エラー埋込法で二種類の発見率をどう比べる?
基本情報技術者試験 令和元年度秋期 午前 問47 / システム開発技術 › ソフトウェア構築
過去問にチャレンジ
エラー埋込法において,埋め込まれたエラー数をS,埋め込まれたエラーのうち発見されたエラー数をm,埋め込まれたエラーを含まないテスト開始前の潜在エラー数をT,発見された総エラー数をnとしたとき,S,T,m,nの関係を表す式はどれか。
- ア
- イ
- ウ
- エ
会話形式の解説
講師この問題では、二種類のエラーについて、何を同じものとして比べるかがポイントです。
受験者発見された総数をそのまま元の潜在エラーの発見数に使ってよいのか、迷います。
講師総数の n には、埋め込んだエラーのうち発見された m 個も含まれます。元の潜在エラーだけでは、何個見つかりましたか。
受験者n から m を引いて、n−m 個です。
講師そのとおりです。エラー埋込法では、埋込エラーと元の潜在エラーが同じ割合で見つかると仮定します。それぞれの発見率を作ってみましょう。
受験者埋込エラーは m/S、元の潜在エラーは (n−m)/T です。この二つを等しく置く式が正解ですね。
講師はい。どちらも、その種類の発見数を、その種類の総数で割っています。
受験者T/(n−m) も同じ数を使っていますが、これは割る順序が逆ですね。
講師そうです。元の潜在エラーの発見率にはなりません。
受験者n/T は順序が合っているように見えます。でも、n には埋込エラーの発見数も入っています。
講師そのため、元の潜在エラーだけの発見率にはなりません。T/n はさらに、発見数に埋込エラーが混ざったままで、割る順序も逆です。
受験者総数から m を引いて対象をそろえ、発見数をその対象の総数で割ればよいのですね。
講師はい。式を選ぶときは、分子がどのエラーの発見数か、分母がそのエラーの総数かを一組ずつ確かめてください。
まとめ
発見された総エラー数 n には、埋込エラーの発見数 m が含まれます。元の潜在エラーの発見数は n−m です。二種類のエラーが同じ割合で発見されると仮定し、m/S と (n−m)/T を等しく置く式が正解です。発見率では、対象をそろえて「発見数÷その対象の総数」の順に割ります。
解答・解説
正解はアです
この問題のテーマ
エラー埋込法で、埋め込んだエラーと元からあった潜在エラーの発見率をどう結び付けるかを問う問題です。
解き方の考え方
発見された総数 n には、埋め込んだエラー m 個が含まれます。したがって、元の潜在エラーのうち発見された数は n−m 個です。埋込エラーと元の潜在エラーが同じ割合で発見されると仮定し、それぞれの発見数をそれぞれの総数で割った値を等しく置きます。
選択肢ごとの解説
- ○ア埋込エラーの発見率は m/S、元の潜在エラーの発見率は (n−m)/T です。この二つを等しく置いた式なので、正解です。
- ×イ右辺の T/(n−m) は、元の潜在エラーの総数を発見数で割っています。発見率では割る順序が逆になるため、左辺の発見率と比較する式にはなりません。
- ×ウ右辺の n/T は、発見された総エラー数を元の潜在エラー数で割っています。n には埋込エラーの発見数も含まれるため、元の潜在エラーだけの発見率を表しません。
- ×エ右辺の T/n は、元の潜在エラー数を発見された総エラー数で割っています。発見数には埋込エラーも混ざっており、割る順序も発見率の形ではありません。
POINT
- 発見された総数から埋込エラーの発見数を引くと、元の潜在エラーの発見数になります。
- 発見率を作るときは、対象をそろえて「その対象の発見数÷その対象の総数」とします。
- エラー埋込法では、二種類のエラーが同じ割合で見つかるという仮定を使います。
