マナビング情報セキュリティマネジメント

プロジェクトの日程計画に適した技法を手法の目的から見分ける

情報セキュリティマネジメント試験 2022年 サンプル問題 問41 / プロジェクトマネジメント › タイムマネジメント

過去問にチャレンジ

2022年 サンプル問題 問41

プロジェクトの日程計画を作成するのに適した技法はどれか。

  1. ア

    PERT

  2. イ

    回帰分析

  3. ウ

    時系列分析

  4. エ

    線形計画法

会話形式の解説

講師講師
今回は、プロジェクトの日程計画に使う技法を選ぶ問題です。日程計画で何を扱うのかを先に考えてから、それぞれの技法が何のための手法なのかを確かめていきましょう。
受験者受験者
日程計画なら、どの作業をどの順番でやって、全体で何日かかるかを決めることだと思います。
講師講師
そのとおりです。作業の順序、つまり依存関係(どの作業が終わらないと次に進めないかという関係)と、各作業の所要時間を整理して、全体の完了時期を見積もります。これに合う技法はどれだと思いますか。
受験者受験者
PERTだと思います。作業を矢印でつないだ図を使う手法だったと記憶しています。
講師講師
正解です。PERTでは、作業どうしの関係をネットワーク図で表します。この図はアローダイアグラムとも呼ばれます。各作業の所要時間からクリティカルパスを求めると、プロジェクトの完了に最低何日かかるかが分かるので、日程計画に適しています。
受験者受験者
回帰分析や時系列分析も、将来の見通しを立てるという意味では計画に使えそうに思えたのですが、違うのでしょうか。
講師講師
どちらもデータを分析する統計手法です。回帰分析は、観測データから変数どうしの関係を推定し、目的変数を説明変数の式で表すものです。時系列分析は、時間の順に並べた実績データから過去の推移をつかみ、将来を予測します。売上や需要の予測には向いていますが、作業の依存関係から日程を組み立てる手法ではありません。
受験者受験者
線形計画法は名前に「計画」と入っているので、少し迷いました。
講師講師
線形計画法は、1次式で表した制約条件のもとで、目的関数を最大化または最小化する手法です。たとえば生産量の配分で利益を最大にする、といった最適化の問題に使います。「計画」という語は入っていますが数理的な最適化の手法で、作業の日程を立てる技法ではありません。
受験者受験者
整理すると、日程計画はPERT、変数の関係の推定は回帰分析、過去の推移からの予測は時系列分析、制約のもとでの最適化は線形計画法、ということですね。
講師講師
よく整理できています。日程や工程の問題では、PERT、アローダイアグラム、クリティカルパスをまとめて覚えておくと判断しやすくなります。技法の名前だけで考えず、それが何を求める手法なのかで区別するのがポイントです。

まとめ

プロジェクトの日程計画に適した技法はPERTです。PERTでは作業どうしの依存関係をネットワーク図(アローダイアグラム)で表し、各作業の所要時間からクリティカルパスを求めて、完了までの最少日数を見積もります。回帰分析は変数どうしの関係を推定する手法、時系列分析は過去の推移から将来を予測する手法で、どちらも統計的なデータ分析の手法です。線形計画法は、1次式の制約のもとで目的関数を最大化または最小化する最適化の手法で、作業の日程を立てる技法ではありません。

解答・解説

正解はアです

この問題のテーマ

プロジェクトの日程計画を立てるときに使う技法を、データ分析や最適化の手法と区別できるかを問う問題です。

解き方の考え方

まず、日程計画では何を扱うかを考えます。必要なのは、作業の順序(依存関係)と所要時間を整理して、全体の完了時期を見積もることです。次に、各選択肢の技法が何のための手法かを思い出します。回帰分析と時系列分析はデータを分析する統計手法で、線形計画法は制約のもとで最適な値を求める手法です。作業の依存関係をネットワークで表して日程を立てるPERTだけが、設問の目的に合います。

選択肢ごとの解説

  1. ○ア  PERT
    PERTは、作業どうしの依存関係を整理して、プロジェクトの日程を計画する技法です。作業を矢印でつないだネットワーク図(アローダイアグラム)で工程の関係を表し、各作業の所要時間からクリティカルパスを求めます。これにより、プロジェクトの完了に最低何日かかるかがわかるので、日程計画に適しています。
  2. ×イ  回帰分析
    回帰分析は、観測データから変数どうしの関係を推定する統計手法です。目的変数を説明変数の式で表してモデル化するもので、作業の順序や日程を組み立てる手法ではありません。
  3. ×ウ  時系列分析
    時系列分析は、時間の順に並べた実績データを分析する手法で、過去の推移から将来を予測するときに使います。売上や需要の予測には向いていますが、作業の依存関係をもとに日程を計画する手法ではありません。
  4. ×エ  線形計画法
    線形計画法は、1次式で表した制約条件のもとで、目的関数を最大化または最小化する手法です。たとえば生産量の配分で利益を最大にする、といった最適化問題に使い、日程計画のための技法ではありません。

補足

選択肢には、名前に「計画」が入っている線形計画法が混ざっています。名前だけで選ぶと間違えやすいので注意が必要です。線形計画法の「計画」は資源配分の最適化のことで、作業の日程を決める意味ではありません。日程や工程の問題では、PERT・アローダイアグラム・クリティカルパスという語をまとめて覚えておくと判断しやすくなります。

POINT

  • PERTは作業の依存関係をネットワーク図で表し、プロジェクトの日程を計画・管理する技法です。
  • PERT図はアローダイアグラムとも呼ばれ、クリティカルパスから完了までの最少日数を求められます。
  • 回帰分析は変数どうしの関係を推定する手法で、時系列分析は過去の推移から将来を予測する手法です。
  • 線形計画法は、1次式の制約のもとで目的関数を最大化または最小化する最適化の手法です。

※出典:2022年 サンプル問題 情報セキュリティマネジメント試験 科目A 問41