WAFの説明はどれか?UTM・SIEM・WPA2との違いを整理
基本情報技術者試験 令和7年度 問10 / セキュリティ › 情報セキュリティ対策
過去問にチャレンジ
WAFの説明はどれか。
- ア
Webサイトに対するアクセス内容を監視し,攻撃とみなされるパターンを検知したときに当該アクセスを遮断する。
- イ
Wi-Fiアライアンスが認定した無線LANの暗号化方式の規格であり,AES暗号に対応している。
- ウ
様々なシステムの動作ログを一元的に蓄積,管理し,セキュリティ上の脅威となる事象をいち早く検知,分析する。
- エ
ファイアウォール機能を有し,マルウェア対策機能,侵入検知機能などの複数のセキュリティ機能を連携させ,統合的に管理する。
会話形式の解説
講師今回はセキュリティ用語の識別問題です。選択肢には、名前の似た用語の説明が並んでいます。まずWAFの正式名称を思い出して、それから各選択肢が何の説明なのかを特定していきましょう。
受験者WAFは「Web Application Firewall」だったと思います。ファイアウォールという言葉が入っているので、ファイアウォール機能に触れているエが気になりました。
講師そこがよくある引っかけです。正式名称の前半にある「Web Application」に注目してください。つまり、Webアプリケーションを攻撃から守るための仕組みです。
受験者守る対象がWebアプリケーションに絞られているのですね。そうすると、Webサイトへのアクセスを監視して遮断するという選択肢が合いそうです。
講師そのとおりです。WAFはアプリケーション層、つまりWebの通信内容そのものを扱う層で、パラメータなどの中身を調べます。そして、攻撃の特徴を表すシグネチャ(攻撃パターンの定義)と照らし合わせます。
受験者SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングのような攻撃を見つけるためのものですか。
講師はい、アが正解です。今挙げた攻撃は、どちらもWebアプリケーションを狙う代表的なものです。では、ほかの選択肢が何の説明か確かめましょう。無線LANの暗号化規格の選択肢はどうですか。
受験者Wi-Fiアライアンスの認定でAESに対応しているので、WPA2だと思います。無線区間の通信を暗号化する規格なので、Webアプリケーションを守るWAFとは目的が違います。
講師そうです。次に、複数のシステムの動作ログを一元的に集めて、脅威を検知・分析するという選択肢はどうですか。
受験者それはSIEMですね。いろいろなログを突き合わせて異常を見つける仕組みなので、通信をその場で検査して遮断するWAFとは役割が違うと思います。
講師そのとおりです。最後に、私が最初に気にしていたエです。ファイアウォールにマルウェア対策や侵入検知を組み合わせて統合管理するものは何でしょうか。
受験者複数の機能を1台にまとめるので、UTMではないでしょうか。
講師はい、その説明はUTMです。エはWAFの説明ではありません。UTMは統合脅威管理のことで、複数のセキュリティ機能を集約する点が特徴です。
受験者整理すると、Webアプリケーションを守るのがWAF、無線の暗号化がWPA2、ログ分析がSIEM、機能の統合がUTMですね。
講師よく整理できています。補足すると、通常のファイアウォールは主にIPアドレスやポート番号で通信の許可や拒否を判断します。そのため、Webの通信に紛れ込んだ攻撃は見分けにくいのです。WAFはそこを補う仕組みです。ただし、誤検知や見逃しも起こるので、Webアプリケーション自体の脆弱性対策も欠かせません。
まとめ
WAF(Web Application Firewall)は、Webサイトへのアクセスの中身を監視し、攻撃とみなされるパターンを検知したときに遮断する仕組みです。SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなど、Webアプリケーションを狙う攻撃の防御に使われます。他の選択肢のうち、無線LANの暗号化規格はWPA2、ログの一元管理と分析はSIEM、複数のセキュリティ機能の統合管理はUTMの説明です。「ファイアウォール」という語につられてUTMの説明を選ばないよう、略語を正式名称に戻して守る対象を確かめることが大切です。
解答・解説
正解はアです
この問題のテーマ
WAF(Web Application Firewall)の説明を選ぶ問題です。WPA2・SIEM・UTMといった、名前の似たセキュリティ用語と区別できるかが問われます。
解き方の考え方
まず略語を正式名称に戻します。WAFはWeb Application Firewallなので、「Webアプリケーションを守るファイアウォール」だと分かります。次に、各選択肢が何の説明かを特定します。無線LANの暗号化はWPA2、ログの一元管理と分析はSIEM、複数機能の統合はUTMです。この3つを除くと、Webサイトへのアクセスを監視して遮断するアだけが残ります。
選択肢ごとの解説
- ○ア Webサイトに対するアクセス内容を監視し,攻撃とみなされるパターンを検知したときに当該アクセスを遮断する。Webサイトへのアクセスの中身を監視し、攻撃のパターンを見つけたら遮断するという説明は、WAFの働きそのものです。WAFはパラメータなどの通信内容を、攻撃の特徴を表すシグネチャと照らし合わせて調べます。SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなど、Webアプリケーションを狙う攻撃の防御に使われます。
- ×イ Wi-Fiアライアンスが認定した無線LANの暗号化方式の規格であり,AES暗号に対応している。Wi-Fiアライアンスが認定し、AESに対応した無線LANの暗号化規格という説明は、WPA2のものです。WPA2は無線区間の通信を暗号化して守る規格です。Webアプリケーションへの攻撃を検知するWAFとは、目的も対象も違います。
- ×ウ 様々なシステムの動作ログを一元的に蓄積,管理し,セキュリティ上の脅威となる事象をいち早く検知,分析する。様々なシステムのログを一元的に集めて管理し、脅威を検知・分析するという説明は、SIEMのものです。SIEMは複数のログを突き合わせて関連を分析し、異常を見つけます。通信をその場で検査して遮断するWAFとは役割が違います。
- ×エ ファイアウォール機能を有し,マルウェア対策機能,侵入検知機能などの複数のセキュリティ機能を連携させ,統合的に管理する。ファイアウォールにマルウェア対策や侵入検知などの機能を加え、まとめて管理するという説明は、UTM(統合脅威管理)のものです。UTMの特徴は、複数のセキュリティ機能を1台に集約する点にあります。Webアプリケーションの保護に特化したWAFとは違います。
補足
通常のファイアウォールは、主にIPアドレスやポート番号で通信を許可したり拒否したりします。そのため、Webアプリケーションへの通信の中に紛れ込んだ攻撃は見分けにくいです。WAFはこの点を補いますが、誤検知や見逃しも起こるため、Webアプリケーション自体の脆弱性対策も必要です。「ファイアウォール」という言葉が入っているエを選んでしまう引っかけに注意してください。
POINT
- WAFはWeb Application Firewallの略で、Webアプリケーションを攻撃から守るための仕組みです。
- WAFはアプリケーション層で通信内容を検査し、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどの攻撃を検知して遮断します。
- WPA2は無線LANの暗号化規格で、AESに対応しています。
- SIEMは複数システムのログを集めて関連を分析し、脅威を検知する仕組みです。
- UTMは、ファイアウォール、マルウェア対策、侵入検知などの複数機能を統合して管理する仕組みです。
