虹彩認証で入室管理を強化すると、どのセキュリティ要素が高まるか
ITパスポート試験 令和8年度 問77 / セキュリティ › 情報セキュリティ管理
過去問にチャレンジ
ある企業では,サーバ室への入室管理を暗証番号で行っていたが,虹彩認証装置による本人確認を加えることによって,無許可の者の入室をより確実に防止する対策とした。これは,サーバ室における情報セキュリティ要素のうち,どれを高める対策に該当するか。
- ア
可用性
- イ
完全性
- ウ
機密性
- エ
否認防止
会話形式の解説
講師この問題では、情報セキュリティの要素を区別できるかが問われています。注目したいのは、虹彩認証を加えた目的です。問題文では「無許可の者の入室」を防ぐためと書かれていますね。
受験者カタカナや漢字の用語が似ていて、いつも迷います。サーバ室はシステムを動かす場所なので、守れば止まらずに使えるという意味で可用性かと思いました。
講師可用性は、必要なときにシステムや情報を利用できる性質です。高める手段は、障害対策やバックアップ、冗長化(同じ機能を複数用意して、片方が止まっても動き続けるようにすること)などです。今回の対策は、本人確認を強化して入室を制限するものなので、目的が違います。
受験者なるほど、使い続けられるようにする対策ではないのですね。では完全性はどうでしょうか。サーバ内のデータを守るという意味では近い気がします。
講師完全性は、情報が正確で、改ざんや破壊を受けていない性質です。入室管理は、データが改ざんされていないことを直接保証する対策ではありません。そのため、この問題の答えにはなりません。
受験者否認防止も聞き慣れない言葉です。本人確認をするので、誰が入ったかを証明する意味で当てはまりそうにも見えます。
講師否認防止は、ある行為をした人が後から「やっていない」と否定できないよう、証明できるようにする性質です。代表的な手段は電子署名や操作ログです。今回の対策は入室を防ぐことが目的で、行為を証明するためのものではありません。
受験者そうすると、許可された人だけがサーバ室に入れるようにする対策なので、機密性ということですね。
講師そのとおりです。機密性は、許可された者だけが情報にアクセスできる性質です。無許可の者がサーバ室に入れなければ、そこにある情報資産に不正にアクセスされたり見られたりするおそれが減ります。入室管理やアクセス制御、暗号化などは、機密性を高める対策です。
受験者「誰を入れないか」「誰に見せないか」が目的なら機密性、と考えればよさそうです。
講師はい。補足すると、暗証番号は本人が知っている情報(知識)、虹彩は本人の身体的特徴(生体)による認証です。暗証番号だけだと、番号を知られた時点で他人が入室できてしまいます。種類の異なる認証要素を組み合わせる多要素認証にすると、不正侵入を防ぎやすくなります。物理的な対策でも、目的が「誰を入れないか」であれば機密性に当たります。
まとめ
サーバ室の入室管理に虹彩認証を加える対策は、許可された者だけが入れるようにするもので、情報セキュリティの機密性を高める対策に当たります。可用性は必要なときに利用できる性質で、冗長化やバックアップなどで高めます。完全性は情報が正確で改ざんや破壊を受けていない性質です。否認防止は行為を後から否定されないよう証明できる性質で、電子署名や操作ログが代表的な手段です。暗証番号(知識)と虹彩(生体)を組み合わせるのは多要素認証で、不正侵入を防ぎやすくなります。
解答・解説
正解はウです
この問題のテーマ
サーバ室の入室管理に虹彩認証を加える対策が、情報セキュリティのどの要素を高めるかを問う問題です。機密性・完全性・可用性の三要素と否認防止の違いを理解しているかが問われています。
解き方の考え方
まず、対策の目的を問題文から読み取ります。虹彩認証を加えたのは「無許可の者の入室」を防ぐためで、許可された人だけがサーバ室に入れるようにする対策です。次に、各要素の定義と照らし合わせます。許可された者だけが情報にアクセスできる性質は機密性なので、ウが正解になります。
選択肢ごとの解説
- ×ア 可用性アの可用性は、必要なときにシステムや情報を利用できる性質です。障害対策やバックアップ、冗長化などで高めるもので、本人確認を強化して入室を制限する今回の対策とは目的が違います。
- ×イ 完全性イの完全性は、情報が正確で、改ざんや破壊を受けていない性質です。入室管理はデータが改ざんされていないことを直接保証する対策ではないため、この問題の答えにはなりません。
- ○ウ 機密性ウの機密性は、許可された者だけが情報にアクセスできる性質です。無許可の者がサーバ室に入れなくなれば、そこにある情報資産に不正にアクセスされたり見られたりするおそれが減ります。そのため、この対策は機密性を高めるものに当たります。
- ×エ 否認防止エの否認防止は、ある行為をした人が後から「やっていない」と否定できないよう、証明できるようにする性質です。代表的な手段は電子署名や操作ログです。この問題の対策は入室を防ぐことが目的で、行為を証明するためのものではありません。
補足
暗証番号は本人が知っている情報(知識)、虹彩は本人の身体的特徴(生体)による認証です。暗証番号だけだと、番号を知られた時点で他人が入室できてしまいます。種類の異なる認証要素を組み合わせる多要素認証にすると、不正侵入を防ぎやすくなります。「物理的な対策だから可用性」と考えてしまう人がいますが、対策の目的が「誰を入れないか」であれば機密性だと判断してください。
POINT
- 機密性は、許可された者だけが情報にアクセスできる性質です。入室管理やアクセス制御、暗号化などは機密性を高める対策です。
- 完全性は、情報が正確で改ざんや破壊を受けていない性質です。
- 可用性は、必要なときにシステムや情報を利用できる性質で、冗長化やバックアップと結び付けて覚えると整理しやすくなります。
- 否認防止は、行為を後から否定されないよう証明できる性質で、電子署名やログが代表的な手段です。
