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複数台を一体で動かす技法は?スプーリング等との区別

ITパスポート試験 令和5年度 問70 / システム構成要素 › システムの構成

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令和5年度 問70

Webサービスなどにおいて,信頼性を高め,かつ,利用者からの多量のアクセスを処理するために,複数のコンピュータを連携させて全体として一つのコンピュータであるかのように動作させる技法はどれか。

  1. ア

    クラスタリング

  2. イ

    スプーリング

  3. ウ

    バッファリング

  4. エ

    ミラーリング

会話形式の解説

講師講師
今回は、複数のコンピュータをつないで一つのコンピュータのように動かす技法を選ぶ、システム構成の用語の問題です。問題文には条件が三つあります。「信頼性を高める」「多量のアクセスを処理する」「複数台を一つのコンピュータのように動かす」の三つです。この三つをすべて満たす技法を選びます。
受験者受験者
選択肢はどれもカタカナの「〜リング」なので、似て見えて迷いました。信頼性を高めるというところから、ミラーリングかなとも思ったのですが。
講師講師
そこは迷いやすいところです。ミラーリングは、同じデータを複数の記憶装置に記録しておく技法です。一方の装置が故障しても、もう一方のデータを使えるので、ディスク障害への備えになります。ただ、これは複製しているのがデータです。処理を複数台で分担して、全体を一体として動かすわけではありません。
受験者受験者
なるほど、信頼性は高まっても、多量のアクセスをさばくという条件には合わないのですね。
講師講師
そのとおりです。三つの条件をすべて満たすのはクラスタリングです。複数のコンピュータを論理的に結合して、一台の大きなコンピュータのように扱う技術です。処理を複数台に分散させる負荷分散によって、多量のアクセスに対応できます。また、ある機器が故障しても別の機器が処理を引き継ぐので、信頼性や可用性、つまり止まらずに使い続けられる度合いも高まります。
受験者受験者
残りのスプーリングとバッファリングは、どちらもデータを一時的にためるもののような気がしますが、違いはありますか。
講師講師
スプーリングは、プリンタのような低速な装置に送るデータをいったん補助記憶装置に保存して、順番に処理していく方式です。CPUが入出力の完了を待つ時間が減るので、スループット、つまり一定時間に処理できる量が増えます。印刷の待ち行列が代表的な例です。
講師講師
バッファリングは、処理速度の違う装置の間に一時的な記憶領域を設けて、そこにデータを蓄える処理です。動画を再生する前に映像データをためておくのが典型的な例で、目的はデータの流れを滑らかにすることです。どちらも装置の間でのデータの受け渡しを扱う技法で、複数のコンピュータを連携させるものではありません。
受験者受験者
整理すると、データの受け渡しを扱うのがスプーリングとバッファリング、データの複製がミラーリング、複数のコンピュータの結合がクラスタリング、ということですね。
講師講師
その整理で大丈夫です。「クラスタ」はもともと房や群れという意味なので、「複数台をひとまとめにする」と覚えると区別しやすくなります。ミラーリングも信頼性向上に使われるので、混同しないように注意してください。複製しているのがデータなのか、処理そのものを複数台で分担しているのかに注目すると見分けられます。

まとめ

複数のコンピュータを連携させ、全体を一台のように動かして信頼性と処理能力を高める技法はクラスタリングです。負荷分散で多量のアクセスに対応し、故障時には別の機器が処理を引き継ぎます。ミラーリングも信頼性を高めますが、同じデータを複数の記憶装置に記録する技法で、処理を分担するものではありません。スプーリングとバッファリングは、装置間のデータの受け渡しを円滑にするための技法です。

解答・解説

正解はアです

この問題のテーマ

この問題は、複数のコンピュータをつなぎ、全体を一つのコンピュータのように動かす技法の名前を選ぶ問題です。選択肢はどれも「〜リング」で終わる用語なので、それぞれが何をする技法なのかを区別します。

解き方の考え方

最初に、問題文から条件を三つ取り出します。「信頼性を高める」「多量のアクセスを処理する」「複数台を一つのコンピュータのように動かす」の三つです。次に、四つの選択肢が何を対象にした技法かを確かめます。装置間のデータの受け渡しを扱うもの、データの複製を扱うもの、複数のコンピュータの結合を扱うものに分かれます。そのうえで、三つの条件をすべて満たすものを探します。複数のコンピュータを結合する技法だけが、三つとも満たします。

選択肢ごとの解説

  1. ○ア  クラスタリング
    クラスタリングは、複数のコンピュータを論理的に結合し、一台の大きなコンピュータのように扱う技術です。処理を複数台に分散させる負荷分散(仕事を分け合うこと)によって、多量のアクセスに対応できます。また、ある機器が故障しても別の機器が処理を引き継ぐので、信頼性や可用性も高まります。三つの条件にすべて当てはまるため、正しい選択肢です。
  2. ×イ  スプーリング
    スプーリングは、プリンタのような低速な装置に送るデータを、いったん補助記憶装置に保存して順番に処理する方式です。CPUが入出力の完了を待つ時間が減るため、スループットが向上します。しかし、複数のコンピュータを連携させる技法ではありません。したがって誤りです。
  3. ×ウ  バッファリング
    バッファリングは、処理速度の違う装置の間に一時的な記憶領域を設け、そこにデータを蓄える処理です。動画を再生する前に映像データをためておくのが典型的な例です。目的はデータの流れを滑らかにすることです。複数台を一体として動かす技法ではないので、誤りです。
  4. ×エ  ミラーリング
    ミラーリングは、同じデータを複数の記憶装置に記録しておく技法です。一方の装置が故障しても、もう一方のデータを使えるので、ディスク障害への備えになります。しかし、複製するのはデータであり、処理を分散させてコンピュータ全体を一体として動かすものではありません。したがって誤りです。

補足

「クラスタ」はもともと房や群れを意味する言葉なので、「複数台をひとまとめにする」と覚えると区別しやすくなります。ミラーリングも「信頼性を高める」点ではクラスタリングと共通しています。そこで、複製しているのがデータなのか、処理を複数台で分担しているのかに注目して見分けてください。

POINT

  • クラスタリングは、複数のコンピュータを結合して一つのシステムとして動かし、処理性能と信頼性・可用性を高める技法です。
  • スプーリングは、低速な装置向けのデータを補助記憶装置にためて順番に処理する方式で、印刷の待ち行列が代表例です。
  • バッファリングは、速度の違う装置の間に一時的な記憶領域を置いて、データの流れを滑らかにする処理です。
  • ミラーリングは、同じデータを複数の記憶装置に記録して、ディスク障害に備える技法です。

※出典:令和5年度 ITパスポート試験 問70