TCOが重視される理由はどこにあるか
ITパスポート試験 令和3年度 問100 / システム構成要素 › システムの評価指標
過去問にチャレンジ
システムの経済性の評価において,TCOの概念が重要視されるようになった理由として,最も適切なものはどれか。
- ア
システムの総コストにおいて,運用費に比べて初期費用の割合が増大した。
- イ
システムの総コストにおいて,初期費用に比べて運用費の割合が増大した。
- ウ
システムの総コストにおいて,初期費用に占めるソフトウェア費用の割合が増大した。
- エ
システムの総コストにおいて,初期費用に占めるハードウェア費用の割合が増大した。
会話形式の解説
講師この問題では、TCOで見る費用の範囲と、費用の割合を比べる基準に注目します。
受験者TCOは導入時に払う費用のことだと思っていました。運用費も含めるのでしょうか。
講師はい。TCOは、システムの導入から廃棄までに生じる費用の総額です。初期費用と運用費の両方を含みます。
受験者それなら、導入後の運用費の割合が大きくなると、初期費用だけでは経済性を判断しにくいですね。
講師その通りです。総コストに占める運用費の割合が初期費用に比べて増大したことが、TCOを重視する理由です。正解はイです。
受験者初期費用の割合が増大したという説明は、費用の比重が逆になっているのですね。
講師はい。アは運用費ではなく初期費用の割合が増したとしているため、不適切です。
受験者ソフトウェア費用の割合が増したという説明も気になります。これも総コストの話ではないのですか。
講師ウが比べているのは、初期費用に占めるソフトウェア費用の割合です。運用費の比重が増した理由を説明していません。
受験者ハードウェア費用の割合が増したという説明も、初期費用の内訳を見ているだけですね。
講師そうです。エも初期費用の内訳について述べているため、不適切です。
受験者「総コストに占める運用費の割合」と「初期費用の中での割合」を分けて読めば判断できますね。
講師はい。同じ「割合」という言葉でも、何に対する割合かを確かめることが、この問題のポイントです。
まとめ
TCOは、システムの導入から廃棄までに生じる費用の総額で、初期費用と運用費を含みます。総コストに占める運用費の割合が増したため、初期費用だけでは経済性を十分に評価できません。初期費用内のソフトウェア費用やハードウェア費用の割合は、TCOが重視される理由とは別の話です。
解答・解説
正解はイです
この問題のテーマ
TCOがシステムの経済性評価で重視されるようになった理由を問う問題です。初期費用と運用費の比重に注目します。
解き方の考え方
TCOは、システムの導入から廃棄までに生じる費用の総額です。初期費用だけでなく運用費も含めて考えます。総コストに占める運用費の割合が増したため、初期費用だけでは経済性を十分に評価できなくなった、という筋道で選びます。
選択肢ごとの解説
- ×ア システムの総コストにおいて,運用費に比べて初期費用の割合が増大した。アは、初期費用の割合が運用費より増大したとする説明です。事実は逆で、割合が増したのは運用費です。TCOが重視される理由には当たりません。
- ○イ システムの総コストにおいて,初期費用に比べて運用費の割合が増大した。イは、初期費用に比べて運用費の割合が増大したとする説明です。導入時の費用だけを見ても総コストを捉えにくくなったため、運用費まで含むTCOで評価する必要があります。
- ×ウ システムの総コストにおいて,初期費用に占めるソフトウェア費用の割合が増大した。ウは、初期費用の中でソフトウェア費用が占める割合に着目しています。これは初期費用の内訳の話であり、総コストに占める運用費の割合が増したことを説明していません。
- ×エ システムの総コストにおいて,初期費用に占めるハードウェア費用の割合が増大した。エは、初期費用の中でハードウェア費用が占める割合に着目しています。ウと同じく初期費用の内訳の話なので、TCOが重視されるようになった理由とは異なります。
補足
ウとエは費用の「割合」に触れているため紛らわしい選択肢です。何に対する割合かを確かめると、どちらも運用費ではなく初期費用の内訳について述べていると分かります。
POINT
- TCOは、システムの導入から廃棄までに生じる費用の総額です。
- TCOには初期費用と運用費の両方が含まれます。
- 運用費の比重が増したため、初期費用だけでは総コストを評価できません。
- 「総コストに占める割合」と「初期費用の内訳」を区別します。
