マナビング情報セキュリティマネジメント

シュリンクラップ契約はいつ成立するのか、同意とみなす行為で考える

情報セキュリティマネジメント試験 令和元年度秋期 午前 問33 / 法務 › 労働関連・取引関連法規

過去問にチャレンジ

令和元年度秋期 午前 問33

シュリンクラップ契約において,ソフトウェアの使用許諾契約が成立するのはどの時点か。

  1. ア

    購入したソフトウェアの代金を支払った時点

  2. イ

    ソフトウェアの入ったDVD-ROMを受け取った時点

  3. ウ

    ソフトウェアの入ったDVD-ROMの包装を解いた時点

  4. エ

    ソフトウェアをPCにインストールした時点

会話形式の解説

講師講師
今回はシュリンクラップ契約で、ソフトウェアの使用許諾契約がいつ成立するかを問う問題です。まず「シュリンクラップ」という名前が何を指しているかに注目してください。
受験者受験者
使用許諾契約というと、私はインストールのときに条件を確認するイメージがあります。インストールした時点が正解だと考えたのですが、違うのでしょうか。
講師講師
そこが引っかけです。インストール中の画面で同意ボタンを押して成立させる方式は、クリックラップと呼ばれる別の方式です。シュリンクラップの「シュリンクラップ」は、製品やケースを覆う包装のことです。
受験者受験者
包装の名前が付いているということは、包装に関係する行為が同意のきっかけになるのですか。
講師講師
そのとおりです。シュリンクラップ契約では、使用許諾条件を包装の表面や内部に示しておき、利用者が包装を解いたことを、その条件への承諾として扱います。ですから、DVD-ROMの包装を解いた時点で契約が成立します。
受験者受験者
代金を支払った時点はどうでしょうか。お金を払えば条件にも納得したように思えます。
講師講師
代金の支払は売買の手続で、使用条件に同意したことを意味するとは限りません。DVD-ROMを受け取った時点も同じで、受け取っただけではまだ包装を開けておらず、同意とみなされる行為がありません。
受験者受験者
整理すると、支払や受取はまだ同意の行為がなく、インストールは開封よりも後の出来事で、成立のきっかけになるのはあくまで包装の開封、ということですね。
講師講師
はい、それで正確です。シュリンクラップは開封、クリックラップは同意ボタンのクリックが成立のきっかけ、と対で覚えておくと混同しにくくなります。なお、使用許諾条件を記した文書はEULA(エンドユーザー使用許諾契約)と呼ばれますので、あわせて押さえておきましょう。

まとめ

シュリンクラップ契約は、パッケージソフトウェアの包装(シュリンクラップ)を開ける行為を、使用許諾条件への同意とみなす方式です。使用許諾条件は包装の表面や内部に示されており、利用者が包装を解いた時点で使用許諾契約が成立します。代金の支払や媒体の受取だけでは同意にあたりません。インストール画面で同意ボタンを押して成立させる方式はクリックラップと呼ばれ、シュリンクラップとは区別して覚えることが大切です。

解答・解説

正解はウです

この問題のテーマ

パッケージソフトウェアで使われるシュリンクラップ契約について、使用許諾契約がどの時点で成立するとみなされるかを問う問題です。

解き方の考え方

まず「シュリンクラップ」という名前が、製品やケースを覆う包装を指していることに注目します。シュリンクラップ契約は、その包装を開ける行為を使用許諾条件への同意とみなす方式です。そこで各選択肢の中から、包装を開ける行為を表しているものを探せば正解にたどり着けます。代金の支払、媒体の受取、インストールは、いずれも包装を開ける行為とは別の出来事です。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  購入したソフトウェアの代金を支払った時点
    代金を支払った時点とする説明は誤りです。代金の支払は売買の手続であり、使用条件に同意したことを意味するとは限りません。シュリンクラップ契約で同意とみなされるのは包装の開封です。
  2. ×イ  ソフトウェアの入ったDVD-ROMを受け取った時点
    DVD-ROMを受け取った時点とする説明は誤りです。媒体を受け取っただけでは、まだ包装を開けておらず、同意とみなされる行為がありません。
  3. ○ウ  ソフトウェアの入ったDVD-ROMの包装を解いた時点
    DVD-ROMの包装を解いた時点とする説明が正解です。シュリンクラップ契約では、包装の表面や内部に使用許諾条件を示しておき、利用者が包装を解いたことをその条件への承諾として扱います。この時点で使用許諾契約が成立します。
  4. ×エ  ソフトウェアをPCにインストールした時点
    PCにインストールした時点とする説明は誤りです。インストール中の画面で同意ボタンを押して成立させるのはクリックラップと呼ばれる別の方式です。シュリンクラップ契約は、インストールより前の開封の時点で成立します。

補足

似た用語にクリックラップがあり、画面上で同意ボタンを押すことで契約が成立します。シュリンクラップは開封、クリックラップは同意ボタンのクリックが成立のきっかけになる、と区別して整理しておくと混同しにくくなります。なお、使用許諾条件を記した文書はEULA(エンドユーザー使用許諾契約)と呼ばれます。

POINT

  • シュリンクラップとは、製品やケースを覆う包装のことです。
  • シュリンクラップ契約では、包装を開ける行為を使用許諾条件への同意とみなします。
  • 使用許諾条件は、包装の表面や内部に示されています。
  • 代金の支払や媒体の受取だけでは、使用許諾への同意にはあたりません。

※出典:令和元年度秋期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問33