不正のトライアングルの三要素をどう見分けるか
基本情報技術者試験 平成31年度春期 午前 問42 / セキュリティ › 情報セキュリティ
過去問にチャレンジ
不正が発生する際には"不正のトライアングル"の3要素全てが存在すると考えられている。"不正のトライアングル"の構成要素の説明として,適切なものはどれか。
- ア
"機会"とは,情報システムなどの技術や物理的な環境,組織のルールなど,内部者による不正行為の実行を可能又は容易にする環境の存在である。
- イ
"情報と伝達"とは,必要な情報が識別,把握及び処理され,組織内外及び関係者相互に正しく伝えられるようにすることである。
- ウ
"正当化"とは,ノルマによるプレッシャなどのことである。
- エ
"動機"とは,良心のかしゃくを乗り越える都合の良い解釈や他人への責任転嫁など,内部者が不正行為を自ら納得させるための自分勝手な理由付けである。
会話形式の解説
講師この問題では、説明を読んで「不正を実行できる環境」「不正へ向かわせる圧力や欲求」「不正を自分に許す理由付け」のどれに当たるかを確かめます。
受験者ノルマのプレッシャも、不正を自分に許す理由になりそうで迷います。
講師まず、そのプレッシャは不正へ向かうきっかけですか。それとも、不正をしてもよいと自分を納得させる考え方ですか。
受験者不正へ向かうきっかけです。つまり、ノルマのプレッシャは「正当化」ではなく「動機」です。
講師そのとおりです。では、良心のかしゃくを抑える都合の良い解釈や、他人への責任転嫁はどちらでしょうか。
受験者不正を自分に許す理由付けなので「正当化」です。「動機」とする説明は入れ替わっています。
講師では、情報システムや組織の管理に弱い部分があり、内部者が不正を実行しやすい環境は何に当たりますか。
受験者実行できる環境を表す「機会」です。この説明が適切です。
講師残る「情報と伝達」は、情報を把握して関係者へ伝えるという内部統制の説明です。不正のトライアングルの三要素には含まれません。
受験者機会は実行しやすい環境、動機は圧力や欲求、正当化は自分を納得させる理由付け、と分ければ判断できます。
まとめ
不正のトライアングルの三要素は、機会・動機・正当化です。情報システムや組織の管理に弱い部分があり、不正を実行しやすい環境は「機会」に当たるため、正解はアです。ノルマのプレッシャは「動機」、都合の良い解釈や責任転嫁は「正当化」に当たります。「情報と伝達」は内部統制の説明であり、三要素には含まれません。
解答・解説
正解はアです
この問題のテーマ
不正のトライアングルを構成する「機会」「動機」「正当化」の意味を問う問題です。
解き方の考え方
まず、不正を実行できる環境が「機会」、不正に向かわせる圧力や欲求が「動機」、不正を自分に許す理由付けが「正当化」だと整理します。各選択肢の説明が、その名称に合っているかを確かめます。
選択肢ごとの解説
- ○ア "機会"とは,情報システムなどの技術や物理的な環境,組織のルールなど,内部者による不正行為の実行を可能又は容易にする環境の存在である。情報システムや組織の管理に弱い部分があると、内部者が不正を実行しやすくなります。アは、そのような環境を「機会」と説明しているので適切です。
- ×イ "情報と伝達"とは,必要な情報が識別,把握及び処理され,組織内外及び関係者相互に正しく伝えられるようにすることである。情報を把握し、関係者に伝えるという説明は、内部統制における「情報と伝達」を述べたものです。不正のトライアングルの構成要素には含まれません。
- ×ウ "正当化"とは,ノルマによるプレッシャなどのことである。ノルマによるプレッシャは、不正へ向かうきっかけとなる圧力なので「動機」に当たります。「正当化」は、不正をしてもよいと自分を納得させる考え方です。
- ×エ "動機"とは,良心のかしゃくを乗り越える都合の良い解釈や他人への責任転嫁など,内部者が不正行為を自ら納得させるための自分勝手な理由付けである。良心のかしゃくを抑える解釈や他人への責任転嫁は、不正を自分に許すための理由付けです。これは「正当化」の説明であり、「動機」の説明ではありません。
POINT
- 「機会」は、不正を実行できる、または実行しやすい環境を指します。
- 「動機」には、ノルマによる圧力や欲求が含まれます。
- 「正当化」は、不正を自分の中で許容するための理由付けです。
