BPMとは何か:ERP・CRM・SCMとの違いを管理対象で見分ける
情報セキュリティマネジメント試験 令和5年度 問11 / システム戦略 › 業務プロセス
過去問にチャレンジ
BPMの説明はどれか。
- ア
企業活動の主となる生産,物流,販売,財務,人事などの業務の情報を一元管理することによって,経営資源の全体最適を実現する。
- イ
業務プロセスに分析,設計,実行,改善のマネジメントサイクルを取り入れ,業務プロセスの改善見直しや最適なプロセスへの統合を継続的に実施する。
- ウ
顧客データベースを基に,商品の販売から保守サービス,問合せやクレームへの対応など顧客に関する業務プロセスを一貫して管理する。
- エ
部品の供給から製品の販売までの一連の業務プロセスの情報をリアルタイムで交換することによって,在庫の削減とリードタイムの短縮を実現する。
会話形式の解説
講師今回はBPMの説明を選ぶ問題です。選択肢はどれも経営管理の手法の説明なので、それぞれが何を管理しているかに注目して読んでいきましょう。
受験者アルファベット3文字の用語がそろっていて、どれも同じように見えてしまいます。BPMは何の略でしたか。
講師Business Process Managementの略で、日本語ではビジネスプロセス管理といいます。名前のとおり、業務の流れ、つまり業務プロセスを管理して改善し続ける手法です。
受験者そうすると、業務プロセスに分析・設計・実行・改善のサイクルを取り入れて、見直しを継続的に行うという選択肢が当てはまりそうです。
講師そのとおりです。イの選択肢が正解です。「マネジメントサイクル」と「継続的」という言葉が、BPMを見分ける決め手になります。
受験者生産・物流・販売・財務・人事の情報を一元管理するという選択肢も、業務全体を扱っているのでBPMに近いように感じました。
講師それはERP、企業資源計画の説明です。管理の対象は企業全体の経営資源で、ねらいは全体最適です。業務プロセスを継続的に改善する手法を表したものではありません。
受験者顧客データベースを基に、販売から保守、問合せやクレーム対応まで一貫して管理するものはCRMでしょうか。
講師はい、CRM、顧客関係管理です。中心にあるのは顧客との関係です。部品の供給から製品の販売までの情報をリアルタイムで交換し、在庫削減とリードタイム短縮を図る選択肢はSCM、サプライチェーンマネジメントです。こちらは企業をまたいだ供給の連鎖が対象です。
受験者整理すると、ERPは経営資源、CRMは顧客、SCMは供給の連鎖、BPMは業務プロセスの継続的な改善ということですね。
講師よく整理できています。補足として、紛らわしい用語にBPR、ビジネスプロセスリエンジニアリングがあります。BPRは業務プロセスを根本から作り直すことが主眼なので、「抜本的」か「継続的」かで見分けます。また、BPMは管理手法の名前で、それを支えるツールはBPMSと呼びます。この区別も押さえておくと、用語の混同を避けやすくなります。
まとめ
BPMはBusiness Process Managementの略で、業務プロセスに分析・設計・実行・改善のサイクルを取り入れ、継続的に改善していく管理手法です。この問題ではイの選択肢が正解です。ほかの選択肢は、経営資源を一元管理するERP、顧客との関係を管理するCRM、供給の連鎖全体を最適化するSCMの説明です。用語問題では、その説明が何を管理対象にしているかに注目すると見分けやすくなります。紛らわしい用語のBPRは抜本的な作り直しを目指すもので、継続的な改善を目指すBPMとは考え方が異なります。
解答・解説
正解はイです
この問題のテーマ
BPM(ビジネスプロセス管理)の定義を問う問題です。ERP、CRM、SCMといった、よく似た経営管理の用語と区別できるかどうかが試されています。
解き方の考え方
まず略語を展開し、BPMがBusiness Process Managementであることを思い出します。「プロセスをマネジメントする」という名前から、業務の流れを管理し、改善し続ける手法だと見当をつけます。そのうえで各選択肢が何を管理対象にしているか(経営資源全体、業務プロセス、顧客、供給の連鎖)を読み取り、どの用語の説明なのかを当てはめます。改善のサイクルを継続して回すと書かれた選択肢が見つかれば、それがBPMです。
選択肢ごとの解説
- ×ア 企業活動の主となる生産,物流,販売,財務,人事などの業務の情報を一元管理することによって,経営資源の全体最適を実現する。生産・物流・販売・財務・人事の情報を一元管理し、経営資源の全体最適を図るという説明は、ERP(企業資源計画)の内容です。管理の対象は企業全体の経営資源であり、業務プロセスを継続的に改善する手法を表したものではありません。
- ○イ 業務プロセスに分析,設計,実行,改善のマネジメントサイクルを取り入れ,業務プロセスの改善見直しや最適なプロセスへの統合を継続的に実施する。業務プロセスに分析・設計・実行・改善のマネジメントサイクルを取り入れ、見直しや統合を継続的に行うという説明は、BPMそのものです。「サイクル」と「継続的」という語が、BPMを見分けるときの決め手になります。
- ×ウ 顧客データベースを基に,商品の販売から保守サービス,問合せやクレームへの対応など顧客に関する業務プロセスを一貫して管理する。顧客データベースを基に、販売から保守サービス、問合せやクレームへの対応までを一貫して管理するという説明は、CRM(顧客関係管理)の内容です。中心にあるのは顧客との関係であり、業務プロセス全般を改善する手法ではありません。
- ×エ 部品の供給から製品の販売までの一連の業務プロセスの情報をリアルタイムで交換することによって,在庫の削減とリードタイムの短縮を実現する。部品の供給から製品の販売までの情報をリアルタイムで交換し、在庫の削減とリードタイムの短縮を図るという説明は、SCM(サプライチェーンマネジメント)の内容です。管理の対象は、企業をまたいだ供給の連鎖です。
補足
BPMと紛らわしい用語にBPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)があります。BPRは業務プロセスを根本から作り直すことを主眼とし、継続的な改善を目指すBPMとは考え方が異なるので、「抜本的」か「継続的」かで見分けます。また、BPMは特定のシステムの名前ではなく管理手法の名前です。それを支えるツールはBPMSと呼ばれます。
POINT
- BPMはBusiness Process Managementの略で、業務プロセスを継続的に改善していく管理手法です。
- BPMでは、分析・設計・実行・改善(監視・評価)のサイクルを繰り返し回します。
- ERPは経営資源の一元管理、CRMは顧客との関係の管理、SCMは供給の連鎖全体の最適化を指します。
- 用語問題では、その選択肢が何を管理対象にしているかに注目すると判別しやすくなります。
