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通信プロトコルの階層で、アプリケーション層の下にあるものを見分ける

ITパスポート試験 令和5年度 問68 / ネットワーク › ネットワーク応用

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令和5年度 問68

インターネット上のコンピュータでは,Webや電子メールなど様々なアプリケーションプログラムが動作し,それぞれに対応したアプリケーション層の通信プロトコルが使われている。これらの通信プロトコルの下位にあり,基本的な通信機能を実現するものとして共通に使われる通信プロトコルはどれか。

  1. ア

    FTP

  2. イ

    POP

  3. ウ

    SMTP

  4. エ

    TCP/IP

会話形式の解説

講師講師
今回は通信プロトコルの階層の問題です。プロトコルは通信の約束事のことで、用途ごとに使う上の層のものと、その下で共通の土台になるものがあります。どちらを聞かれているかに注目してください。
受験者受験者
問題文には「下位にあり」「共通に使われる」と書いてあります。ということは、特定の用途のためのプロトコルではないものを選べばよいのでしょうか。
講師講師
その見方で合っています。まず、選択肢を「特定の用途に使うかどうか」で分けてみましょう。FTPは何に使うものか覚えていますか。
受験者受験者
ファイルを転送するためのプロトコルだったと思います。用途がはっきりしているので、アプリケーション層の側ですね。
講師講師
そうです。FTPはファイル転送という特定の用途向けなので、各アプリに共通する下位の基盤には当たりません。
受験者受験者
POPとSMTPはどちらもメールの関係だったはずですが、私はいつもどちらが送信か迷ってしまいます。
講師講師
POPはメールサーバに届いたメールを受け取るとき、SMTPはメールの送信やメールサーバ間の転送に使います。役割は違いますが、どちらもメールという特定の用途向けのアプリケーション層のプロトコルです。Webなどを含めた通信全体を支えるものではありません。
受験者受験者
そうすると、特定の用途を持たないのはTCP/IPだけになります。ただ、TCP/IPは具体的に何をしているのでしょうか。
講師講師
TCP/IPはインターネットの通信で共通に使われるプロトコル群です。IPはIPアドレスをもとに経路を選び、パケットと呼ばれる小分けにしたデータを宛先まで届けます。TCPは順序制御や再送制御によって、データを確実に届けます。FTP・POP・SMTPなどは、この仕組みを土台にして動いています。
受験者受験者
上に乗っているのが用途ごとのFTPやPOP、SMTPで、下で支えているのがTCP/IP、という関係ですね。だから正解はTCP/IPになるのだと理解しました。
講師講師
その通りです。補足すると、Webで使うHTTPもアプリケーション層のプロトコルです。TCPはトランスポート層、IPはネットワーク層(インターネット層)に属します。また、TCP/IPは1つのプロトコルの名前というより、TCPとIPを中心としたプロトコルの集まりを指す呼び方だと覚えておくと、階層の問題で迷いにくくなります。
講師講師
よく出る引っかけは、POPとSMTPの役割の入れ替えです。受信はPOP、送信と転送はSMTPと区別しておきましょう。

まとめ

インターネットの通信プロトコルは、用途ごとに使うアプリケーション層のものと、それらの下で共通の土台になるものに分けて考えられます。FTPはファイル転送、POPはメール受信、SMTPはメールの送信と転送に使う、いずれもアプリケーション層のプロトコルです。TCP/IPはTCPとIPを中心としたプロトコル群で、IPが経路選択とパケットの配送を、TCPが順序制御や再送制御による確実な転送を担います。アプリケーション層のプロトコルはTCP/IPの上に乗って動くため、共通の下位プロトコルはTCP/IPです。

解答・解説

正解はエです

この問題のテーマ

インターネットで使われる通信プロトコルを「用途ごとのアプリケーション層のもの」と「それらの下で共通の土台になるもの」に分けて考え、土台の側に当たるものを選ぶ問題です。

解き方の考え方

まず、4つの選択肢を「特定の用途に使うものかどうか」で分けてみます。ファイル転送、メール受信、メール送信と用途がはっきりしているものは、いずれもアプリケーション層のプロトコルです。問題が求めているのは用途を問わず下で支えるものなので、特定の用途を持たない選択肢が残ります。階層の図を思い浮かべて、上に乗るものと下で支えるものを区別できれば、迷わずに解けます。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  FTP
    FTPは、ファイルを転送するためのプロトコルで、アプリケーション層(Webやメールなど個別の用途を扱う層)に属します。用途が特定されているので、各アプリに共通する下位の基盤には当たりません。したがって、誤りです。
  2. ×イ  POP
    POPは、メールサーバに届いたメールを受け取るときに使うアプリケーション層のプロトコルです。用途がメールの受信に限られているので、Webなどを含めた通信全体を支えるものではありません。
  3. ×ウ  SMTP
    SMTPは、メールの送信やメールサーバ間の転送に使うプロトコルです。POPと同じく、メールという特定の用途に向けた上位のプロトコルなので、共通の基盤ではありません。
  4. ○エ  TCP/IP
    TCP/IPは、インターネットの通信で共通に使われるプロトコル群です。IPは、IPアドレスをもとに経路を選び、パケット(小さく分けたデータのまとまり)を宛先まで届けます。TCPは、順序制御や再送制御によって、データを確実に届けます。FTP・POP・SMTPなどは、この仕組みを土台にして動いています。したがって、エが正解です。

補足

POPとSMTPはどちらもメールに関係するので、役割を取り違えないようにします。受信がPOP、送信と転送がSMTPです。また、TCP/IPは1つのプロトコルの名前というより、TCPとIPを中心としたプロトコルの集まりを指す呼び方です。これを押さえると、階層の問題で迷いにくくなります。

POINT

  • FTP・POP・SMTP・HTTPは、用途ごとに使い分けるアプリケーション層のプロトコルです。
  • TCPはトランスポート層のプロトコルで、順序制御や再送制御により信頼性のある転送を実現します。
  • IPはネットワーク層(インターネット層)のプロトコルで、IPアドレスをもとに経路選択とパケットの配送を担います。
  • アプリケーション層のプロトコルは、下位にあるTCP/IPの上に乗って動作します。

※出典:令和5年度 ITパスポート試験 問68