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労働者派遣と請負の見分け方は指揮命令を出す会社にある

情報セキュリティマネジメント試験 令和元年度秋期 午前 問35 / 法務 › 労働関連・取引関連法規

過去問にチャレンジ

令和元年度秋期 午前 問35

A社は,A社で使うソフトウェアの開発作業をB社に実施させる契約を,B社と締結した。締結した契約が労働者派遣であるものはどれか。

  1. ア

    A社監督者が,B社の雇用する労働者に,業務遂行に関する指示を行い,A社の開発作業を行わせる。

  2. イ

    B社監督者が,B社の雇用する労働者に指示を行って成果物を完成させ,A社監督者が成果物の検収作業を行う。

  3. ウ

    B社の雇用する労働者が,A社の依頼に基づいて,B社指示の下でB社所有の機材・設備を使用し,開発作業を行う。

  4. エ

    B社の雇用する労働者が,B社監督者の業務遂行に関する指示の下,A社施設内で開発作業を行う。

会話形式の解説

講師講師
今回は、A社がソフトウェア開発をB社に任せる契約のうち、労働者派遣に当たるものを選ぶ問題です。派遣と請負を見分けるのがポイントです。
受験者受験者
派遣と請負の違いがあいまいです。作業する場所がA社なら派遣、という覚え方で合っていますか。
講師講師
場所では決まりません。まず、作業者を雇っている会社を確かめます。この問題では、どの選択肢でも作業者を雇っているのはB社です。
受験者受験者
雇い主が全部同じなら、何で区別するのですか。
講師講師
作業者に業務の指示を出す会社です。業務の進め方を具体的に指示することを指揮命令といいます。発注側のA社が指揮命令していれば派遣、B社が自社の労働者に指示していれば請負です。
受験者受験者
そうすると、A社監督者がB社の労働者に業務遂行の指示を出す選択肢が派遣ですね。
講師講師
そのとおりです。雇うのはB社、指揮命令するのはA社というように、雇用と指揮命令が別の会社に分かれています。この形が労働者派遣で、これが正解です。
受験者受験者
成果物をA社監督者が検収する選択肢はどうですか。A社も作業に関わっているように見えます。
講師講師
検収は、納品物が要件を満たすかを確かめる作業です。仕事の結果を確認しているだけで、作業者への指揮命令には当たりません。指示はB社監督者が出しているので、仕事の完成を約束する請負です。
受験者受験者
A社の依頼に基づいて、B社の機材で作業する選択肢は、依頼したのがA社なので迷いました。
講師講師
仕事を依頼するのと、作業者に指示するのは別のことです。この選択肢で指示しているのはB社で、A社は指揮命令していません。そのため請負です。B社の機材を使うことは補助的な事情にすぎません。
受験者受験者
A社の施設内で作業する選択肢も、指示はB社監督者が出しているので請負ということですね。
講師講師
はい。作業場所が発注先というだけでは派遣とは判断できません。B社の指揮の下で作業しているので請負です。
受験者受験者
作業場所や機材、検収は決め手ではなく、雇う会社と指揮命令する会社が分かれているかを見ればよいのですね。
講師講師
そのとおりです。派遣では労働者は派遣元に雇われ、派遣先から指揮命令を受けます。請負では請負人が自社の労働者に指示して仕事を完成させます。この対比で整理しておきましょう。

まとめ

この問題は、A社がB社に開発作業を任せる契約のうち、労働者派遣に当たるものを選ぶ問題です。どの選択肢でも作業者を雇うのはB社なので、業務遂行の指示を出しているのがどちらの会社かで判断します。A社監督者がB社の労働者に指示する形は、雇用と指揮命令が別の会社に分かれるため労働者派遣で、これが正解です。B社が自社の労働者に指示する形は、作業場所がA社の施設内でも、B社の機材を使っても、A社が成果物を検収しても請負です。

解答・解説

正解はアです

この問題のテーマ

A社とB社の契約が、労働者派遣と請負のどちらに当たるかを見分ける問題です。決め手は、作業者に業務の指示を出すのがどちらの会社かという点です。

解き方の考え方

最初に、作業者を雇っている会社を確かめます。この問題では、どの選択肢でも作業者はB社に雇われています。次に、作業者に業務遂行の指示を出しているのがA社かB社かを見ます。雇う会社と指示する会社が分かれ、発注側のA社が指示していれば労働者派遣です。B社が自社の労働者に指示していれば、請負と考えます。作業場所や機材の持ち主は、判断の決め手にしません。

選択肢ごとの解説

  1. ○ア  A社監督者が,B社の雇用する労働者に,業務遂行に関する指示を行い,A社の開発作業を行わせる。
    アは、A社監督者がB社の労働者に業務遂行の指示を出す形です。作業者を雇うのはB社で、指揮命令(業務の進め方を具体的に指示すること)を行うのはA社です。このように雇用と指揮命令が別の会社に分かれる形は、労働者派遣に当たります。したがって、アが正解です。
  2. ×イ  B社監督者が,B社の雇用する労働者に指示を行って成果物を完成させ,A社監督者が成果物の検収作業を行う。
    イでは、B社監督者が自社の労働者に指示を出して成果物を完成させます。A社が行う検収(納品物が要件を満たすかの確認)は、仕事の結果を確かめる作業です。作業者への指揮命令には当たりません。そのため、イは仕事の完成を約束する請負の形で、派遣ではありません。
  3. ×ウ  B社の雇用する労働者が,A社の依頼に基づいて,B社指示の下でB社所有の機材・設備を使用し,開発作業を行う。
    ウは、A社の依頼を受けて、B社の指示の下で作業する形です。B社の機材を使うかどうかは、補助的な事情にすぎません。仕事を依頼したのはA社ですが、作業者に指示しているのはB社です。そのため、A社の指揮命令はなく、ウは請負に当たります。
  4. ×エ  B社の雇用する労働者が,B社監督者の業務遂行に関する指示の下,A社施設内で開発作業を行う。
    エでは、作業する場所がA社の施設内です。一方、業務遂行の指示はB社監督者が出しています。作業場所が発注先というだけでは、派遣とは判断できません。したがって、エはB社の指揮の下で作業する請負に当たり、派遣ではありません。

POINT

  • 労働者派遣では、労働者は派遣元に雇われ、派遣先から業務の指揮命令を受けます。
  • 請負では、請負人が自社の労働者に指示を出し、仕事を完成させます。
  • 発注者が検収で成果物を確認しても、指揮命令にはなりません。
  • 作業場所や機材の持ち主だけでは、派遣かどうかは決まりません。

※出典:令和元年度秋期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問35