エラープルーフ化の具体例は?人への対策と仕組みの対策を見分ける
情報セキュリティマネジメント試験 2022年 サンプル問題 問38 / サービスマネジメント › サービスの運用
過去問にチャレンジ
ヒューマンエラーに起因する障害を発生しにくくする方法に,エラープルーフ化がある。運用作業におけるエラープルーフ化の例として,最も適切なものはどれか。
- ア
画面上の複数のウィンドウを同時に使用する作業では,ウィンドウを間違えないようにウィンドウの背景色をそれぞれ異なる色にする。
- イ
長時間に及ぶシステム監視作業では,疲労が蓄積しないように,2時間おきに交代で休憩を取得する体制にする。
- ウ
ミスが発生しやすい作業について,過去に発生したヒヤリハット情報を共有して同じミスを起こさないようにする。
- エ
臨時の作業を行う際にも落ち着いて作業ができるように,臨時の作業の教育や訓練を定期的に行う。
会話形式の解説
講師今回はヒューマンエラー対策の問題です。注目してほしいのは、それぞれの対策が「人」に働きかけているのか、作業の「仕組み」を変えているのかという点です。
受験者選択肢はどれもミスを減らすのに役立ちそうに見えます。休憩も教育も情報共有も、全部ヒューマンエラー対策として正しい気がして迷いました。
講師そこが迷いやすい点です。どれも対策としては正しいのですが、エラープルーフ化とは、画面・機器・手順などの仕組みの側を変えて、ミスを起こりにくくする考え方のことです。人の注意力や知識に頼る対策は、これには当てはまりません。
受験者では、2時間おきに交代で休憩する体制はどうでしょうか。疲れによるミスは減りそうですが。
講師疲れを防いで人の注意力を保つための対策ですね。意味はありますが、作業の仕組みそのものは何も変わっていません。なので、エラープルーフ化には当たりません。
受験者ヒヤリハット情報、つまり事故には至らなかったけれどひやりとした事例を共有する対策も、人の意識を高めるもの、ということですか。
講師そのとおりです。同じミスを防ぐ効果は期待できますが、最後は一人ひとりの注意に頼ることになります。臨時作業の教育や訓練を定期的に行う対策も同じで、人の技能や落ち着きは高まりますが、作業の仕組みは変わりません。
受験者そうなると、ウィンドウごとに背景色を変える対策だけが、画面という仕組みのほうに手を加えていますね。
講師はい。色の違いで、操作するウィンドウを目で見分けられるようになります。人が判断しやすいように作業環境を変えて、取り違えを起こりにくくしているので、これがエラープルーフ化の例です。
受験者「その対策で作業の仕組みや道具が変わるか」を確かめれば見分けられる、と理解しました。
講師それで大丈夫です。補足すると、エラープルーフ化の考え方は一般に「排除」「代替化」「容易化」「異常検出」「影響緩和」の5つに整理されます。背景色の色分けは、人の判断を簡単にする「容易化」の例と考えられます。
講師教育や注意喚起は対策として正しいものの、エラープルーフ化とは区別されます。選ぶときは「効果がありそうか」ではなく、「仕組みを変えているか」で判断すると迷いにくくなります。
まとめ
エラープルーフ化とは、人の注意力や知識に頼らずに、画面・機器・手順などの仕組みを変えてミスを起こりにくくする対策です。ウィンドウごとに背景色を変える対策は画面に手を加えて取り違えを防ぐので、エラープルーフ化の例に当たります。交代での休憩、ヒヤリハット情報の共有、教育や訓練はヒューマンエラー対策としては正しいものの、人に働きかける対策なので区別されます。見分けるときは「効果がありそうか」ではなく「仕組みを変えているか」を基準にします。エラープルーフ化は排除・代替化・容易化・異常検出・影響緩和の5つに整理され、背景色の色分けは容易化の例と考えられます。
解答・解説
正解はアです
この問題のテーマ
ヒューマンエラー対策のうち、人ではなく作業の仕組みや道具の側を改めてミスを起こりにくくする「エラープルーフ化」を見分けられるかを問う問題です。
解き方の考え方
まず、各選択肢の対策が「人」に働きかけるものか、「仕組み」を変えるものかを分けます。エラープルーフ化は、画面や手順などの仕組みを変えてミスを起こりにくくする考え方です。休憩・情報共有・教育のように、人の注意力や知識に頼る対策は当てはまりません。この基準で4つを見ると、仕組みを変えているのは画面の表示を変えるアだけです。
選択肢ごとの解説
- ○ア 画面上の複数のウィンドウを同時に使用する作業では,ウィンドウを間違えないようにウィンドウの背景色をそれぞれ異なる色にする。ウィンドウごとに背景色を変える対策は、画面という仕組みの側に手を加えるものです。色の違いで操作するウィンドウを目で見分けられるので、ウィンドウを取り違えるミスが起きにくくなります。人が判断しやすくなるように作業環境を変えているので、エラープルーフ化の例といえます。
- ×イ 長時間に及ぶシステム監視作業では,疲労が蓄積しないように,2時間おきに交代で休憩を取得する体制にする。2時間おきに交代で休憩する体制は、疲れを防いで人の注意力を保つための対策です。ヒューマンエラー対策としては意味がありますが、作業の仕組みそのものは何も変わっていません。そのため、エラープルーフ化には当たりません。
- ×ウ ミスが発生しやすい作業について,過去に発生したヒヤリハット情報を共有して同じミスを起こさないようにする。ヒヤリハット情報を共有する対策は、注意を呼びかけ、知識を広めて人の意識を高めるものです。同じミスを防ぐ効果は期待できますが、最後は一人ひとりの注意に頼ることになります。仕組みを変えてミスを起こりにくくする対策ではありません。
- ×エ 臨時の作業を行う際にも落ち着いて作業ができるように,臨時の作業の教育や訓練を定期的に行う。臨時作業の教育や訓練を定期的に行うのは、人を教育する対策です。作業する人の技能や落ち着きは高まりますが、作業の仕組み自体は変わりません。そのため、エラープルーフ化の例としては適切ではありません。
補足
エラープルーフ化の考え方は、一般に「排除」「代替化」「容易化」「異常検出」「影響緩和」の5つに整理されます。アの背景色の色分けは、人の判断を簡単にする「容易化」の例と考えられます。教育や情報共有もヒューマンエラー対策としては正しいので、「効果がありそうか」ではなく「仕組みを変えているか」で選ぶのが引っかけを避けるこつです。
POINT
- エラープルーフ化とは、ミスが起きにくい仕組みに改める対策のことです。
- 対策の対象は人の注意力や知識ではなく、画面・機器・手順などの仕組みの側です。
- 休憩・教育・注意喚起・情報共有は、人に働きかける対策なので、エラープルーフ化とは区別されます。
- 見分けるときは「その対策で作業の仕組みや道具が変わるか」を確かめると判断しやすくなります。
