音声認識と自然言語処理がそろう事例は?
ITパスポート試験 令和2年度10月 問22 / ビジネスインダストリ › ビジネスシステム
過去問にチャレンジ
AIの活用領域には音声認識,画像認識,自然言語処理などがある。音声認識と自然言語処理の両方が利用されているシステムの事例として,最も適切なものはどれか。
- ア
ドアをノックする音を検知して,カメラの前に立っている人の顔を認識し,ドアのロックを解除する。
- イ
人から話しかけられた天気や交通情報などの質問を解釈して,ふさわしい内容を回答する。
- ウ
野外コンサートに来場する人の姿や話し声を検知して,会場の入り口を通過する人数を記録する。
- エ
洋書に記載されている英文をカメラで読み取り,要約された日本文として編集する。
会話形式の解説
講師注目するのは、人の発話を受け取り、その意味まで扱っているかです。
受験者音や話し声が出てくる事例なら、音声認識を使っているのでしょうか。
講師音や声がしたと検知するだけでは判断できません。ここでいう音声認識は、人の発話を文字情報に変える処理です。
受験者天気や交通情報を声で質問する事例では、話した内容を文字情報に変えますね。
講師はい。さらに質問の意味を解釈し、内容に合う回答を作ります。この部分で自然言語処理も使うので、正解はその事例です。
受験者ドアのノック音を検知する事例には、言葉を解釈する処理がありませんね。
講師そのとおりです。ノック音を捉え、カメラに映る顔を画像認識で判別しますが、話された言葉の意味は扱いません。
受験者来場者の話し声を検知する事例も、声の内容までは扱っていませんか。
講師はい。人の姿を検出し、話し声があることを捉えても、発話の内容や意味は処理していません。
受験者英文を読み取って日本語に要約する事例は、文章を扱うので自然言語処理は使いそうです。
講師要約や日本語への変換には自然言語処理を使います。ただし、入力はカメラで読み取った文字であり、音声認識は使いません。
受験者音や声の検知だけで決めず、発話を文字情報に変える処理と、意味を解釈する処理の両方を確認すればよいのですね。
講師はい。音の認識という広い分類に当てはまるかよりも、言葉の意味まで扱っているかを確かめると見分けやすくなります。
まとめ
音声認識は人の発話を文字情報に変える処理で、自然言語処理は質問などの意味を解釈する処理です。話しかけられた質問を解釈して回答する事例では、両方を使います。ノック音や話し声を検知するだけでは、言葉の意味を処理したことにはなりません。カメラで英文を読み取って要約する事例には自然言語処理を使いますが、音声認識は使いません。
解答・解説
正解はイです
この問題のテーマ
音声認識と自然言語処理の両方を使う事例を見分ける問題です。
解き方の考え方
まず、システムが人の発話を受け取るかを確認します。次に、発話を文字情報に変えるだけでなく、質問などの意味を解釈しているかを見ます。音や声の存在を検知することと、話された内容を扱うことを区別するのがポイントです。
選択肢ごとの解説
- ×ア ドアをノックする音を検知して,カメラの前に立っている人の顔を認識し,ドアのロックを解除する。ノック音の検知は、音がしたことを捉える処理です。続く顔の判別には画像認識を使いますが、話された言葉の意味を解釈する処理はありません。
- ○イ 人から話しかけられた天気や交通情報などの質問を解釈して,ふさわしい内容を回答する。話しかけられた質問を文字情報に変える際に音声認識を使います。その質問の意味を解釈し、内容に合う回答を作る際に自然言語処理を使うため、両方が利用されています。
- ×ウ 野外コンサートに来場する人の姿や話し声を検知して,会場の入り口を通過する人数を記録する。来場者の姿の検出には画像認識を使います。話し声を検知しても、発話の内容や意味を扱っていないため、自然言語処理を利用する事例とはいえません。
- ×エ 洋書に記載されている英文をカメラで読み取り,要約された日本文として編集する。カメラで英文を読み取る処理は、画像から文字を取り出す処理です。要約や日本語への変換には自然言語処理を使いますが、音声を入力として扱わないため、音声認識は利用されていません。
補足
ノック音や話し声の検知を、広い意味で音の認識に含める説明もあります。この問題では、その分類だけで決めず、自然言語処理によって発話の意味まで扱っているかを確認します。
POINT
- 音声認識は、人の発話を文字情報に変える処理です。
- 自然言語処理は、質問などの言葉の意味を解釈する処理です。
- 音や声の検知だけでは、言葉の意味を処理したことにはなりません。
- 両方の利用を問われたら、発話の文字化と意味の解釈がそろっているかを確認します。
