マナビング基本情報技術者

H.264/MPEG-4 AVCは何をする規格か

基本情報技術者試験 平成30年度春期 午前 問25 / 情報メディア › マルチメディア技術

過去問にチャレンジ

平成30年度春期 午前 問25

H.264/MPEG-4 AVCに関する記述はどれか。

  1. ア

    インターネットで動画や音声データのストリーミング配信を制御するための通信方式

  2. イ

    テレビ会議やテレビ電話で双方向のビデオ配信を制御するための通信方式

  3. ウ

    テレビの電子番組案内で使用される番組内容のメタデータを記述する方式

  4. エ

    ワンセグやインターネットで用いられる動画データの圧縮符号化方式

会話形式の解説

講師講師
今回はH.264/MPEG-4 AVCが何をするための規格かを問う問題です。選択肢がそれぞれ「制御する」「記述する」「圧縮符号化する」のどれを説明しているかに注目してください。
受験者受験者
動画の配信でよく見る名前なので、ストリーミング配信を制御する通信方式の説明かと思いました。
講師講師
そこが間違えやすいところです。H.264は、配信される動画データの中身をどう圧縮するかを定めた規格です。再生や停止のような配信の制御はしません。ストリーミング配信の制御をするのは、RTSPのような配信制御用のプロトコル、つまり通信の手順を決めた約束事です。
受験者受験者
動画データそのものを扱うか、データの送り方を管理するかで役割が分かれているのですね。テレビ会議で双方向のビデオ配信を制御する方式も同じ考え方でしょうか。
講師講師
同じ考え方です。テレビ会議の映像を圧縮するときにH.264が使われることはあります。ただ、通信セッション、つまり通話のつながりを確立したり管理したりするのは、SIPのような制御方式の仕事です。H.264が担うのは映像の符号化だけなので、この説明も当てはまりません。
受験者受験者
テレビの電子番組案内のメタデータを記述する方式は、テレビつながりなので少し迷いました。
講師講師
電子番組案内はEPGとも呼ばれ、番組名や放送時間といった、番組についての付加情報を扱います。こうした番組情報やコンテンツの内容を記述する規格としては、DVB-SIやMPEG-7があります。H.264が扱うのは映像そのものなので、扱う対象が違います。
受験者受験者
そうすると、ワンセグやインターネットで使われる動画データの圧縮符号化方式という説明が、H.264に合うということですね。
講師講師
そのとおりです。H.264は動画を高い圧縮率で符号化する規格で、ワンセグ放送の映像にも、インターネットの動画配信にも使われています。符号化とは、映像を決まった形式の小さなデータに変換することだと考えてください。
受験者受験者
名前に「H.264」と「MPEG-4 AVC」の二つが並んでいるのは、別々の規格を組み合わせているからですか。
講師講師
いいえ、同じ動画符号化規格を指しています。ITU-T側ではH.264、ISO/IEC側ではMPEG-4 AVCと、それぞれ別の名前が付いているだけです。覚え方としては、RTSPは配信の制御、SIPはセッションの制御、H.264は映像の符号化、と役割で整理しておくと見分けやすくなります。

まとめ

H.264/MPEG-4 AVCは、動画を高い圧縮率で符号化する規格で、ワンセグ放送やインターネットの動画配信に使われています。ストリーミング配信の制御はRTSP、テレビ会議などの通信セッションの制御はSIPのようなプロトコルが担い、H.264の役割とは違います。電子番組案内の番組情報を記述するのはDVB-SIやMPEG-7のような規格で、扱う対象が映像そのものではありません。選択肢が「制御」「記述」「符号化」のどれを説明しているかに注目すると、正しく見分けられます。

解答・解説

正解はエです

この問題のテーマ

H.264/MPEG-4 AVCが何のための規格か、つまり動画を圧縮符号化する方式であることを理解しているかを問う問題です。

解き方の考え方

まず、選択肢がそれぞれ何をする技術の説明かを見分けます。アとイは通信を「制御する」方式、ウは番組情報を「記述する」方式、エは動画データを「圧縮符号化する」方式の説明です。H.264/MPEG-4 AVCは映像を小さなデータ量に変換する符号化の規格なので、データそのものの圧縮を説明しているエを選びます。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  インターネットで動画や音声データのストリーミング配信を制御するための通信方式
    このストリーミング配信を制御する通信方式の説明は、RTSPのような配信制御用プロトコルに当てはまります。H.264は配信される動画データの中身をどう圧縮するかを定めた規格で、再生や停止などの配信の制御は行いません。そのため、H.264の説明にはなりません。
  2. ×イ  テレビ会議やテレビ電話で双方向のビデオ配信を制御するための通信方式
    このテレビ会議などで双方向のビデオ配信を制御する通信方式の説明は、通信セッションを確立・管理するSIPのような制御方式に当てはまります。テレビ会議の映像を圧縮するときにH.264が使われることはあります。しかし、H.264が担うのは映像の符号化であり、通信の制御ではないので誤りです。
  3. ×ウ  テレビの電子番組案内で使用される番組内容のメタデータを記述する方式
    この電子番組案内(EPG)の番組内容のメタデータを記述する方式の説明は、番組名や放送時間などの情報を扱う仕組みのものです。H.264が扱うのは映像そのもので、番組についての付加情報ではありません。扱う対象が違うため、H.264の説明には当たりません。
  4. ○エ  ワンセグやインターネットで用いられる動画データの圧縮符号化方式
    このワンセグやインターネットで用いられる動画の圧縮符号化方式の説明は、H.264/MPEG-4 AVCの内容と一致します。H.264は動画を高い圧縮率で符号化する規格で、ワンセグ放送の映像にもインターネットの動画配信にも使われています。

POINT

  • H.264とMPEG-4 AVCは同じ動画符号化規格を指し、ITU-T側とISO/IEC側でそれぞれ別の名前が付いています。
  • H.264/MPEG-4 AVCは動画を圧縮符号化する方式で、ワンセグやインターネット動画配信で使われています。
  • RTSPはストリーミング配信の制御、SIPは通信セッションの制御に使うプロトコルで、データの符号化方式とは役割が違います。
  • 選択肢が「制御」「記述」「符号化」のどれを説明しているかに注目すると、規格の役割を見分けやすくなります。

※出典:平成30年度春期 基本情報技術者試験 午前 問25