • 疑似攻撃で弱点を探す手法はペネトレーションテストで、防御装置ではありません。

※出典:平成31年度春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問15