DNSキャッシュポイズニングの見分け方
基本情報技術者試験 平成29年度秋期 午前 問37 / セキュリティ › 情報セキュリティ
過去問にチャレンジ
DNSキャッシュポイズニングに分類される攻撃内容はどれか。
- ア
DNSサーバのソフトウェアのバージョン情報を入手して,DNSサーバのセキュリティホールを特定する。
- イ
PCが参照するDNSサーバに偽のドメイン情報を注入して,利用者を偽装されたサーバに誘導する。
- ウ
攻撃対象のサービスを妨害するために,攻撃者がDNSサーバを踏み台に利用して再帰的な問合せを大量に行う。
- エ
内部情報を入手するために,DNSサーバが保存するゾーン情報をまとめて転送させる。
会話形式の解説
講師この問題では、DNSサーバのキャッシュに偽の情報を入れ、名前解決の結果を変える攻撃かどうかに注目します。
受験者DNSを使う攻撃が並んでいますね。利用者の接続先が変わるかどうかで考えればよいですか。
講師はい。偽のドメイン情報を注入すると、名前解決で誤った接続先が返され、利用者は偽装されたサーバへ誘導されます。これが該当します。
受験者大量の再帰的な問合せもDNSサーバを使いますが、接続先を偽るわけではないのですね。
講師そのとおりです。大量の問合せはサービスの妨害が目的です。偽の名前解決結果をキャッシュに入れる内容ではありません。
受験者ソフトウェアのバージョンを調べる行為は、攻撃の準備のように見えます。これも別でしょうか。
講師別です。バージョンの調査は攻撃対象の情報収集で、キャッシュに偽情報を登録させません。
受験者ゾーン情報をまとめて転送させるものは、DNSサーバから情報を取り出す行為ですね。
講師はい。DNSサーバが持つ登録情報を取得する行為です。キャッシュの内容を偽情報に置き換えるものではありません。
受験者つまり、DNSに関わるという共通点だけでは決めず、偽情報で名前解決の結果を変えるかを確かめます。
講師その判断でよいです。情報収集、サービス妨害、登録情報の取得は、それぞれ目的が異なります。
まとめ
DNSキャッシュポイズニングは、DNSサーバのキャッシュに偽情報を登録させ、名前解決の結果を変える攻撃です。この問題では、偽のドメイン情報を注入して利用者を偽装されたサーバへ誘導する内容が該当します。バージョン調査は情報収集、大量の再帰的問合せはサービス妨害、ゾーン情報の転送は登録情報の取得です。DNSを使うかどうかだけでなく、偽情報がキャッシュに入るかで見分けます。
解答・解説
正解はイです
この問題のテーマ
DNSの名前解決を悪用する攻撃のうち、キャッシュポイズニングに当たるものを見分ける問題です。
解き方の考え方
着目するのは、DNSサーバのキャッシュに偽の情報を登録させるかどうかです。偽の情報によって名前解決の結果が変わり、利用者が偽装されたサーバへ誘導される選択肢を選びます。
選択肢ごとの解説
- ×ア DNSサーバのソフトウェアのバージョン情報を入手して,DNSサーバのセキュリティホールを特定する。ソフトウェアのバージョンを調べる行為は、攻撃対象の情報収集です。DNSのキャッシュに偽の情報を登録させる内容ではありません。
- ○イ PCが参照するDNSサーバに偽のドメイン情報を注入して,利用者を偽装されたサーバに誘導する。PCが参照するDNSサーバに偽のドメイン情報を注入すると、名前解決で誤った接続先が返されます。その結果、利用者を偽装されたサーバへ誘導できるので、DNSキャッシュポイズニングに当たります。
- ×ウ 攻撃対象のサービスを妨害するために,攻撃者がDNSサーバを踏み台に利用して再帰的な問合せを大量に行う。再帰的な問合せを大量に行う目的は、攻撃対象のサービスを妨害することです。問合せの量を利用する攻撃であり、偽の名前解決結果をキャッシュに入れるものではありません。
- ×エ 内部情報を入手するために,DNSサーバが保存するゾーン情報をまとめて転送させる。ゾーン情報をまとめて転送させると、DNSサーバが持つ登録情報を取得できます。情報を取り出す行為であり、キャッシュの内容を偽情報に置き換える行為ではありません。
POINT
- キャッシュポイズニングの判断では、DNSのキャッシュに偽情報を登録させる操作に注目します。
- 名前解決の結果が汚染されると、利用者が意図しない接続先へ向かうことがあります。
- DNSを使う攻撃でも、情報収集、サービス妨害、登録情報の取得はそれぞれ目的が異なります。
