システム監査人の独立性は所属先でどう見極める?
基本情報技術者試験 令和元年度秋期 午前 問59 / システム監査 › システム監査
過去問にチャレンジ
情報システム部が開発して経理部が運用している会計システムの運用状況を,経営者からの指示で監査することになった。この場合におけるシステム監査人についての記述のうち,最も適切なものはどれか。
- ア
会計システムは企業会計に関する各種基準に準拠すべきなので,システム監査人を公認会計士とする。
- イ
会計システムは機密性の高い情報を扱うので,システム監査人は経理部長直属とする。
- ウ
システム監査を効率的に行うために,システム監査人は情報システム部長直属とする。
- エ
独立性を担保するために,システム監査人は情報システム部にも経理部にも所属しない者とする。
会話形式の解説
講師この問題では、監査人の独立性に注目します。開発したのは情報システム部、運用しているのは経理部です。
受験者運用状況を調べるなら、経理部の指揮下にいるほうが仕事を進めやすいと思いました。
講師経理部長直属にすると、監査人は運用を担当する部門の指揮を受けます。その立場では、運用状況を独立して評価できません。
受験者では、運用を担当していない情報システム部長の直属ならよいですか。
講師情報システム部は、このシステムを開発した部門です。監査を効率よく進められるとしても、その部門の指揮下では独立性を欠きます。
受験者運用部門だけでなく、開発部門との関係も調べるのですね。
講師そうです。公認会計士を選ぶ案はどう考えますか。
受験者会計システムなので適任に見えますが、資格があれば独立性も確保できるのでしょうか。
講師システム監査人に公認会計士の資格は必須ではありません。また、資格を指定するだけでは、監査対象の部門から独立した立場は確保できません。
受験者資格とは別に、どの部門に所属し、誰の指揮を受けるかを確認する必要がありますね。
講師そのとおりです。情報システム部にも経理部にも所属しない人なら、両部門から独立した立場で運用状況を評価できます。
受験者正解は、両部門のどちらにも所属しない人を監査人にする案ですね。
講師はい。担当部門が分かれている問題では、監査対象との関係を両方について確かめましょう。所属先に加え、指揮系統にも注目するのがポイントです。
まとめ
システム監査人には、監査対象の部門から独立して評価できる立場が必要です。この会計システムは情報システム部が開発し、経理部が運用しているため、両部門との関係を確認します。公認会計士の資格や監査の効率だけでは独立性を確保できず、両部門のどちらにも所属しない人を監査人にする案が適切です。
解答・解説
正解はエです
この問題のテーマ
会計システムを監査する人に求められる、監査対象部門からの独立性を問う問題です。
解き方の考え方
まず、システムの開発と運用をそれぞれどの部門が担当したかを整理します。その上で、監査人が両部門から独立した立場で評価できるかを判断します。
選択肢ごとの解説
- ×ア 会計システムは企業会計に関する各種基準に準拠すべきなので,システム監査人を公認会計士とする。アの公認会計士を監査人にする案は、資格を選任の条件としています。しかし、システム監査人にその資格は必須ではなく、資格を指定するだけでは監査対象から独立した立場も確保できません。
- ×イ 会計システムは機密性の高い情報を扱うので,システム監査人は経理部長直属とする。イの経理部長直属とする案では、会計システムを運用している部門の指揮下に監査人を置くことになります。その立場では、運用状況を独立して評価できません。
- ×ウ システム監査を効率的に行うために,システム監査人は情報システム部長直属とする。ウの情報システム部長直属とする案では、システムを開発した部門の指揮下に監査人を置くことになります。監査の効率を理由にしても、開発部門からの独立性を欠く配置は適切ではありません。
- ○エ 独立性を担保するために,システム監査人は情報システム部にも経理部にも所属しない者とする。エは、監査人を開発担当の情報システム部にも、運用担当の経理部にも所属させません。両部門から独立した立場を確保できるため、運用状況を客観的に評価できます。
POINT
- 監査人を選ぶときは、専門性に加えて監査対象との関係を確認します。
- 所属先だけでなく、誰の指揮下で監査するかにも注目します。
- 開発と運用の担当部門が異なる場合は、両方との関係を調べます。
