自己作成の電子証明書で送信者は確認できるか
ITパスポート試験 令和2年度10月 問100 / セキュリティ › 情報セキュリティ対策・実装技術
過去問にチャレンジ
電子メールにディジタル署名を付与して送信するとき、信頼できる認証局から発行された電子証明書を使用することに比べて、送信者が自分で作成した電子証明書を使用した場合の受信側のリスクとして、適切なものはどれか。
- ア
電子メールが正しい相手から送られてきたかどうかが確認できなくなる。
- イ
電子メールが途中で盗み見られている危険性が高まる。
- ウ
電子メールが途中で紛失する危険性が高まる。
- エ
電子メールに文字化けが途中で発生しやすくなる。
会話形式の解説
講師注目するのは、証明書に記された送信者の身元を、受信側が信頼できるかどうかです。
受験者署名を検証できれば、名乗っている人が送ったと確認できると思いました。
講師そこは分けて考えます。電子証明書は公開鍵と名義人を結び付けるものです。信頼できる認証局が発行した証明書なら、その対応を第三者が保証します。
受験者自分で作った証明書には、その第三者の保証がないのですね。
講師はい。署名を検証できても、その証明書だけでは、名乗っている人が実際の送信者か確かめられません。したがって、送信者を確認できなくなるという選択肢が適切です。
受験者盗み見の危険が高まるという選択肢は、署名が関係しているので迷いました。
講師盗み見を防ぐのは暗号化です。ディジタル署名は改ざんの検知に使います。証明書の発行者の違いが、盗み見の危険を直接高めるわけではありません。
受験者配送中の紛失や文字化けも、証明書の発行者とは関係しませんか。
講師そのとおりです。配送中の紛失は発行者によって変わりません。文字化けには文字コードやメールソフトの設定が関係します。
受験者署名の検証と送信者の身元確認は別で、今回は第三者による身元の保証がない点を選ぶのですね。
講師はい。似た問題でも、問われているのが身元確認、盗み見、配送、表示のどれかを先に見極めると整理しやすくなります。
まとめ
電子証明書は公開鍵と名義人を結び付け、信頼できる認証局はその対応を保証します。自己作成の証明書だけでは第三者による身元の保証がないため、受信側は名乗っている人が実際の送信者か確かめられません。署名の検証と身元の信頼性は別であり、盗み見の防止には暗号化を用います。配送中の紛失や文字化けも、証明書の発行者の違いによるものではありません。
解答・解説
正解はアです
この問題のテーマ
自己作成の電子証明書でメールに署名したとき、受信者が送信者の身元を確認できるかを問う問題です。
解き方の考え方
電子証明書は公開鍵と名義人を結び付けます。信頼できる認証局の証明書と自己作成の証明書では、その対応を第三者が保証しているかが違います。署名による改ざん検知と、暗号化による盗み見の防止も分けて考えます。
選択肢ごとの解説
- ○ア 電子メールが正しい相手から送られてきたかどうかが確認できなくなる。アの送信者を確認できなくなるという説明が正解です。自己作成の証明書には第三者による身元の保証がないため、それだけでは名乗っている人が実際の送信者か確かめられません。
- ×イ 電子メールが途中で盗み見られている危険性が高まる。イの盗み見の危険が高まるという説明は、署名と暗号化を混同しています。盗み見を防ぐのは暗号化であり、署名用証明書の発行者が違うことは、その危険を直接左右しません。
- ×ウ 電子メールが途中で紛失する危険性が高まる。ウの配送途中で紛失しやすくなるという説明は不適切です。メールの配送上の紛失は、証明書を認証局が発行したか、送信者が作成したかによって変わりません。
- ×エ 電子メールに文字化けが途中で発生しやすくなる。エの文字化けが起きやすくなるという説明も不適切です。文字化けには文字コードやメールソフトの設定が関係し、証明書の発行者によって起きやすさが変わるわけではありません。
補足
署名を検証できることと、証明書に記された名義人を信頼できることは別です。似た問題では、問われているのが身元確認、盗み見、配送、表示のどれかを先に見極めると解きやすくなります。
POINT
- 電子証明書は公開鍵と名義人を結び付けます。
- 信頼できる認証局は、その公開鍵と名義人の対応を保証します。
- 自己作成の証明書だけでは、送信者の身元を第三者の保証によって確かめられません。
- ディジタル署名は改ざんの検知、暗号化は盗み見の防止に用います。
