フィードバック制御とは?出力と目標値の比較で見分ける
基本情報技術者試験 平成29年度秋期 午前 問3 / 基礎理論 › 計測・制御に関する理論
過去問にチャレンジ
フィードバック制御の説明として,適切なものはどれか。
- ア
あらかじめ定められた順序で制御を行う。
- イ
外乱の影響が出力に現れる前に制御を行う。
- ウ
出力結果と目標値とを比較して,一致するように制御を行う。
- エ
出力結果を使用せず制御を行う。
会話形式の解説
講師今回は制御方式の区別がテーマです。それぞれの選択肢が何を判断材料にして制御しているかに注目すると、見分けやすくなります。
受験者「フィードバック」という言葉から、結果を戻して使うイメージは持っています。ただ、外乱の影響が出る前に制御するという説明も、うまく制御できていそうで迷いました。
講師そこが一番紛らわしいところです。まず、フィードバック制御が何を使うかを確かめましょう。この方式は、出力を測って目標値と比べ、その差である偏差が小さくなるように操作量を調整します。出力の測定値を制御する側へ戻して使うのがポイントです。
受験者出力を見てから直すのですね。そうすると、外乱の影響が出力に現れる前に動くことはできない、ということでしょうか。
講師そのとおりです。外乱とは、制御量に影響を与える外部からの作用のことです。フィードバック制御は、外乱の影響が測定値に現れてから修正します。影響が出る前に予測や検知をして手を打つのは、フィードフォワード制御の説明です。
受験者では、出力結果と目標値を比較して一致させるという説明が、フィードバック制御の定義そのものになりますね。
講師はい、それが正解です。残りの2つも確かめておきましょう。あらかじめ定められた順序で制御するという説明は、どの方式のものだと思いますか。
受験者決めた手順どおりに動かすので、シーケンス制御だと思います。出力と目標値を比べて修正しているわけではないですね。
講師正しいです。シーケンス制御は、決めた順序や条件に従って動作を一段ずつ進めます。もう1つの、出力結果を使用せずに制御するという説明は、開ループ制御のものです。出力を戻して使うフィードバック制御とは正反対の内容です。
受験者整理すると、出力と目標値を比べるのがフィードバック制御、外乱の影響が出る前に対応するのがフィードフォワード制御、順序どおりに進めるのがシーケンス制御、出力を使わないのが開ループ制御、ということですね。
講師よく整理できています。補足すると、開ループ制御は出力を使わないので、ずれが生じても自分で補正できません。一方、出力を戻して使うフィードバック制御は閉ループ制御とも呼ばれ、外乱が加わっても出力の変化をもとに修正できます。
講師この問題では、外乱の影響が出る前という言葉から、フィードフォワード制御の説明だと分かります。外乱に対して、影響が出た後で直すのか、出る前に手を打つのか。この対応のタイミングと、選択肢の言葉を手がかりにすると、判断が速くなります。
まとめ
フィードバック制御は、出力を測って目標値と比べ、その差(偏差)が小さくなるように操作量を調整する方式です。外乱の影響が出る前に手を打つのはフィードフォワード制御、決めた順序で進めるのはシーケンス制御、出力を使わないのは開ループ制御の説明です。フィードバック制御は外乱の影響が出力に現れてから修正するので、対応のタイミングでフィードフォワード制御と区別できます。各選択肢が何を判断材料にしているかを確かめると、正しく見分けられます。
解答・解説
正解はウです
この問題のテーマ
フィードバック制御の定義を、シーケンス制御・フィードフォワード制御・開ループ制御と区別して理解しているかを問う問題です。
解き方の考え方
まず、各選択肢の判断材料が何かを見ます。判断材料は「決められた手順」「外乱の予測」「出力と目標値の比較」「何も使わない」のどれかです。フィードバック制御は、出力を測って目標値とのずれを確かめ、そのずれを小さくするように操作を調整する方式です。このように出力の測定値を制御側へ戻して使う選択肢が正解になります。ほかの選択肢は、それぞれ別の制御方式の説明に当たります。
選択肢ごとの解説
- ×ア あらかじめ定められた順序で制御を行う。アの「定められた順序で制御する」という説明は、シーケンス制御のものです。シーケンス制御は、あらかじめ決めた順序や条件に従って動作を一段ずつ進めます。出力を目標値と比べて修正する仕組みではないので、フィードバック制御の説明には当たりません。
- ×イ 外乱の影響が出力に現れる前に制御を行う。イの「外乱の影響が出力に現れる前に制御する」という説明は、フィードフォワード制御のものです。フィードバック制御は出力の変化を見てから修正するので、外乱への対応は影響が測定値に現れた後になります。そのため、この記述はフィードバック制御には当てはまりません。
- ○ウ 出力結果と目標値とを比較して,一致するように制御を行う。ウの「出力結果と目標値を比較し、一致するように制御する」という説明は、フィードバック制御の定義そのものです。出力と目標値の差(偏差)を検出し、その差が小さくなるように操作量を調整します。外乱が加わった場合も、出力の変化をもとに修正できます。
- ×エ 出力結果を使用せず制御を行う。エの「出力結果を使用せずに制御する」という説明は、開ループ制御のものです。フィードバック制御は出力を制御側へ戻して利用する方式なので、この記述は反対の内容になっています。
補足
「外乱」とは、制御量に影響を与える外部からの作用のことです。外乱に対して、影響が出た後で直すのがフィードバック制御、影響が出る前に手を打つのがフィードフォワード制御です。対応するタイミングの違いで区別すると覚えやすくなります。
POINT
- フィードバック制御は、出力を測って目標値と比べ、その差(偏差)を小さくするように操作する閉ループ制御です。
- フィードフォワード制御は、外乱の影響を前もって予測・検知して操作量を決めます。
- シーケンス制御は、あらかじめ決めた順序や条件に従って制御を進めます。
- 開ループ制御は出力を制御に使わないので、ずれが生じても自分で補正する仕組みがありません。
