キャリアアグリゲーションとは何か、ほかの無線用語とどう見分けるか
ITパスポート試験 令和8年度 問64 / ネットワーク › ネットワーク応用
過去問にチャレンジ
キャリアアグリゲーションの説明として,適切なものはどれか。
- ア
移動中に携帯電話が接続する基地局を切り替える技術
- イ
携帯電話の通信のセキュリティ機能を高める技術
- ウ
複数の異なる周波数の電波を束ねることによって,無線通信を高速化する技術
- エ
無線LANにおいて,アクセスポイントと呼ばれる基地局を経由して端末同士が通信を行う技術
会話形式の解説
講師今回は無線通信の用語の意味を問う問題です。用語を「キャリア」と「アグリゲーション」の二つに分けて、それぞれの意味を考えるのがポイントです。
受験者キャリアと聞くと、携帯電話の通信会社が思い浮かびます。複数の通信会社をまとめて使う技術、という意味でしょうか。
講師そう考える人は多いのですが、ここでいうキャリアは通信事業者ではありません。搬送波、つまりデータを運ぶ電波のことです。アグリゲーションは「集約する・束ねる」という意味です。
受験者電波を束ねる技術ということですね。それなら、複数の異なる周波数の電波を束ねて無線通信を速くする、という説明が合いそうです。
講師そのとおりで、それが正解です。複数の周波数帯の搬送波をまとめて使うと、使える帯域幅、つまり電波の幅が広がるので、その分だけ通信が速くなります。LTE-Advancedで導入された技術で、5Gでも使われています。
受験者移動中に基地局を切り替える技術という選択肢も、携帯電話の話なので迷いました。これは別の用語ですか。
講師それはハンドオーバー、ハンドオフとも呼ばれる技術です。接続先の基地局を変えながら通信を続けるためのもので、電波を束ねて速くする技術ではありません。
受験者セキュリティ機能を高める技術という選択肢は、目的が違うので外せそうです。
講師はい。キャリアアグリゲーションの目的は高速化です。セキュリティは暗号化や認証といった別の分野の技術が受け持ちます。
受験者残りの、アクセスポイントを経由して端末同士が通信するという説明は、無線LANの話ですよね。
講師そうです。無線LANのインフラストラクチャモードの説明で、接続形態の話です。携帯電話の電波を束ねる技術とは関係がありません。
受験者まとめると、キャリアは電波のことで、複数の周波数を束ねて帯域幅を広げ、高速化する技術ということですね。
講師その理解で大丈夫です。高速化の技術ではMIMOもよく出題されます。MIMOは複数のアンテナを使い、同じ周波数帯で信号を並列に送る技術です。「アンテナ」なのか「周波数」なのかに注目すると見分けやすくなります。なお、キャリアアグリゲーションを使うには、端末と基地局の両方が対応している必要があります。
まとめ
キャリアアグリゲーションは、複数の異なる周波数帯の搬送波を束ねて帯域幅を広げ、無線通信を高速化する技術です。この用語の「キャリア」は通信事業者ではなく搬送波(電波)を指し、「アグリゲーション」は束ねるという意味です。LTE-Advancedで導入され、5Gでも使われています。移動中に基地局を切り替えるのはハンドオーバー、アクセスポイント経由で通信する無線LANの方式はインフラストラクチャモードです。複数のアンテナを使うMIMOとは、「周波数」か「アンテナ」かで見分けます。
解答・解説
正解はウです
この問題のテーマ
移動体通信の用語「キャリアアグリゲーション」の意味を問う問題です。ハンドオーバーや無線LANのインフラストラクチャモードなど、まぎらわしい無線通信の用語と区別できるかが問われています。
解き方の考え方
まず、ここでいう「キャリア」が通信事業者ではなく「搬送波(電波)」を指すことを押さえます。「アグリゲーション」は「集約する・束ねる」という意味なので、電波を束ねる技術だと見当をつけられます。そのうえで、ほかの選択肢がそれぞれ別の技術を説明していることを確かめて消していけば、正解を選べます。
選択肢ごとの解説
- ×ア 移動中に携帯電話が接続する基地局を切り替える技術移動中に接続先の基地局を切り替える技術の説明ですが、これはハンドオーバー(ハンドオフ)のことです。接続先の基地局を変えながら通信を続けるための技術で、電波を束ねて高速化するものではありません。
- ×イ 携帯電話の通信のセキュリティ機能を高める技術通信のセキュリティ機能を高めるという説明ですが、キャリアアグリゲーションの目的は高速化であり、セキュリティの強化ではありません。セキュリティは暗号化や認証といった別の分野の技術が受け持ちます。
- ○ウ 複数の異なる周波数の電波を束ねることによって,無線通信を高速化する技術複数の異なる周波数の電波を束ねて無線通信を高速化するという説明は、キャリアアグリゲーションの定義どおりです。複数の周波数帯の搬送波をまとめて使うと利用できる帯域幅が広がり、その分だけ通信が速くなります。LTE-Advancedで導入された技術で、5Gでも使われています。
- ×エ 無線LANにおいて,アクセスポイントと呼ばれる基地局を経由して端末同士が通信を行う技術アクセスポイントを経由して端末同士が通信するという説明ですが、これは無線LANのインフラストラクチャモードのことです。無線LANの接続形態の話であり、携帯電話の電波を束ねる技術とは関係がありません。
補足
高速化の技術としてはMIMOもよく出題されます。MIMOは複数のアンテナを使い、同じ周波数帯で信号を並列に送る技術です。複数の周波数を束ねるキャリアアグリゲーションとは仕組みが違うので、「アンテナ」なのか「周波数」なのかに注目して見分けましょう。なお、キャリアアグリゲーションを使うには、端末と基地局の両方が対応している必要があります。
POINT
- キャリアアグリゲーションは、複数の周波数帯の搬送波を束ねて帯域幅を広げ、通信を高速化する技術です。
- この用語の「キャリア」は通信事業者ではなく、搬送波(電波)を指します。
- キャリアアグリゲーションはLTE-Advancedで導入され、5Gでも利用されています。
- 移動中に接続先の基地局を切り替える技術はハンドオーバーです。
- 無線LANでアクセスポイントを経由して通信する方式はインフラストラクチャモードです。
