2要素認証に当たる組合せは、認証要素の種類で見分ける
基本情報技術者試験 令和8年度 問9 / セキュリティ › 情報セキュリティ
過去問にチャレンジ
2要素認証に該当する組みはどれか。
- ア
クライアント証明書,ハードウェアトークン
- イ
静脈認証,指紋認証
- ウ
パスワード認証,静脈認証
- エ
パスワード認証,秘密の質問の答え
会話形式の解説
講師今回は2要素認証の問題です。認証に使う要素は、知識・所持・生体の3種類に分けられます。知識は本人が知っているもの、所持は本人が持っているもの、生体は本人の身体的な特徴です。各選択肢の手段がどれに当たるかを考えてみてください。
受験者どの選択肢も手段が2つずつ並んでいるので、全部2要素のように見えてしまいます。手段の数で決まるわけではないのですか。
講師そこがこの問題のポイントです。2要素認証は、種類が違う要素を2つ組み合わせる方式です。同じ種類の手段を2つ重ねても、要素の種類は1つのままです。
受験者そうなると、静脈認証と指紋認証の組は、どちらも体の特徴を使うので生体と生体になりますね。
講師その通りです。使う体の部位が違っても、種類は生体のままなので、2要素認証にはなりません。では、クライアント証明書とハードウェアトークンの組はどうでしょうか。
受験者ハードウェアトークンは持っている機器なので所持だと思います。クライアント証明書は知識に入るのでしょうか。
講師クライアント証明書は、端末やカードに入っている秘密鍵を持っていることで本人を確かめる仕組みです。つまり所持要素です。この組は所持と所持なので、2要素認証には当たりません。
受験者パスワードと秘密の質問の答えは、どちらも覚えている情報なので知識と知識ですね。残るのはパスワード認証と静脈認証の組で、知識と生体なので種類が違います。
講師正解です。手段ごとに3種類のどれかに分けて、組の2つが別の種類かを確かめる。この2つの手順で判断できます。
受験者2要素認証と似た言葉で、2段階認証というのも聞いたことがあります。同じ意味ですか。
講師違います。2段階認証は、認証の手順が2回あることを指すだけです。パスワードの後に秘密の質問を聞く組は、2段階認証としては成り立ちますが、知識どうしなので2要素認証ではありません。混同しないよう注意してください。
講師補足すると、クライアント証明書を使うときにPINの入力も求める運用なら、所持と知識の組合せにできます。異なる要素を2つ以上組み合わせる方式は、まとめて多要素認証と呼ばれます。
まとめ
認証要素は、知識(パスワードなど)、所持(トークンや証明書など)、生体(指紋や静脈など)の3種類に大きく分けられます。2要素認証は種類の異なる要素を2つ組み合わせる方式で、手段の数ではなく要素の種類で判断します。この問題では、パスワード認証(知識)と静脈認証(生体)の組だけが2要素認証に当たります。ほかの選択肢は、所持どうし、生体どうし、知識どうしの組合せです。2段階認証は手順が2回あるというだけの意味なので、2要素認証と混同しないよう注意が必要です。
解答・解説
正解はウです
この問題のテーマ
認証に使う要素を「知識・所持・生体」の3種類に分けたうえで、異なる種類を2つ組み合わせた2要素認証になっている組を見分ける問題です。
解き方の考え方
まず、各選択肢の認証手段を知識(本人が知っているもの)、所持(本人が持っているもの)、生体(本人の身体的特徴)のどれかに分類します。次に、組になった2つの手段が別々の種類に属しているかを確かめます。手段が2つあっても、同じ種類どうしなら要素の種類は1つのままなので、2要素認証にはなりません。この基準で見ると、種類が分かれているのはパスワードと静脈認証の組だけです。
選択肢ごとの解説
- ×ア クライアント証明書,ハードウェアトークンクライアント証明書は端末やカードに格納された秘密鍵を持っていることで本人を確かめる仕組みで、ハードウェアトークンも利用者が持つ機器です。どちらも所持要素なので、この組は所持と所持の組合せです。手段は2つでも要素の種類は1つなので、2要素認証には当たりません。
- ×イ 静脈認証,指紋認証静脈認証と指紋認証は、どちらも身体的特徴を使う生体要素です。使う身体の部位が違っていても、要素の種類は同じ生体のままです。そのため生体と生体の組合せとなり、2要素認証にはなりません。
- ○ウ パスワード認証,静脈認証パスワード認証は本人が知っている情報を使う知識要素で、静脈認証は身体的特徴を使う生体要素です。種類の異なる2つの要素を組み合わせているので、2要素認証に該当します。
- ×エ パスワード認証,秘密の質問の答えパスワードも秘密の質問の答えも、本人が覚えている情報を使う知識要素です。知識と知識の組合せなので、要素の種類は1つしかなく、2要素認証には当たりません。
補足
「2段階認証」は認証の手順が2回あることを指すだけなので、パスワードの後に秘密の質問を聞くような同じ種類どうしの組合せでも成り立ちます。2要素認証と混同しないよう注意してください。また、クライアント証明書を使うときにPINの入力も求める運用であれば、所持と知識の組合せにできます。異なる要素を2つ以上組み合わせる方式は、まとめて多要素認証と呼ばれます。
POINT
- 認証要素は、知識(パスワードなど)、所持(トークン・証明書など)、生体(指紋・静脈など)の3種類に大別されます。
- 2要素認証は、種類の異なる要素を2つ組み合わせて本人を確かめる方式です。
- 判断の基準は手段の数ではなく、要素の種類が異なるかどうかです。
- 同じ種類の手段をいくつ重ねても、要素の種類は増えません。
