クラスと継承による部品化・再利用はどの開発手法の特徴か
ITパスポート試験 令和3年度 問41 / システム開発技術 › システム開発技術
過去問にチャレンジ
クラスや継承という概念を利用して,ソフトウェアを部品化したり再利用することで,ソフトウェア開発の生産性向上を図る手法として,適切なものはどれか。
- ア
オブジェクト指向
- イ
構造化
- ウ
プロセス中心アプローチ
- エ
プロトタイピング
会話形式の解説
講師今回は、ソフトウェア開発の手法の名前と特徴を結び付ける問題です。問題文に出てくる「クラス」と「継承」という2つの言葉に注目してください。
受験者「部品化」や「再利用」という言葉も気になりました。部品を組み合わせるなら、処理の構造を整理する構造化も当てはまりそうに思えて迷いました。
講師「部品化」「再利用」だけで考えると迷いやすいですね。決め手は、それがクラスや継承と一緒に出てきていることです。クラスと継承は、オブジェクト指向を特徴づける概念です。
受験者オブジェクト指向は名前を聞いたことがあります。クラスとは、具体的にどういうものですか。
講師オブジェクト指向では、データとそれを扱う操作をひとまとまりにして考えます。クラスは、そのまとまりの属性と操作を定めたものです。継承は、既存のクラスの性質や機能を新しいクラスに引き継ぐ仕組みです。作ったクラスを部品として何度も使えるので、開発の生産性が上がります。
受験者問題文の説明とそのまま合いますね。では、構造化はどう違うのですか。
講師構造化は、処理の構造を整理して分かりやすくする考え方です。クラスと継承による再利用を特徴とする手法ではありません。
受験者プロセス中心アプローチも、名前からすると処理に関係しそうです。構造化と区別しにくいと感じます。
講師どちらも処理や流れに注目するので、混同しやすいところです。プロセス中心アプローチは、業務や処理の流れに注目してシステムを捉える手法です。クラスと継承を使って部品を再利用することが中心ではありません。
受験者プロトタイピングは試作品を作る手法だったと思います。試作品を作ってから使い回す、という意味ではないのですね。
講師そのとおりです。プロトタイピングは開発の早い段階で試作品を作り、利用者がそれを見て要求や仕様が合っているかを確かめる手法です。目的は要求の確認なので、クラスと継承による部品化とは別のものです。
受験者整理すると、構造化は処理の構造、プロセス中心アプローチは業務や処理の流れ、プロトタイピングは試作品による要求の確認に着目していて、クラスと継承で再利用するのはオブジェクト指向、ということですね。
講師よく整理できています。カタカナ語の手法名が並ぶと迷いやすいので、それぞれが「何に着目しているか」で覚えておくと判断しやすくなります。「クラス」「継承」という言葉が出てきたら、オブジェクト指向を思い浮かべてください。
まとめ
この問題は、クラスと継承を利用してソフトウェアを部品化・再利用し、生産性を高める開発手法を選ぶものです。正解はオブジェクト指向で、データと操作をひとまとまりにし、クラスで属性と操作を定め、継承で既存クラスの性質や機能を引き継ぎます。構造化は処理の構造の整理、プロセス中心アプローチは業務や処理の流れへの注目、プロトタイピングは試作品による要求や仕様の確認が特徴です。「部品化」「再利用」という言葉だけで判断せず、クラスや継承と一緒に出てきているかを確かめることがポイントです。
解答・解説
正解はアです
この問題のテーマ
ソフトウェア開発の手法の中から、「クラス」と「継承」を使って部品化と再利用を進め、生産性を高める手法を選ぶ問題です。
解き方の考え方
問題文のキーワードは「クラス」と「継承」です。この2つはオブジェクト指向を特徴づける概念なので、まずそこから正解の見当をつけます。そのあと、残りの選択肢がそれぞれ何に着目する手法なのか(処理の構造、業務の流れ、試作品)を思い出し、どれも「クラスと継承による再利用」を軸にした手法ではないことを確かめます。
選択肢ごとの解説
- ○ア オブジェクト指向オブジェクト指向では、データとそれを扱う操作をひとまとまりにして考えます。クラスはその属性と操作を定めたもので、継承を使うと既存クラスの性質や機能を新しいクラスに引き継げます。作ったクラスを部品として何度も使えるため、開発の生産性が上がります。問題文の説明に合っています。
- ×イ 構造化構造化は、処理の構造を整理して分かりやすくする考え方です。問題文が挙げている、クラスと継承による再利用を特徴とする手法ではありません。
- ×ウ プロセス中心アプローチプロセス中心アプローチは、業務や処理の流れに注目してシステムを捉える手法です。クラスと継承を使って部品を再利用することが中心の手法ではないため、当てはまりません。
- ×エ プロトタイピングプロトタイピングは、開発の早い段階で試作品を作る手法です。利用者は試作品を見て、要求や仕様が合っているかを確かめます。目的は要求の確認なので、クラスと継承による部品化を説明したものではありません。
補足
構造化とプロセス中心アプローチは、どちらも処理や流れに注目する手法なので混同しやすいところです。選択肢を見分けるときは、それぞれの手法が「何に着目しているか」で整理すると判断しやすくなります。「部品化」「再利用」という言葉があっても、クラスや継承と一緒に出てきているかを確認してください。
POINT
- 「クラス」「継承」という言葉が出てきたら、オブジェクト指向を思い浮かべます。
- オブジェクト指向では、データと操作をひとまとまりにして扱います。
- クラスはオブジェクトの属性と操作を定めたもので、継承は既存クラスの性質や機能を新しいクラスに引き継ぐ仕組みです。
- プロトタイピングは、試作品を作って利用者に要求や仕様を確かめてもらう手法です。
