定量発注方式の特徴と、定期発注方式との見分け方
ITパスポート試験 令和5年度 問24 / 企業活動 › 業務分析・データ利活用
過去問にチャレンジ
需要量が年間を通じて安定している場合において,定量発注方式に関する記述として,最も適切なものはどれか。
- ア
最適な発注量は,発注費用と在庫維持費用の総額が最小となる場合である。
- イ
発注回数の多寡で比較したとき,発注回数の多い方が商品を保管するスペースを広くする必要がある。
- ウ
発注は毎週金曜日,毎月末など,決められた同じサイクルで行われる。
- エ
毎回需要予測に基づき発注が行われる。
会話形式の解説
講師今回は在庫管理の問題で、定量発注方式の特徴が問われています。よく似た名前の定期発注方式と区別できるかどうかがポイントです。
受験者「定量」と「定期」は、どちらも何かが一定という意味ですよね。私はいつも、どちらが何を一定にするのか分からなくなってしまいます。
講師名前のとおりに覚えると分かりやすいです。「定量」は発注する量が一定で、「定期」は発注する時期が一定です。定量発注方式では、在庫が発注点、つまり発注のきっかけにする在庫の水準まで減ったときに、毎回同じ量を発注します。需要が安定している品目に向いている方式です。
受験者そうすると、毎週金曜日や毎月末のように決まったサイクルで発注するという選択肢は、時期が一定なので定期発注方式の説明ですね。
講師そのとおりです。定量発注方式は在庫が発注点まで減ったときに発注するので、発注日をあらかじめ決めておくことは発注の条件になっていません。
受験者毎回需要予測に基づいて発注するという選択肢も、もっともらしく見えます。予測しながら発注するのは悪くない気がするのですが。
講師やり方として悪いわけではありませんが、それは定期発注方式の考え方です。定期発注方式では、発注の間隔を一定にして、各回の発注量に需要の見込みを反映させます。定量発注方式は、あらかじめ決めた一定量を発注するのが基本で、発注のたびに需要予測から数量を決めるわけではありません。
受験者残りは二つです。発注回数が多いほど広い保管スペースが必要になるという選択肢は、回数が多いと荷物も多くなるので正しそうに思えました。
講師そこが引っかけです。年間の需要量が同じなら、発注回数を増やすと1回あたりの発注量は少なくなります。手元に置く在庫も少なくて済むので、通常は頻繁に発注するほうが保管スペースを小さくできます。選択肢の説明は実際とは逆なのです。
受験者なるほど。では、発注費用と在庫維持費用の総額が最小になる量が最適な発注量だという選択肢が正解ですね。
講師はい。これが経済的発注量の考え方です。1回の発注量を多くすると発注回数が減るので発注費用は小さくなりますが、在庫が増えるので在庫維持費用、つまり在庫を保管しておくための費用は大きくなります。一方が減るともう一方が増える関係なので、合計が最小になる量を選ぶわけです。
受験者まとめると、量が一定なのが定量、時期が一定なのが定期です。最適な発注量は二つの費用の合計で考え、回数を増やすと在庫は減る、ということですね。
講師よく整理できています。試験では、「決められたサイクル」や「需要予測」といった語が出てきたら、定期発注方式の説明である可能性が高いと考えてよいでしょう。また、発注回数を増やすと発注費用は増えて在庫維持費用は減る、という向きを逆に覚えないよう注意してください。
まとめ
定量発注方式は、在庫が発注点まで減ったときに毎回同じ量を発注する方式で、需要が安定している品目に向いています。これに対して定期発注方式は、発注の間隔を一定にし、各回の発注量に需要の見込みを反映させます。最適な発注量(経済的発注量)は、発注費用と在庫維持費用の合計が最小になる量です。年間の需要量が同じなら、発注回数を増やすと1回あたりの発注量と在庫が減るので、保管スペースは小さくて済みます。「定量は量が一定、定期は時期が一定」と押さえると、選択肢を見分けやすくなります。
解答・解説
正解はアです
この問題のテーマ
需要が安定している品目で使う定量発注方式について、どのような特徴があり、最適な発注量をどう考えるかを問う問題です。
解き方の考え方
まず、定量発注方式と定期発注方式の違いを整理します。定量発注方式は在庫が発注点まで減ったときに一定量を発注する方式で、定期発注方式は決まった間隔で、その都度必要な量を見込んで発注する方式です。この違いをもとに、定期発注方式の説明になっている選択肢を外します。残った選択肢は、発注回数と在庫量の関係(大口発注か小口発注か)から判断します。
選択肢ごとの解説
- ○ア 最適な発注量は,発注費用と在庫維持費用の総額が最小となる場合である。最適な発注量を発注費用と在庫維持費用の総額が最小になる量とする説明は正しく、これが経済的発注量の考え方です。年間の需要量が同じ場合、1回の発注量を多くすると発注回数が減るので発注費用は小さくなりますが、在庫が増えるので在庫維持費用は大きくなります。この二つの費用は一方が減るともう一方が増える関係にあるため、合計が最小になる量が最適になります。
- ×イ 発注回数の多寡で比較したとき,発注回数の多い方が商品を保管するスペースを広くする必要がある。発注回数が多いほど広い保管スペースが必要になるという説明は、実際とは逆です。年間の需要量が同じなら、発注回数を増やすと1回あたりの発注量は少なくなり、手元に置く在庫も少なくて済みます。そのため、頻繁に発注するほうが、通常は保管スペースを小さくできます。
- ×ウ 発注は毎週金曜日,毎月末など,決められた同じサイクルで行われる。毎週金曜日や毎月末など、決まったサイクルで発注するという説明は、定期発注方式の特徴です。定量発注方式は、在庫が発注点まで減ったときに発注するので、発注日をあらかじめ決めておくことは発注の条件になっていません。
- ×エ 毎回需要予測に基づき発注が行われる。毎回の需要予測に基づいて発注するという説明は、各回の発注量に需要の見込みを反映させる定期発注方式の考え方です。定量発注方式では、あらかじめ設定した一定量を発注するのが基本で、発注のたびに需要予測から数量を決める方式ではありません。
補足
「定量」は発注する量が一定、「定期」は発注する時期が一定という意味だと押さえると、選択肢を見分けやすくなります。問題文や選択肢に「決められたサイクル」や「需要予測」といった語が出てきたら、定期発注方式の説明である可能性が高いと考えてよいでしょう。
POINT
- 定量発注方式は、在庫が発注点まで減ったときに、毎回同じ量を発注する方式です。
- 定量発注方式は、需要が安定している品目に向いています。
- 定期発注方式は発注の間隔を一定にし、各回の発注量に需要の見込みを反映させます。
- 経済的発注量は、発注費用と在庫維持費用の合計が最小になる発注量です。
- 年間の需要量が同じなら、発注回数を増やすと発注費用は増えますが、在庫維持費用は減ります。
