マナビング基本情報技術者

分数式の極限で分子と分母の次数をどう比べるか

基本情報技術者試験 令和元年度秋期 午前 問4 / 基礎理論 › 応用数学

過去問にチャレンジ

令和元年度秋期 午前 問4

aa 及び bb を定数とする関数 f(t)=at+1f(t) = \frac{a}{t + 1} 及び g(t)=bt2−tg(t) = \frac{b}{t^2 - t} に対して, lim⁡t→∞g(t)f(t)\lim_{t \to \infty} \frac{g(t)}{f(t)} はどれか。ここで, a≠0,b≠0,t>1a \neq 0, b \neq 0, t > 1 とする。

令和元年度秋期 午前 問4の図
  1. ア

    0

  2. イ

    1

  3. ウ

    ba\frac{b}{a}

  4. エ

    ∞

会話形式の解説

講師講師
関数の比を一つの分数式に整理してから、分子と分母がどう変わるかを見ましょう。
受験者受験者
g(t)をf(t)で割ると、どのような式になりますか。
講師講師
g(t)/f(t)=(b/a)×(t+1)/(t2−t)g(t)/f(t) = (b/a) \times (t + 1)/(t^{2} - t)です。aとbは0でない定数なので、まずtを含む分数に注目できます。
受験者受験者
分母にt2t^{2}がありますが、このままでは極限を追いにくいです。
講師講師
分子と分母を同じt2t^{2}で割ると、(t+1)/(t2−t)=(1/t+1/t2)/(1−1/t)(t + 1)/(t^{2} - t) = (1/t + 1/t^{2})/(1 - 1/t)になります。分子は何に近づきますか。
受験者受験者
1/tも1/t21/t^{2}も0に近づくので、分子は0です。分母は1に近づきます。
講師講師
そのため分数全体は0に近づきます。定数b/aを掛けても極限は0で、0の選択肢が正解です。
受験者受験者
分母が1に近づくので、1を選びそうになりました。分子の0も見ないといけませんね。
講師講師
はい。b/aも式に残りますが、それに掛かる分数が0に近づくため、極限はb/aにはなりません。
受験者受験者
では、∞も違いますね。分母のt2t^{2}の項は、分子のtの項より速く大きくなります。
講師講師
そのとおりです。分数式の極限では、分子と分母を同じ最高次数の項で割り、それぞれの極限を確かめると判断しやすくなります。

まとめ

g(t)/f(t)を整理すると、(b/a)×(t+1)/(t2−t)(b/a) \times (t + 1)/(t^{2} - t)です。分子と分母をt2t^{2}で割ると、t→∞で分子は0、分母は1に近づきます。したがって、定数b/aを掛けた比の極限も0です。

解答・解説

正解はアです

この問題のテーマ

関数の比を整理し、分子と分母の次数から極限を求める問題です。

解き方の考え方

まず、g(t)をf(t)で割ると、g(t)/f(t)=(b/a)×(t+1)/(t2−t)g(t)/f(t) = (b/a) \times (t + 1)/(t^{2} - t)です。分数の分子と分母をt2t^{2}で割ると、(t+1)/(t2−t)=(1/t+1/t2)/(1−1/t)(t + 1)/(t^{2} - t) = (1/t + 1/t^{2})/(1 - 1/t)となります。t→∞では分子が0、分母が1に近づくので、定数b/aを掛けた極限も0です。

選択肢ごとの解説

  1. ○ア  0
    アの0は、計算した極限と一致します。したがって、この選択肢が正解です。
  2. ×イ  1
    イの1にはなりません。分母をt2t^{2}で割った後は1に近づきますが、分子は0に近づくため、分数全体は1になりません。
  3. ×ウ  ba\frac{b}{a}
    ウのb/aは、比の式に含まれる定数部分です。それに掛かる(t+1)/(t2−t)(t + 1)/(t^{2} - t)が0に近づくので、極限はb/aにはなりません。
  4. ×エ  ∞
    エの∞は、比が限りなく大きくなる場合の値です。この式では分母のt2t^{2}の項が分子のtの項より速く大きくなり、比は0に近づきます。

POINT

  • 分数式の極限では、分子と分母を同じ最高次数の項で割ると、各項の動きを確かめやすくなります。
  • 分母の次数が分子より高い分数式は、分母が0に近づかない形に整理すれば、極限を判断できます。
  • 0でない定数を掛けても、0に近づく値の極限は0です。

※出典:令和元年度秋期 基本情報技術者試験 午前 問4(一部改変)