製造物責任法の対象は機器とソフトウェアでどう違うか
基本情報技術者試験 令和元年度秋期 午前 問80 / 法務 › その他の法律・ガイドライン
過去問にチャレンジ
ソフトウェアやデータに瑕疵がある場合に,製造物責任法の対象となるものはどれか。
- ア
ROM化したソフトウェアを内蔵した組込み機器
- イ
アプリケーションソフトウェアパッケージ
- ウ
利用者がPCにインストールしたOS
- エ
利用者によってネットワークからダウンロードされたデータ
会話形式の解説
講師製造物責任法でいう製造物は、製造または加工された動産です。この問題では、瑕疵があるものを機器とソフトウェア・データのどちらとして捉えるかが判断の鍵です。
受験者パッケージで提供されるソフトウェアなら、形があるので対象になりそうです。
講師そこで何に瑕疵があるかを確かめます。問題になっているのはソフトウェア自体の瑕疵です。ソフトウェアは無体物なので、パッケージという提供方法だけでは対象になりません。
受験者では、ROM化したソフトウェアを内蔵する組込み機器は、機器そのものを見るのですか。
講師そうです。組込み機器は有体の製造物で、内蔵ソフトウェアの瑕疵が機器の欠陥となり得ます。そのため、この機器が対象になります。
受験者PCにインストールしたOSも、PCに入っている点では似ています。こちらはどう区別しますか。
講師こちらで問われているのはOS自体の瑕疵です。PCにインストールしても、OS自体が製造物になるわけではありません。
受験者ダウンロードしたデータも、端末に保存しただけでは対象にならないということですか。
講師そのとおりです。データは無体物で、保存されてもデータ自体の瑕疵は製造物の欠陥には当たりません。
受験者提供方法や保存先ではなく、瑕疵があるもの自体を見ます。対象になるのは、ソフトウェアを内蔵した組込み機器です。
講師はい。「パッケージ」「インストール」「保存」という言葉に引かれず、ソフトウェアやデータ自体と、それを内蔵した機器を区別して判断します。
まとめ
製造物責任法でいう製造物は、製造または加工された動産です。ROM化したソフトウェアを内蔵する組込み機器は有体の製造物であり、内蔵ソフトウェアの瑕疵が機器の欠陥となり得るため、対象になります。ソフトウェアやデータ自体は無体物で、パッケージでの提供、PCへのインストール、端末への保存によって製造物になるわけではありません。
解答・解説
正解はアです
この問題のテーマ
ソフトウェアやデータに瑕疵があるとき、製造物責任法の対象となるものを問う問題です。
解き方の考え方
製造物責任法でいう製造物は、製造または加工された動産です。そこで、瑕疵があるもの自体がソフトウェアやデータなのか、それらを内蔵した機器なのかを区別します。
選択肢ごとの解説
- ○ア ROM化したソフトウェアを内蔵した組込み機器ROM化したソフトウェアを内蔵する組込み機器は、有体の製造物です。内蔵ソフトウェアの瑕疵が機器の欠陥となり得るため、この機器が対象になります。
- ×イ アプリケーションソフトウェアパッケージアプリケーションソフトウェアのパッケージという形で提供されても、ここで問題にしているのはソフトウェア自体の瑕疵です。ソフトウェア自体は無体物なので、これを製造物として扱うことはできません。
- ×ウ 利用者がPCにインストールしたOS利用者がPCにインストールしたOSも、問題となるのはOS自体の瑕疵です。インストール先がPCであっても、OS自体が製造物になるわけではありません。
- ×エ 利用者によってネットワークからダウンロードされたデータネットワークからダウンロードされたデータは無体物です。利用者の端末に保存されても、データ自体の瑕疵は製造物の欠陥には当たりません。
POINT
- 提供方法の名称だけで判断せず、瑕疵があるものを特定します。
- ソフトウェアを内蔵した機器と、ソフトウェア自体を区別します。
- 端末へのインストールや保存だけで、無体物が製造物に変わるわけではありません。
