IoTを利用したシステムの事例をネットサービスと見分ける
ITパスポート試験 令和8年度 問8 / ビジネスインダストリ › IoTシステム・組込みシステム
過去問にチャレンジ
IoTを利用したシステムの事例として,最も適切なものはどれか。
- ア
資金調達において,不特定多数の借り手と貸し手をインターネット上で仲介するサービスを行う。
- イ
ソーシャルメディアへの書込みや,コールセンターの通話内容などから,商品やサービスに対する利用者の感情を分析する。
- ウ
店舗や工場などの設備に設置したセンサーの情報をインターネット経由で集め,設備の状況について,従業員がスマートフォンを用いて監視する。
- エ
文書や画像などの電子ファイルを保存するためのインターネット上のストレージを,サービスとして提供する。
会話形式の解説
講師今回はIoTの意味を理解しているかを問う問題です。IoTはInternet of Thingsの略で、「モノのインターネット」と訳されます。機械や設備などのモノをインターネットにつなぎ、そこから得たデータを遠隔監視や遠隔制御に生かす仕組みです。選択肢がこの条件に合っているかを見ていきましょう。
受験者複数の選択肢にインターネットが出てくるので、どれもIoTに見えてしまいます。ネットを使っていればIoTと考えてよいのでしょうか。
講師そこがこの問題の引っかけです。インターネットを使っているだけでは、IoTとはいえません。決め手は「センサーなどでモノの状態を取得し、ネット経由で集めているか」です。
受験者その基準だと、店舗や工場の設備にセンサーを付けて、従業員がスマートフォンで状況を監視する選択肢が当てはまりそうです。
講師そのとおりです。センサーが設備の状態を捉え、そのデータをインターネット経由で集め、スマートフォンから確認しています。モノをネットにつなぎ、データを遠隔監視に使うという、IoTの典型的な使い方です。これが正解です。
受験者SNSの書込みやコールセンターの通話から利用者の感情を分析する選択肢は、データを集めて分析しているので、少しIoTに近い気がしました。
講師迷いやすいところですね。これはセンチメント分析、つまり感情分析に当たります。文章や音声から人の感情を推定する技術です。分析の対象はモノの状態ではなく人の発言なので、IoTの事例とはいえません。
受験者借り手と貸し手をネット上で仲介するサービスや、ファイルを保存するネット上のストレージも、機器の状態を集めていないので違う、ということですね。
講師はい。仲介サービスは資金のやり取りを結び付ける金融サービスで、ストレージのほうはネット上でファイルを保管するオンラインストレージです。どちらも、機器や設備から状態データを取得する記述はありません。
受験者私の理解では、IoTかどうかは「ネットを使うか」ではなく「モノのデータをセンサーなどで集めているか」で判断する、ということです。
講師その理解で大丈夫です。補足すると、感情分析やオンラインストレージは、それぞれ別の用語として問われることもあるので、意味をあわせて覚えておくと役立ちます。また、IoTで集めたデータはクラウドに保存して活用されることもあります。
まとめ
IoT(モノのインターネット)は、機械や設備などのモノをインターネットにつなぎ、得たデータを遠隔監視や遠隔制御に生かす仕組みです。この問題では、設備に設置したセンサーの情報をネット経由で集め、スマートフォンで監視する事例が正解です。感情分析、ネット上の資金仲介、オンラインストレージは、インターネットを使ったりデータを扱ったりしていても、モノの状態を取得していないためIoTには当たりません。見分けるときは「センサーなどでモノの状態を集めているか」に注目しましょう。
解答・解説
正解はウです
この問題のテーマ
IoT(Internet of Things、モノのインターネット)の意味を理解したうえで、インターネットを使うさまざまなサービスの中から、IoTを利用したシステムに当たる事例を選ぶ問題です。
解き方の考え方
IoTは、機械や設備などの「モノ」をインターネットにつなぎ、そこから得たデータを遠隔監視や遠隔制御に生かす仕組みです。そのため、各選択肢に「モノの状態をセンサーなどで取得し、ネット経由で集める」仕組みがあるかどうかを確かめます。インターネットを使っているだけでは、IoTとはいえない点に注意しましょう。この条件をそのまま満たしているのは、設備のセンサー情報を集めて監視するウだけです。
選択肢ごとの解説
- ×ア 資金調達において,不特定多数の借り手と貸し手をインターネット上で仲介するサービスを行う。アのネット上で借り手と貸し手を仲介するサービスは、資金のやり取りを結び付ける金融サービスです。インターネットを使ってはいますが、機器や設備の状態を取得する仕組みは示されていません。そのため、IoTの事例には当たりません。
- ×イ ソーシャルメディアへの書込みや,コールセンターの通話内容などから,商品やサービスに対する利用者の感情を分析する。イのSNSの書込みや通話内容から利用者の感情を分析するものは、センチメント分析(感情分析)に当たります。これは文章や音声から人の感情を推定する技術です。分析の対象はモノの状態ではなく人の発言なので、IoTの事例とはいえません。
- ○ウ 店舗や工場などの設備に設置したセンサーの情報をインターネット経由で集め,設備の状況について,従業員がスマートフォンを用いて監視する。ウでは、店舗や工場の設備に取り付けたセンサーが設備の状態を捉え、そのデータをインターネット経由で集めています。従業員は、集めたデータをもとにスマートフォンから設備の状況を確認できます。モノをネットにつなぎ、データを遠隔監視に使うという、IoTの典型的な使い方です。
- ×エ 文書や画像などの電子ファイルを保存するためのインターネット上のストレージを,サービスとして提供する。エのインターネット上のストレージをサービスとして提供するものは、オンラインストレージに当たります。ネット上でファイルを保管するサービスで、機器から状態データを取得する記述はありません。そのため、IoTの事例ではありません。
補足
この種の問題では、「インターネット上で」「ネット経由で」という言葉が誤りの選択肢にも入っているため、それだけで判断すると迷ってしまいます。イの感情分析やエのオンラインストレージは、それぞれ別の用語として問われることもあるので、意味をあわせて覚えておくと役立ちます。なお、IoTで集めたデータはクラウドに保存して活用されることもあります。
POINT
- IoTはInternet of Thingsの略で、機械や設備などのモノをインターネットに接続する考え方です。
- IoTで集めた機器のデータは、遠隔監視や遠隔制御に利用できます。
- IoTかどうかを見分ける決め手は、「センサーなどでモノの状態を取得し、ネット経由で集めているか」です。
- インターネットを使ったサービスであっても、モノのデータを扱わないものはIoTとはいえません。
