マナビング情報セキュリティマネジメント

政府統一基準の根拠法・適用範囲・格付を整理する

情報セキュリティマネジメント試験 平成31年度春期 午前 問32 / 法務 › セキュリティ関連法規

過去問にチャレンジ

平成31年度春期 午前 問32

"政府機関等の情報セキュリティ対策のための統一基準(平成30年度版)"に関する説明として,適切なものはどれか。

  1. ア

    機密性,完全性及び可用性それぞれの観点による情報の格付の区分を定義している。

  2. イ

    個人情報保護法に基づいて制定されたものである。

  3. ウ

    適用範囲は,全ての政府機関及び全ての民間企業としている。

  4. エ

    不正アクセス禁止法に基づいて制定されたものである。

会話形式の解説

講師講師
今回は、政府機関向けの統一基準について、正しい説明を選ぶ問題です。見るポイントは3つで、どの法律に基づいているか、誰に適用されるか、何を定めているか、です。
受験者受験者
根拠になる法律が選択肢に2つ出てきますね。個人情報保護法と不正アクセス禁止法です。どちらもセキュリティに関係があるので、迷ってしまいます。
講師講師
そこで、まず根拠となる法律を確かめます。統一基準の根拠はサイバーセキュリティ基本法なので、どちらの法律も違います。
受験者受験者
個人情報保護法のほうは、政府も個人情報を扱うので関係がありそうに思えました。
講師講師
関係はありますが、統一基準が守る対象は個人情報だけではなく、政府機関等が扱う情報全般です。不正アクセス禁止法は、不正アクセス行為を禁止して処罰するための法律で、目的が違います。
受験者受験者
適用範囲については、政府機関と全ての民間企業という選択肢があります。民間企業まで入るのは広すぎる気がします。
講師講師
その感覚で合っています。適用されるのは、国の行政機関、独立行政法人、指定法人などの「政府機関等」です。全ての民間企業に直接適用されるわけではありません。
受験者受験者
そうすると、残るのは機密性・完全性・可用性ごとに情報を格付けするという選択肢ですね。格付というのは、情報の重要度でランクを付けることでしょうか。
講師講師
そうです。統一基準では、漏えい、改ざん、利用できなくなる、という3種類の影響を別々に評価して、観点ごとに格付の区分と分類の基準を定めています。機密性は3段階、完全性と可用性は2段階です。
受験者受験者
まとめると、根拠法はサイバーセキュリティ基本法、対象は政府機関等、中身は3観点での格付、ということですね。
講師講師
その通りです。補足すると、機密性2以上の情報を「要機密情報」、完全性2を「要保全情報」、可用性2を「要安定情報」と呼びます。また、統一基準は平成30年度版の後も改定されています。基本的な枠組みは同じですが、細かい規定は最新の公表資料で確認してください。

まとめ

政府機関等の情報セキュリティ対策のための統一基準は、サイバーセキュリティ基本法に基づいて定められています。適用対象は国の行政機関、独立行政法人、指定法人などの政府機関等で、民間企業全般は含みません。情報は機密性・完全性・可用性の3観点で格付けされ、機密性は3段階、完全性と可用性は2段階に分かれます。根拠法を問う選択肢では、個人情報保護法や不正アクセス禁止法のように、関係はあっても目的が違う法律が引っかけとして使われます。

解答・解説

正解はアです

この問題のテーマ

政府機関の情報セキュリティ対策の共通ルールである「統一基準」について、正しい説明を選ぶ問題です。根拠となる法律、適用される範囲、定めている内容の3点が、選択肢で問われています。

解き方の考え方

最初に、統一基準の根拠法と対象を確かめます。根拠法はサイバーセキュリティ基本法で、対象は政府機関等です。この2点と照らすと、別の法律を根拠に挙げるイとエ、全ての民間企業を対象とするウは誤りと分かります。最後に、残るアの格付の説明が統一基準の内容に合うかを確認し、アを選びます。

選択肢ごとの解説

  1. ○ア  機密性,完全性及び可用性それぞれの観点による情報の格付の区分を定義している。
    この肢は、情報を機密性・完全性・可用性の観点ごとに格付けする、という説明です。統一基準は3つの観点それぞれについて、格付の区分と分類の基準を定めています。機密性は3段階、完全性と可用性は2段階です。漏えい・改ざん・利用できなくなる、という3種類の影響を別々に評価する仕組みなので、適切です。
  2. ×イ  個人情報保護法に基づいて制定されたものである。
    この肢は、統一基準が個人情報保護法に基づく、という説明です。統一基準の根拠はサイバーセキュリティ基本法なので、誤りです。また、統一基準が守る対象は個人情報に限らず、政府機関等が扱う情報全般です。
  3. ×ウ  適用範囲は,全ての政府機関及び全ての民間企業としている。
    この肢は、適用範囲を全ての政府機関と全ての民間企業とする説明です。統一基準が適用されるのは、国の行政機関、独立行政法人、指定法人などの「政府機関等」です。全ての民間企業に直接適用されるわけではないので、誤りです。
  4. ×エ  不正アクセス禁止法に基づいて制定されたものである。
    この肢は、統一基準が不正アクセス禁止法に基づく、という説明です。不正アクセス禁止法は、不正アクセス行為を禁止して処罰するための法律です。統一基準の根拠はサイバーセキュリティ基本法なので、誤りです。

補足

機密性2以上の情報を「要機密情報」、完全性2の情報を「要保全情報」、可用性2の情報を「要安定情報」と呼びます。個人情報保護法や不正アクセス禁止法は、情報セキュリティに関係はあっても、統一基準の根拠法とは別の法律です。
※統一基準は、平成30年度版の後も改定が重ねられています。サイバーセキュリティ基本法に基づくこと、政府機関等を対象とすること、3観点で格付けすることといった基本的な枠組みは、この問題の論点と同じです。ただし、版の名称や細かい規定は、最新の公表資料で確認してください。

POINT

  • 統一基準の根拠法はサイバーセキュリティ基本法です。
  • 統一基準の適用対象は、国の行政機関、独立行政法人、指定法人などの政府機関等で、民間企業全般は含みません。
  • 統一基準は、情報を機密性・完全性・可用性の3観点で格付けし、それぞれの区分と分類基準を定めています。
  • 格付は、機密性が3段階、完全性と可用性が2段階です。

※出典:平成31年度春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問32