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システムテストの監査で見るべきチェックポイント

基本情報技術者試験 令和元年度秋期 午前 問58 / システム監査 › システム監査

過去問にチャレンジ

令和元年度秋期 午前 問58

システムテストの監査におけるチェックポイントのうち,最も適切なものはどれか。

  1. ア

    テストケースが網羅的に想定されていること

  2. イ

    テスト計画は利用者側の責任者だけで承認されていること

  3. ウ

    テストは実際に業務が行われている環境で実施されていること

  4. エ

    テストは利用者側の担当者だけで行われていること

会話形式の解説

講師講師
今回はシステムテストの監査についての問題です。システムテストが何を確かめる工程なのかを思い出すと、監査で見るべき点が分かります。
受験者受験者
システムテストは、完成したシステムが要件どおりに動くかを確かめる工程でしたよね。
講師講師
そうです。システムの要件、つまりシステムに求められる機能や性能を満たしているかを確かめます。では、確かめる項目が抜けていたらどうなるでしょうか。
受験者受験者
抜けた部分は品質を確かめられないままになります。だから、テストケースが網羅的に想定されているかを見る選択肢が正しそうです。
講師講師
そのとおりです。ここでいう網羅には、正常な処理だけでなく、異常な入力を与えたときの異常系や、値の範囲の端にあたる境界条件のケースも含みます。監査では、そこまで用意されているかを確認します。
受験者受験者
実際に業務が行われている環境でテストする選択肢も、本番に近い条件で試せるので良さそうに見えました。
講師講師
迷いやすいところですね。ただ、本番環境でテストすると、テストの操作やデータが実際の業務に影響するおそれがあります。そのため、システムテストの環境は本番環境から切り離して用意します。
受験者受験者
テストデータが本番のデータに混ざったら困りますね。残りの二つは、どちらも「利用者側だけ」と書かれています。
講師講師
その「だけ」に注目すると判断しやすいです。まずテスト計画の承認ですが、これは利用者側の責任者だけで完結するものではなく、プロジェクト運営委員会のような、関係者をまとめる組織が承認します。
受験者受験者
では、テストの実施を利用者側の担当者だけで行うのも同じ理由でしょうか。
講師講師
考え方は近いですが、根拠は少し違います。システムテストには、利用者側のほかに開発担当者や運用担当者も必要な人員として加わります。利用者側に限ると、必要な人員がそろわない体制になってしまいます。
受験者受験者
整理すると、承認はプロジェクト運営委員会が行い、実施には開発や運用の担当者も加わる。環境は本番から切り離す。そして監査で確かめるのは、要件を漏れなく確認できるテストケースになっているか、ということですね。
講師講師
よくまとまっています。監査の問題で「だけ」のように範囲を限る言葉が出てきたら、本当にその範囲で足りるのかを確かめる習慣をつけておくと役立ちます。

まとめ

システムテストは、完成したシステムが要件を満たしているかを確かめる工程です。そのため監査では、テストケースが正常系・異常系・境界条件まで網羅的に想定されているかを確認します。本番環境でのテストは実際の業務に影響するおそれがあるため、テスト環境は本番から切り離して用意します。テスト計画の承認はプロジェクト運営委員会のような関係者をまとめる組織が行い、テストの実施には利用者側のほかに開発や運用の担当者も加わるので、どちらも「利用者側だけ」に限るのは適切ではありません。

解答・解説

正解はアです

この問題のテーマ

システムテストを監査するとき、どの点を確認すれば適切な監査になるかを問う問題です。テストケースの網羅性、計画の承認者、実施環境、テスト担当者という4つの観点から判断します。

解き方の考え方

システムテストは、完成したシステムがシステム要件を満たしているかを確かめる工程です。そのため監査では、要件を漏れなく確かめられるテストになっているかを最初に見ます。各選択肢については、「だけ」という限定が適切か、本番業務への影響がないかを考えると、誤りの理由がわかります。

選択肢ごとの解説

  1. ○ア  テストケースが網羅的に想定されていること
    テストケースの網羅性を確かめる点は適切です。システムテストの目的は要件を満たしているかを確認することなので、検証すべき項目が抜けていれば、その部分の品質は確かめられません。正常な処理だけでなく、異常系や境界条件のケースも含まれているかを監査で確認します。
  2. ×イ  テスト計画は利用者側の責任者だけで承認されていること
    テスト計画を利用者側の責任者だけで承認するという点は不適切です。テスト計画の承認は利用者側だけでは完結せず、プロジェクト運営委員会のような、関係者をまとめる組織が承認します。承認者を利用者側に限ると、開発側や運用側の観点が計画に反映されなくなります。
  3. ×ウ  テストは実際に業務が行われている環境で実施されていること
    実際に業務が行われている環境でテストするという点は不適切です。本番環境でテストすると、テストの操作やデータが実際の業務に影響するおそれがあります。そのため、システムテストの環境は本番環境から切り離して用意します。
  4. ×エ  テストは利用者側の担当者だけで行われていること
    利用者側の担当者だけでテストするという点は不適切です。システムテストには、利用者側のほかに開発担当者や運用担当者も必要な人員として加わります。担当者を利用者側に限ると、必要な人員がそろわない体制になります。

POINT

  • システムテストは、システムが要件を満たしているかを確かめる工程で、監査ではテストケースが要件を網羅しているかを確認します。
  • テストケースには、正常系に加えて異常系や境界条件も含めます。
  • システムテストは、本番環境から切り離した環境で行います。
  • テスト計画の承認やテストの実施を利用者側だけに限るのは適切ではなく、開発や運用の担当者も関わります。

※出典:令和元年度秋期 基本情報技術者試験 午前 問58