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サイバー攻撃の名称を特徴から見分けるポイント

ITパスポート試験 令和8年度 問96 / セキュリティ › 情報セキュリティ

過去問にチャレンジ

令和8年度 問96

機密情報の取得などを目的として,特定の組織や個人に対して,複数の攻撃手法を使うなどして長期間にわたり継続的に攻撃を行うという特徴をもつ,サイバー攻撃はどれか。

  1. ア

    APT攻撃

  2. イ

    DDoS攻撃

  3. ウ

    ゼロデイ攻撃

  4. エ

    パスワードリスト攻撃

会話形式の解説

講師講師
今回はサイバー攻撃の名前と特徴を対応させる問題です。問題文には「特定の組織や個人を狙う」「複数の攻撃手法を使う」「長期間にわたり続ける」「機密情報の取得が目的」という手がかりが並んでいます。ここに注目してください。
受験者受験者
どれも聞いたことがある名前ですが、略語とカタカナ語が混ざっていて区別があいまいです。「長期間」と聞くと、DDoS攻撃も何日も続くことがある気がします。
講師講師
DDoS攻撃は、多数の端末から一斉に大量の通信を送りつけて、サービスを使えない状態にする攻撃です。狙いはサービスの妨害なので、長く潜んで機密情報を盗み出すことが主な特徴ではありません。
受験者受験者
目的が「止めること」か「盗むこと」かで分けるのですね。ゼロデイ攻撃はどうでしょうか。こっそり侵入するイメージがあります。
講師講師
ゼロデイ攻撃は、脆弱性、つまりソフトウェアのセキュリティ上の弱点について、修正プログラムが出る前にそれを悪用する攻撃です。この言葉が表すのは「いつ弱点を突くか」というタイミングです。標的を絞って長期間続けるという意味は含みません。
受験者受験者
パスワードリスト攻撃は、不正ログインの手口だったと思います。
講師講師
そのとおりです。別のところから流出したIDとパスワードの組合せを使って、他のサービスへのログインを試みます。パスワードを使い回す利用者が多いほど成立しやすい攻撃です。ただ、特定の相手に複数の手法で長く攻撃を続けるという特徴とは合いません。
受験者受験者
そうすると残るのはAPT攻撃です。略語の意味は何でしょうか。
講師講師
Advanced Persistent Threatの略で、日本語では持続的標的型攻撃と訳されます。特定の組織や個人を標的にして、複数の手法を組み合わせ、数か月から数年にわたって攻撃を続けます。侵入した端末を足がかりに組織の内部へ入り込み、潜伏しながら機密情報などを盗み出します。問題文の特徴とすべて一致するので、これが正解です。
受験者受験者
「持続的」と「標的型」という訳語を覚えれば、問題文のキーワードとつながりますね。DDoSはサービス妨害、ゼロデイは弱点を突くタイミング、パスワードリストは使い回しを狙う不正ログイン、と整理しました。
講師講師
よい整理です。補足すると、APT攻撃は特定のマルウェアの名前ではなく、攻撃の進め方を指す言葉です。侵入にはメールや外部メディア、マルウェア、不正ログイン、脆弱性の悪用などが使われるので、ゼロデイ攻撃がその一部として使われることもあります。「手段の名前」と「攻撃全体の様式の名前」を区別しておくと、選択肢を整理しやすくなります。

まとめ

特定の組織や個人を狙い、複数の手法を使って長期間攻撃を続け、機密情報を盗み出す攻撃はAPT攻撃(持続的標的型攻撃)です。DDoS攻撃は大量の通信でサービスを止める攻撃で、ゼロデイ攻撃は修正プログラムが出る前に脆弱性を悪用する攻撃です。パスワードリスト攻撃は、流出したIDとパスワードの組合せで不正ログインを試みる攻撃で、パスワードを使い回す利用者が多いほど成立しやすくなります。APT攻撃は攻撃全体の進め方を指す言葉で、ゼロデイ攻撃などの手段を含むことがあります。

解答・解説

正解はアです

この問題のテーマ

サイバー攻撃の名称と特徴を対応させる問題です。「特定の標的」「複数の手法」「長期間の継続」という特徴をもつ攻撃がどれかを問うています。

解き方の考え方

問題文から「特定の組織や個人を狙う」「複数の攻撃手法を使う」「長期間にわたり継続する」「機密情報の取得が目的」という特徴を拾い出します。次に、各選択肢の攻撃が何を表す言葉なのかを確認します。サービスを止める攻撃なのか、脆弱性を突くタイミングの話なのか、不正ログインの手口なのかを区別すると、長期・標的型という性質をもつのはAPT攻撃だけだとわかります。

選択肢ごとの解説

  1. ○ア  APT攻撃
    APT攻撃はAdvanced Persistent Threatの略で、日本語では持続的標的型攻撃と訳されます。特定の組織や個人を標的にし、複数の手法を組み合わせて、数か月から数年にわたり継続的に攻撃します。目的は機密情報や個人情報などの窃取であり、問題文の特徴とすべて一致します。
  2. ×イ  DDoS攻撃
    DDoS攻撃は、多数の端末から一斉に大量の通信を送りつけて、サービスを利用できない状態にする攻撃です。狙いはサービスの妨害であり、長期間潜伏して機密情報を盗み出すことを主な特徴とするものではありません。
  3. ×ウ  ゼロデイ攻撃
    ゼロデイ攻撃は、脆弱性の修正プログラムが提供される前に、その脆弱性を悪用する攻撃です。この言葉は「いつ脆弱性を突くか」というタイミングを表すもので、標的を絞って長期間続けるという性質は含みません。APT攻撃の手段の一つとして使われることはあります。
  4. ×エ  パスワードリスト攻撃
    パスワードリスト攻撃は、別のところから流出したIDとパスワードの組合せを使って、他のサービスへの不正ログインを試みる攻撃です。同じパスワードを使い回す利用者がいることにつけ込む手口であり、特定の標的に複数の手法で長期間攻撃を続けるという特徴とは合いません。

補足

APT攻撃は特定のマルウェアの名前ではなく、攻撃の進め方を指す言葉です。侵入にはメールや外部メディア、マルウェア、不正ログイン、脆弱性の悪用などが使われるため、ゼロデイ攻撃がその一部に含まれることもあります。「手段の名前」と「攻撃全体の様式の名前」を区別しておくと、引っかけにまどわされにくくなります。

POINT

  • APT攻撃は持続的標的型攻撃のことで、「特定の標的」「複数の手法」「長期間の継続」がキーワードです。
  • APT攻撃は、侵入した端末を足がかりに組織の内部へ入り込み、潜伏しながら機密情報などを盗み出します。
  • DDoS攻撃は、大量の通信でサービスを止める攻撃です。
  • ゼロデイ攻撃は、修正プログラムが出る前に脆弱性を悪用する攻撃です。
  • パスワードリスト攻撃は、流出したIDとパスワードの組合せで不正ログインを試みる攻撃で、パスワードの使い回しが原因で成立します。

※出典:令和8年度 ITパスポート試験 問96