ソフトウェアライフサイクルの4つのプロセスの役割を見分ける
ITパスポート試験 令和3年度 問14 / システム企画 › 要件定義
過去問にチャレンジ
ソフトウェアライフサイクルを,企画プロセス,要件定義プロセス,開発プロセス,運用プロセスに分けるとき,システム化計画を踏まえて,利用者及び他の利害関係者が必要とするシステムの機能を明確にし,合意を形成するプロセスはどれか。
- ア
企画プロセス
- イ
要件定義プロセス
- ウ
開発プロセス
- エ
運用プロセス
会話形式の解説
講師今回は、ソフトウェアライフサイクル、つまりシステムを企画してから使い続けるまでの流れを4つのプロセスに分けたとき、どの段階の説明なのかを問う問題です。注目してほしいのは「システム化計画を踏まえて」と「機能を明確にし、合意を形成する」という2つの表現です。
受験者「システム化計画」という言葉が出てくるので、私は最初に企画プロセスかなと思いました。計画を立てるのは企画ですよね。
講師計画を立てるのが企画、という結び付けは合っています。企画プロセスでは、システム化の目的やシステム化計画そのものを決めます。ただ、問題文は計画を「踏まえて」行う作業を聞いています。計画ができあがった後の段階ということです。
受験者なるほど、「踏まえて」なので企画の一つ後なんですね。そうすると、要件定義プロセスになりますか。
講師そうです。要件定義プロセスでは、企画で決めた計画をもとに、利用者などが必要とする機能や条件を明確にします。そのうえで、利用者や他の利害関係者、つまりそのシステムに関わる人たちの合意を得ます。問題文の説明とすべて一致します。
受験者開発プロセスでも、作りながら機能を決めていくことはありそうな気がします。開発ではないと言い切れるのはなぜですか。
講師開発プロセスは、要件定義で決めた要件にもとづいてシステムを作る段階です。必要な機能を明確にして合意を得る作業は、開発が始まる前に済ませておくものなので、ここには当てはまりません。
受験者運用プロセスは、完成したシステムを業務で使っていく段階なので、機能を決めて合意する段階ではない、という理解でよいですか。
講師その理解で大丈夫です。順番に並べると、企画で目的と計画を決め、要件定義で必要な機能や条件を明確にして合意を取り、開発で作り、運用で業務に使う、という流れになります。
受験者「計画を立てる」は企画、「機能を明確にして合意する」は要件定義、と分けて覚えればよさそうです。
講師はい、その結び付けが一番の決め手です。よくある引っかけは、今回のように問題文に「システム化計画」という言葉を入れて企画を選ばせる形です。計画を立てる話なのか、計画を踏まえた次の作業の話なのか、動詞の部分まで読んで判断してください。
まとめ
この問題は、ソフトウェアライフサイクルを企画・要件定義・開発・運用の4つに分けたとき、システム化計画を踏まえて必要な機能を明確にし、利害関係者の合意を形成するプロセスを問うものです。正解は要件定義プロセスです。企画プロセスはシステム化の目的と計画そのものを決める段階で、問題文の「踏まえて」から、その一つ後の段階だと分かります。開発プロセスは決まった要件にもとづいてシステムを作る段階、運用プロセスは完成したシステムを業務で使う段階です。「計画を立てる」は企画、「機能を明確にして合意する」は要件定義と結び付けて覚えると迷いにくくなります。
解答・解説
正解はイです
この問題のテーマ
ソフトウェアライフサイクルを4つのプロセスに分けたとき、システム化計画を受けて必要な機能を明確にし、利害関係者の合意を得るのがどのプロセスかを問う問題です。
解き方の考え方
各プロセスの役割を、作業の順番に沿って整理します。まず企画でシステム化の目的と計画を決めます。次に要件定義で、その計画をもとに必要な機能や条件をはっきりさせ、関係者の合意を取ります。そのあとが開発、最後が運用です。問題文の「システム化計画を踏まえて」は企画の次の段階を指しており、「機能を明確にし、合意を形成する」は要件定義の仕事なので、要件定義プロセスが選べます。
選択肢ごとの解説
- ×ア 企画プロセス企画プロセスは、システム化の目的やシステム化計画そのものを決める段階です。問題文はシステム化計画を「踏まえて」進めるプロセスを聞いているので、企画プロセスはその一つ前にあたります。
- ○イ 要件定義プロセス要件定義プロセスでは、企画で決めた計画をもとに、利用者などが必要とする機能や条件を明確にします。そのうえで利害関係者の合意を得ます。問題文の説明とすべて一致します。
- ×ウ 開発プロセス開発プロセスは、要件定義で決めた要件にもとづいてシステムを作る段階です。必要な機能を明確にして合意を得る作業は、開発が始まる前に済ませておくものです。
- ×エ 運用プロセス運用プロセスは、完成したシステムを実際の業務で使っていく段階です。機能を決めて合意を形成する段階ではありません。
補足
「計画を立てる」は企画、「機能を明確にして合意する」は要件定義、と結び付けて覚えると迷いにくくなります。問題文に「システム化計画」という言葉があるため企画を選びたくなりますが、ここでは計画を「踏まえて」次に行う作業を聞いている点に注意してください。
POINT
- ソフトウェアライフサイクルは、企画、要件定義、開発、運用の順に進みます。
- 企画プロセスでは、システム化の目的とシステム化計画を決めます。
- 要件定義プロセスでは、必要な機能や条件を明確にし、利害関係者の合意を得ます。
- 開発プロセスでは決まった要件にもとづいてシステムを作り、運用プロセスではそのシステムを業務で使います。
