設計段階から情報セキュリティを確保する方策の用語
ITパスポート試験 令和5年度 問61 / セキュリティ › 情報セキュリティ対策・実装技術
過去問にチャレンジ
IoTシステムなどの設計,構築及び運用に際しての基本原則とされ,システムの企画,設計段階から情報セキュリティを確保するための方策を何と呼ぶか。
- ア
セキュアブート
- イ
セキュリティバイデザイン
- ウ
ユニバーサルデザイン
- エ
リブート
会話形式の解説
講師この問題は用語の知識を問うものです。問題文のうち「企画,設計段階から」と「情報セキュリティを確保する」の2か所が手がかりになります。
受験者選択肢にカタカナ語が並んでいて迷います。セキュアブートは「セキュア」が付いているので、セキュリティの話に見えるのですが。
講師セキュアブートは、機器を起動するときにOSなどのデジタル署名を確かめて、正当なソフトウェアだけを動かす仕組みです。デジタル署名とは、正規のものだと示す電子的な証明のことです。不正なプログラムを起動させないための個別の技術ですね。
受験者そうすると、企画や設計の段階からという「考え方全体」とは違うのですね。
講師そのとおりです。選択肢を「設計の考え方」と「個別の技術や操作」に分けてみると分かりやすくなります。リブートはどちらだと思いますか。
受験者リブートは再起動のことなので、操作の名前ですね。設計の考え方ではありません。
講師はい。では残る2つ、どちらも「デザイン」が付いています。ユニバーサルデザインは、年齢・障害・言語などにかかわらず、誰でも使いやすいように設計する考え方です。
受験者設計の考え方ではあっても、目的は使いやすさで、情報セキュリティの確保ではないのですね。だから正解はセキュリティバイデザインですか。
講師正解です。英語の by design は「設計によって」という意味で、企画・設計の段階からセキュリティ対策を組み込んでおく考え方を指します。後から付け足すより手戻りが少なく、コストを抑えて保守もしやすくなります。
受験者問題文にIoTとあるのはなぜでしょうか。
講師IoT機器は、使い始めてから対策を追加するのが難しいからです。実務でも、出荷後に機器の対策を足すのは大変なので、この考え方が特に大切だとされています。なお、個人情報の保護を設計段階から組み込む「プライバシーバイデザイン」という似た用語もあります。
受験者「セキュア」や「デザイン」といった言葉の一部だけで選ばず、何を、いつ確保するのかを問題文と照らし合わせるようにします。
まとめ
システムの企画・設計の段階から情報セキュリティ対策を組み込む考え方を、セキュリティバイデザインといいます。後から対策を足すよりも手戻りが少なく、コストを抑えて保守もしやすくなるのが利点で、使い始めてから対策を追加するのが難しいIoT機器では特に重視されます。セキュアブートは起動時に署名を確かめて正当なソフトウェアだけを動かす個別の技術、ユニバーサルデザインは誰でも使いやすくする設計の考え方、リブートは再起動の操作です。用語の一部だけで判断せず、「何を、いつ確保するのか」で見分けることが大切です。
解答・解説
正解はイです
この問題のテーマ
システムを作る最初の段階(企画・設計)から、情報セキュリティの対策を組み込む考え方を何と呼ぶかを選ぶ問題です。IoT(身の回りの機器をネットにつなぐ仕組み)の設計で、基本とされる用語が問われています。
解き方の考え方
最初に、問題文の「企画,設計段階から」と「情報セキュリティを確保する」の2点に印を付けます。次に、各選択肢の用語が「設計の考え方」なのか、「個別の技術や操作」なのかに分けます。そのうえで、設計段階とセキュリティの両方に当てはまる用語を探します。英語の by design は「設計によって」という意味なので、「バイデザイン」と付く用語は設計段階に注目した考え方だと見当がつきます。
選択肢ごとの解説
- ×ア セキュアブートセキュアブートは、機器の起動時にOSなどのデジタル署名を確かめ、正当なソフトウェアだけを動かす仕組みです。不正なプログラムを起動させないための個別の技術対策です。企画・設計の段階からセキュリティを確保するという考え方全体を指す言葉ではありません。
- ○イ セキュリティバイデザインセキュリティバイデザインは、企画・設計の段階からセキュリティ対策を組み込んでおく考え方で、問題文の説明と一致します。早い段階から対策を入れておくと、後から付け足すよりも手戻りが少なくなり、コストを抑えて保守もしやすくなります。IoT機器は、使い始めてから対策を追加するのが難しいため、この考え方が特に大切だとされています。
- ×ウ ユニバーサルデザインユニバーサルデザインは、年齢・障害・言語などにかかわらず、誰でも使いやすいように設計するという考え方です。「設計」という言葉は共通していますが、目的は使いやすさであり、情報セキュリティの確保ではありません。
- ×エ リブートリブートは、コンピュータや機器を再起動することです。ただの操作の名前であり、設計段階からセキュリティを確保するための方策を表す言葉ではありません。
補足
「〜バイデザイン」と名の付く用語には、個人情報の保護を設計段階から組み込む「プライバシーバイデザイン」もあります。ユニバーサルデザインは「デザイン」が付くだけで、セキュアブートは「セキュア」が付くだけです。どちらも、設計段階から情報セキュリティを確保する考え方ではありません。用語の一部だけで判断せず、「何を、いつ確保するのか」を問題文と照らして選びましょう。
POINT
- セキュリティバイデザインとは、企画・設計の段階から情報セキュリティ対策を組み込んでおく考え方です。
- 後から対策を足すよりも手戻りが少なくなり、コストを抑えて保守もしやすくなる点が利点です。
- IoT機器は使い始めてから対策を追加するのが難しいため、この考え方が重視されます。
- セキュアブートは、起動時に署名を確かめて正当なソフトウェアだけを動かす個別の技術です。
