マナビング基本情報技術者

ブラックボックステストの入力値をどう選ぶか

基本情報技術者試験 平成30年度春期 午前 問48 / システム開発技術 › ソフトウェア構築

過去問にチャレンジ

平成30年度春期 午前 問48

ブラックボックステストのテストデータの作成方法のうち,最も適切なものはどれか。

  1. ア

    稼働中のシステムから実データを無作為に抽出し,テストデータを作成する。

  2. イ

    機能仕様から同値クラスや限界値を識別し,テストデータを作成する。

  3. ウ

    業務で発生するデータの発生頻度を分析し,テストデータを作成する。

  4. エ

    プログラムの流れ図を基に,分岐条件に基づいたテストデータを作成する。

会話形式の解説

講師講師
この問題では、テストデータを選ぶときに何を根拠にするかがポイントです。ブラックボックステストは、機能仕様に示された入力と出力に着目します。
受験者受験者
実際のデータを無作為に選べば、現実に近いテストができそうです。
講師講師
実データは使えますが、無作為に選ぶだけでは、仕様上の入力範囲を意識できません。境界付近の値が含まれるとも限りません。
受験者受験者
では、業務でよく現れる値を調べて選ぶ方法はどうですか。
講師講師
よく現れる値は選べます。ただ、発生頻度だけでは、仕様で定めた境界や異常な入力条件まで確かめられません。
受験者受験者
出現の多さより、仕様に書かれた入力の条件を見るのですね。具体的にはどう選びますか。
講師講師
まず、同じ結果が見込まれる入力を一つの範囲として扱います。これが同値クラスです。機能仕様からその範囲を識別します。
受験者受験者
同じ範囲に入る値だけを見れば十分ですか。範囲の端も気になります。
講師講師
その端が限界値です。境界付近の値も選ぶと、仕様で定めた範囲の切り替わりを確かめられます。したがって、同値クラスと限界値を機能仕様から選ぶ方法が最も適切です。
受験者受験者
流れ図の分岐条件から値を選ぶ方法も、条件を調べる点では似て見えます。
講師講師
流れ図の分岐条件は、プログラム内部の処理を示します。機能仕様の入出力を手掛かりにする今回の方法とは、見る対象が違います。
受験者受験者
実データや発生頻度だけでは境界を確かめきれず、流れ図は内部を見る方法なのですね。
講師講師
はい。迷ったら、データを選ぶ根拠が機能仕様にあるかを確認してください。そのうえで、同じ結果が見込まれる範囲と、その境界付近を考えます。

まとめ

ブラックボックステストでは、機能仕様に示された入力と出力を基にテストデータを選びます。同値クラスは、同じ結果が見込まれる入力の範囲です。限界値を選ぶと、その範囲の境界付近も確かめられます。実データの無作為抽出や発生頻度の分析だけでは境界などを十分に扱えず、流れ図の分岐条件はプログラムの内部構造に着目する方法です。

解答・解説

正解はイです

この問題のテーマ

ブラックボックステストで、何を根拠にテストデータを選ぶかを問う問題です。

解き方の考え方

ブラックボックステストでは、プログラムの内部構造ではなく、機能仕様に示された入力と出力に着目します。入力を同じ結果が見込まれる範囲に分け、その境界付近も調べられる方法を選びます。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  稼働中のシステムから実データを無作為に抽出し,テストデータを作成する。
    実データの無作為抽出では、仕様上の入力範囲を意識してデータを選べません。抽出したデータに境界付近の値が含まれるとは限らないため、最も適切な方法ではありません。
  2. ○イ  機能仕様から同値クラスや限界値を識別し,テストデータを作成する。
    機能仕様から、同じ結果が見込まれる入力の範囲を同値クラスとして識別できます。さらに範囲の限界値を選べば、仕様で定めた境界付近の動作も確かめられるため、正解です。
  3. ×ウ  業務で発生するデータの発生頻度を分析し,テストデータを作成する。
    業務データの発生頻度を分析すると、よく現れる値は選べます。しかし、発生頻度だけでは仕様で定めた境界や異常な入力条件を網羅できないため、最も適切な方法ではありません。
  4. ×エ  プログラムの流れ図を基に,分岐条件に基づいたテストデータを作成する。
    プログラムの流れ図にある分岐条件は、処理の内部構造を示します。それを基にデータを選ぶ方法は、機能仕様から入出力を確かめるブラックボックステストの方法とは異なります。

POINT

  • ブラックボックステストでは、機能仕様を基に入出力を検証します。
  • 同値分割では、同じ結果が見込まれる入力を一つのクラスとして扱います。
  • 限界値分析では、入力範囲の境界付近を調べます。

※出典:平成30年度春期 基本情報技術者試験 午前 問48