回収期間法の計算問題、2つの機器の年間利益は何倍か
情報セキュリティマネジメント試験 平成31年度春期 午前 問48 / システム戦略 › 情報システム戦略
過去問にチャレンジ
2種類のIT機器a,bの購入を検討している。それぞれの耐用年数を考慮して投資の回収期間を設定し,この投資で得られる利益の全額を投資額の回収に充てることにした。a,bそれぞれにおいて,設定した回収期間で投資額を回収するために最低限必要となる年間利益に関する記述のうち,適切なものはどれか。ここで,年間利益は毎年均等とし,回収期間における利率は考慮しないものとする。

- ア
aとbは同額の年間利益が必要である。
- イ
aはbの2倍の年間利益が必要である。
- ウ
bはaの1.5倍の年間利益が必要である。
- エ
bはaの2倍の年間利益が必要である。
会話形式の解説
講師今回は、投資額と回収期間から「毎年いくら利益が出れば回収できるか」を求めて、2つの機器を比べる問題です。利益は全額を回収に充て、毎年同じ額、利率は考えない、という3つの条件に注目してください。
受験者表を見ると、bは投資額が300万円でaの90万円よりかなり大きいので、bのほうがずっと多くの年間利益が必要になりそうだと思いました。
講師方向は合っています。ただ、bは回収期間も5年と長く、aは3年です。投資額だけで比べると差の大きさを見誤るので、1年あたりの額に直してから比べます。
受験者利率を考えないなら、投資額を回収期間で割れば1年あたりに必要な利益になる、ということですか。
講師そのとおりです。これは回収期間法という、投資額を何年で回収できるかで判断する考え方の基本です。では、aとbそれぞれ計算してみてください。
受験者aは90÷3で30万円、bは300÷5で60万円です。60÷30は2なので、bはaの2倍の年間利益が必要です。
講師正解です。「bはaの2倍」が適切な記述です。ほかの選択肢も確認しましょう。「aとbは同額」は、30万円と60万円で違うので誤りです。
受験者「aはbの2倍」は、数字の2倍は合っているのに、aとbが逆になっているのですね。
講師はい。aの30万円はbの60万円の半分です。比を問う問題では、「何の何倍か」のどちらが基準かを必ず確かめてください。「bはaの1.5倍」も、60÷30=2なので計算と合いません。1.5倍になるのは、aが40万円の場合です。
受験者投資額の比が約3.3倍、回収期間の比が約1.7倍なので、どちらか一方だけで考えると答えがずれてしまうのですね。
講師そこがよくある引っかけです。両方を使って割り算してから比べる、と覚えておきましょう。それから、回収期間法は手軽な指標ですが、お金の時間価値、つまり利率を考えないという弱点があります。今回は「利率は考慮しない」とあるので単純な割り算で解けますが、利率を考える場合は正味現在価値(NPV)などの方法を使います。
まとめ
利益の全額を投資額の回収に充て、年間利益は毎年同じで利率を考えない場合、必要な年間利益は「投資額÷回収期間」で求められます。この問題では、aは90÷3=30万円、bは300÷5=60万円で、bはaの2倍の年間利益が必要です。投資額の比(約3.3倍)や回収期間の比(約1.7倍)を一方だけ使うと誤答になり、比の基準を逆に読む誤りにも注意が必要です。回収期間法は利率を考えない指標で、利率を考える場合は正味現在価値(NPV)などの方法を使います。
解答・解説
正解はエです
この問題のテーマ
投資額と回収期間から、期間内に投資額を回収するのに最低限必要な年間利益を求め、2つの機器を比べる問題です。利率を考えない単純な回収期間法の考え方を使います。
解き方の考え方
利益は全額を回収に充て、年間利益は毎年同じ額で、利率は考えません。そのため、必要な年間利益は「投資額÷回収期間」で求められます。表から、aは投資額90万円・回収期間3年、bは投資額300万円・回収期間5年と読み取れます。a、bそれぞれの年間利益を計算し、その比を選択肢と照らし合わせます。計算はa:90÷3=30万円、b:300÷5=60万円、比は60÷30=2で、bはaの2倍です。
選択肢ごとの解説
- ×ア aとbは同額の年間利益が必要である。「aとbは同額」という説明は誤りです。aは年30万円、bは年60万円が必要なので、同じ額ではありません。投資額は約3.3倍違いますが回収期間も違うので、割り算をしないと差の大きさはわかりません。
- ×イ aはbの2倍の年間利益が必要である。「aはbの2倍」という説明は、aとbを逆にしています。aの30万円はbの60万円の半分です。比を問う問題では、どちらを基準にしているかの読み違いに注意してください。
- ×ウ bはaの1.5倍の年間利益が必要である。「bはaの1.5倍」という説明は計算と合いません。60÷30=2なので、1.5倍ではありません。bがaの1.5倍になるのは、aが40万円の場合です。
- ○エ bはaの2倍の年間利益が必要である。「bはaの2倍」という説明は正しいです。aは90÷3=30万円、bは300÷5=60万円で、60÷30=2となり、bはaの2倍です。
補足
投資額の比(300÷90≒3.3倍)や回収期間の比(5÷3≒1.7倍)をそのまま答えにすると間違えます。この問題では「利率は考慮しない」と書かれているので単純な割り算で解けますが、利率を考える場合は正味現在価値(NPV)などの方法を使います。
POINT
- 利益の全額を回収に充てる場合、必要な年間利益は「投資額÷回収期間」で求めます。
- 投資額だけ、または回収期間だけで比べず、両方を使って1年あたりの額にしてから比べます。
- 比を答える問題では、「AはBの何倍か」のどちらが基準かを確認します。
- 回収期間法は簡単に使える指標ですが、お金の時間価値(利率)を考えないという弱点があります。
