サブネットマスクの役割とARP・DHCP・DNSの見分け方
ITパスポート試験 令和5年度 問97 / ネットワーク › 通信プロトコル
過去問にチャレンジ
サブネットマスクの役割として,適切なものはどれか。
- ア
IPアドレスから,利用しているLAN上のMACアドレスを導き出す。
- イ
IPアドレスの先頭から何ビットをネットワークアドレスに使用するかを定義する。
- ウ
コンピュータをLANに接続するだけで,TCP/IPの設定情報を自動的に取得する。
- エ
通信相手のドメイン名とIPアドレスを対応付ける。
会話形式の解説
講師今回はサブネットマスクの役割を問う問題です。選択肢には、ネットワークの設定でよく出てくる別の仕組みの説明が混ざっています。それぞれの説明がどの仕組みのものかを当てはめていくのがコツです。
受験者サブネットマスクは、パソコンのネットワーク設定画面で「255.255.255.0」と入っている欄だというのは知っています。ただ、何のための値なのかはよく分かっていません。
講師まず結論から言います。サブネットマスクは、IPアドレスのうちどこまでがネットワーク部なのかを示す値です。ネットワーク部というのは、どのネットワークに属しているかを表す部分のことです。ネットワーク部のビットを1、残りのホスト部のビットを0で表します。
受験者それなら、255.255.255.0は先頭の24ビットが1なので、先頭24ビットがネットワーク部という意味でしょうか。
講師そのとおりです。/24と書くこともあります。ですから、IPアドレスの先頭から何ビットをネットワークアドレスに使うかを定義する、という選択肢がサブネットマスクの役割そのもので、これが正解になります。
受験者IPアドレスからMACアドレスを導き出す、という選択肢も、アドレス同士の関係の話なので似ているように見えました。
講師そこは紛らわしいところです。あれはARPという仕組みの説明です。ARPは、同じLAN内にいる相手のIPアドレスに対応するMACアドレス、つまり機器ごとの識別番号を問い合わせます。サブネットマスクがMACアドレスを求めることはありません。
受験者LANにつなぐだけでTCP/IPの設定情報を自動で取得する、という選択肢はどうでしょうか。サブネットマスクも自動で設定されることがあるので、迷いました。
講師いちばん引っかかりやすいのがその選択肢です。あれはDHCPの説明です。DHCPは、IPアドレスやサブネットマスク、デフォルトゲートウェイなどを自動で割り当てます。サブネットマスクは配られる設定項目の一つで、配る仕組みのほうではありません。
受験者配られるものと、配る仕組みを分けて考えればいいのですね。残りの、ドメイン名とIPアドレスを対応付けるというのはDNSの名前解決でしょうか。
講師DNSの説明としてはそのとおりです。ただ、この問題で問われているのはサブネットマスクの役割なので、正解は先ほどのネットワーク部のビット数を定義する選択肢です。サブネットマスクは名前解決には関わりません。
受験者整理すると、MACアドレスを求めるのがARP、設定を自動で配るのがDHCP、ドメイン名とIPアドレスを結び付けるのがDNSで、ネットワーク部の範囲を決めるのがサブネットマスクですね。
講師よく整理できています。補足すると、IPアドレスとサブネットマスクをビットごとに論理積(AND)すると、ネットワークアドレスが求められます。この結果を比べれば、相手が同じネットワーク内にいるのか、ルータを経由する必要があるのかを判断できます。
講師また、ホスト部がnビットなら、使えるホスト数はおおむね2のn乗から2を引いた数です。/24ならホスト部は8ビットなので、2の8乗から2を引いて254台になります。計算問題でも出てくるので、あわせて覚えておきましょう。
まとめ
サブネットマスクは、IPアドレスの先頭から何ビットをネットワーク部に使うかを定める値です。ネットワーク部のビットを1、ホスト部のビットを0で表し、255.255.255.0は/24と同じ意味になります。IPアドレスからMACアドレスを求めるのはARP、TCP/IPの設定を自動で配るのはDHCP、ドメイン名とIPアドレスを対応付けるのはDNSです。DHCPはサブネットマスクも配りますが、自動で取得する仕組みそのものはDHCPの説明だと区別することが大切です。
解答・解説
正解はイです
この問題のテーマ
サブネットマスクが何をするものかを問う問題です。似た場面で出てくるARP・DHCP・DNSの役割と区別できるかが試されています。
解き方の考え方
まず、サブネットマスクは「IPアドレスのどこまでがネットワーク部か」を示す値だと押さえます。そのうえで各選択肢を読み、どの仕組みの説明かを当てはめます。MACアドレスを求めるのはARP、設定を自動で受け取るのはDHCP、ドメイン名とIPアドレスを結び付けるのはDNSです。この3つを除くと、ネットワーク部のビット数を決めるという説明だけが残ります。
選択肢ごとの解説
- ×ア IPアドレスから,利用しているLAN上のMACアドレスを導き出す。IPアドレスから同じLAN上のMACアドレスを導き出すという説明は、ARPの役割です。ARPは、同じLAN内にある相手のIPアドレスに対応するMACアドレスを問い合わせます。サブネットマスクはMACアドレスを求めるものではありません。
- ○イ IPアドレスの先頭から何ビットをネットワークアドレスに使用するかを定義する。IPアドレスの先頭から何ビットをネットワークアドレスに使うかを定める、という説明はサブネットマスクの役割そのものです。サブネットマスクでは、ネットワーク部のビットを1、ホスト部のビットを0で表します。たとえば255.255.255.0は先頭24ビットがネットワーク部であることを示し、/24とも書きます。
- ×ウ コンピュータをLANに接続するだけで,TCP/IPの設定情報を自動的に取得する。LANにつなぐだけでTCP/IPの設定情報を自動で受け取るという説明は、DHCPの役割です。DHCPは、IPアドレスやサブネットマスク、デフォルトゲートウェイなどを自動で割り当てます。サブネットマスクは「配られる設定項目の一つ」であって、配る仕組みではありません。
- ×エ 通信相手のドメイン名とIPアドレスを対応付ける。通信相手のドメイン名とIPアドレスを対応付けるという説明は、DNSの役割(名前解決)です。サブネットマスクは名前解決には関わりません。
補足
IPアドレスとサブネットマスクをビットごとに論理積(AND)すると、ネットワークアドレスが求められます。この結果を比べることで、通信相手が同じネットワーク内にいるのか、ルータを経由する必要があるのかを判断できます。ホスト部がnビットなら、使えるホスト数はおおむねです(/24ならホスト部8ビットで)。ウの選択肢は、DHCPがサブネットマスクも配るため紛らわしく見えますが、「自動取得する仕組み」はDHCPの説明だと区別しましょう。
POINT
- サブネットマスクは、IPアドレスをネットワーク部とホスト部に分けるための値です。
- ネットワーク部のビットを1、ホスト部のビットを0で表し、255.255.255.0は/24と同じ意味になります。
- IPアドレスからMACアドレスを求めるのはARPです。
- TCP/IP設定の自動配布はDHCPが、ドメイン名とIPアドレスの対応付けはDNSが行います。
