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PKI(公開鍵基盤)の特徴は?鍵の種類と信頼の仕組みで見分ける

ITパスポート試験 令和8年度 問90 / セキュリティ › 情報セキュリティ対策・実装技術

過去問にチャレンジ

令和8年度 問90

PKI(公開鍵基盤)の特徴として,適切なものはどれか。

  1. ア

    共通鍵の所有者を確認する方法が提供されている。

  2. イ

    知人が署名した鍵は信頼するという“信頼の輪”によって、公開鍵が正当であることを確認する。

  3. ウ

    電子証明書の正当性を認証局が保証する。

  4. エ

    秘密鍵を安全に公開する方法が提供されている。

会話形式の解説

講師講師
今回はPKI、公開鍵基盤の特徴を問う問題です。注目点は二つあります。どの種類の鍵を扱う仕組みなのか、そして鍵の持ち主を誰が保証するのか、です。
受験者受験者
名前に「公開鍵」と入っているので、公開鍵に関係する仕組みだとは思います。ただ、選択肢には共通鍵や秘密鍵の話も出てくるので、どれも鍵の管理の話に見えて迷いました。
講師講師
まずPKIの目的から確認しましょう。公開鍵暗号では、受け取った公開鍵が本当に相手本人のものかを確かめる必要があります。他人が持ち主を偽って公開鍵を配るおそれがあるからです。PKIは、その確認を可能にして公開鍵暗号を安全に使うための基盤です。
受験者受験者
そうすると、「共通鍵の所有者を確認する方法がある」という選択肢は、対象の鍵が違うということですね。「所有者を確認する」という部分だけ見ると正しそうに見えました。
講師講師
その通りです。PKIで所有者を確認する対象は公開鍵で、共通鍵の所有者確認はPKIの目的ではありません。「鍵の所有者確認」という言葉だけで選ばないことが大切です。
受験者受験者
「秘密鍵を安全に公開する方法がある」という選択肢も、秘密鍵は公開しないものなので誤りだと考えました。
講師講師
はい。秘密鍵は所有者が秘密にしておく鍵で、第三者に配ってよいのは公開鍵だけです。PKIには秘密鍵を公開するための機能はありません。
受験者受験者
残るのは「信頼の輪」と「認証局」の二つです。知人が署名した鍵を信頼するというのも、持ち主を確かめる方法としてはありそうに思えます。
講師講師
そこが一番紛らわしいところです。「信頼の輪」は、知人どうしが互いの鍵に署名して信頼を広げていく考え方で、PGPという仕組みで採用されています。一方、この問題で問われているPKIは、第三者である認証局を信頼の基点にしています。利用者どうしの署名に頼る方式とは異なるので、ここでのPKIの特徴とはいえません。
受験者受験者
では、認証局が電子証明書の正当性を保証するという選択肢が正解ですね。電子証明書とは具体的に何なのでしょうか。
講師講師
電子証明書は、公開鍵とその所有者の情報を結び付けたものです。認証局がこれを発行し、電子署名をします。利用者はその署名を検証することで、証明書が正当であり、公開鍵がその所有者のものだと確認できます。
受験者受験者
整理すると、PKIは公開鍵の持ち主を、第三者の認証局が電子証明書で保証する仕組みということですね。共通鍵や秘密鍵の話、利用者どうしの署名の話が出てきたら疑えばよいと理解しました。
講師講師
よくまとまっています。よくある引っかけは二つで、PGPの「信頼の輪」と認証局方式の取り違え、それから公開鍵と共通鍵・秘密鍵の取り違えです。「PKIは第三者機関の認証局が保証する」と覚えておくと見分けやすくなります。

まとめ

PKI(公開鍵基盤)は、公開鍵暗号を安全に使うための基盤で、受け取った公開鍵が本当に相手本人のものかを確かめられるようにします。その中心は、第三者である認証局が電子証明書を発行し、電子署名をして正当性を保証する仕組みです。電子証明書は公開鍵と所有者の情報を結び付けたもので、利用者は署名を検証して正当性を確認します。共通鍵の所有者確認や秘密鍵の公開はPKIの機能ではありません。また、知人どうしの署名で信頼を広げる「信頼の輪」はPGPで採用されている方式で、認証局を信頼の基点とするこのPKIとは異なります。

解答・解説

正解はウです

この問題のテーマ

PKI(公開鍵基盤)の仕組みを理解しているかを問う問題です。中心になるのは、公開鍵の持ち主を誰がどのように保証するかという点です。

解き方の考え方

最初に、PKIが「公開鍵」を安全に使うための基盤だということを押さえます。公開鍵暗号では、受け取った公開鍵が本当に相手本人のものかを確かめる必要があります。PKIでは、第三者である認証局が電子証明書を発行し、それに電子署名をすることで保証します。この前提に立つと、共通鍵や秘密鍵を扱う選択肢は対象が違うと判断できます。また、利用者どうしの署名に頼る方式は、PKIとは別の考え方だと見分けられます。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  共通鍵の所有者を確認する方法が提供されている。
    アは「共通鍵の所有者を確認する」としていますが、PKIで所有者を確認する対象は公開鍵です。共通鍵の所有者を確認することは、PKIの目的ではありません。「鍵の所有者確認」という言葉だけで選ばないように注意が必要です。
  2. ×イ  知人が署名した鍵は信頼するという“信頼の輪”によって、公開鍵が正当であることを確認する。
    イの「信頼の輪」は、知人どうしが互いの鍵に署名して信頼を広げていく考え方です。これはPGPで採用されている方式です。設問のPKIは利用者間の署名ではなく、認証局への信頼を基礎にしているため、PKIの特徴とはいえません。
  3. ○ウ  電子証明書の正当性を認証局が保証する。
    ウの「認証局が電子証明書の正当性を保証する」という説明は、PKIの特徴として正しいです。電子証明書は公開鍵と所有者の情報を結び付けたもので、認証局がこれを発行し、電子署名をします。利用者はその署名を検証することで、証明書が正当であり、公開鍵がその所有者のものだと確認できます。
  4. ×エ  秘密鍵を安全に公開する方法が提供されている。
    エは「秘密鍵を安全に公開する」としていますが、秘密鍵は所有者が秘密にしておくべき鍵です。第三者に配ってよいのは公開鍵だけです。PKIには、秘密鍵を公開するための機能はありません。

補足

PKIが必要とされる理由は、他人が持ち主を偽って公開鍵を配るリスクがあるからです。よくある引っかけは、「信頼の輪」(PGP方式)とPKIの認証局方式の取り違えです。もう一つは、公開鍵と共通鍵・秘密鍵の取り違えです。「第三者機関の認証局が保証する」と覚えておくと見分けやすくなります。

POINT

  • PKIは、公開鍵暗号を安全に使うための基盤です。
  • 電子証明書は、公開鍵とその所有者の情報を結び付けるものです。
  • 認証局は電子証明書を発行し、電子署名をすることで公開鍵が誰のものかを保証します。
  • 証明書についている署名を検証すると、その証明書が正当かどうかを確認できます。
  • 秘密鍵は所有者が秘密にしておき、公開して配布するのは公開鍵だけです。

※出典:令和8年度 ITパスポート試験 問90