USB3.0の説明を選ぶには?速度と特徴的な語句で規格を見分ける
基本情報技術者試験 平成29年度春期 午前 問10 / コンピュータ構成要素 › 入出力デバイス
過去問にチャレンジ
USB3.0の説明として,適切なものはどれか。
- ア
1クロックで2ビットの情報を伝送する4対の信号線を使用し,最大1Gビット/秒のスループットをもつインタフェースである。
- イ
PCと周辺機器とを接続するATA仕様をシリアル化したものである。
- ウ
音声,映像などに適したアイソクロナス転送を採用しており,ブロードキャスト転送モードをもつシリアルインタフェースである。
- エ
スーパースピードと呼ばれる5Gビット/秒のデータ転送モードをもつシリアルインタフェースである。
会話形式の解説
講師今回はUSB3.0の説明を選ぶ問題です。選択肢には、ほかのインタフェース規格(機器どうしをつなぐための取り決め)の説明が混ざっています。速度の数値や「ATA」「ブロードキャスト」のような目立つ語句から、どの規格の説明なのかを考えていきましょう。
受験者USBは毎日使っていますが、速度までは覚えていません。1Gビット/秒の選択肢はUSB3.0として妥当な速さに見えたのですが、どうでしょうか。
講師まずUSB3.0の基本を押さえましょう。USB3.0には「スーパースピード」という転送モードがあり、その速度は5Gビット/秒です。USB2.0までの最速モードはハイスピードの480Mビット/秒なので、これより速いモードが新たに加わったことになります。
受験者それなら、1Gビット/秒の選択肢は速度が合わないので外せますね。4対の信号線というのは、何の規格なのでしょうか。
講師4対の信号線で最大1Gビット/秒というのは、LANケーブルで使われる1000BASE-Tの特徴です。「4対」と「1Gビット/秒」がそろったら1000BASE-Tを思い出すとよいです。
受験者ATA仕様をシリアル化したという選択肢は、名前からしてシリアルATAの説明に見えます。
講師そのとおりです。シリアルATA(SATA)は、ハードディスクなどのストレージを接続するための規格で、USBとは別の規格です。「ATA」という語が出てきたら、ストレージ向けの規格だと考えてください。
受験者アイソクロナス転送の選択肢が一番迷いました。音声や映像のやり取りはUSBでもできるので、USBの説明として正しいように思えます。
講師迷いやすい選択肢です。アイソクロナス転送(一定の間隔でデータを送り続ける方式)は、確かにUSBにもあります。ただ、ブロードキャスト転送モードをもつのはIEEE 1394の特徴です。USBの転送方式はアイソクロナス・割込み・バルク・制御の4種類で、ブロードキャスト転送はありません。
受験者一部が正しくても、ほかの部分がUSBに当てはまらなければ不適切になるのですね。
講師はい。説明文の全体がその規格に当てはまるかを確かめることが大切です。残った「スーパースピードと呼ばれる5Gビット/秒のデータ転送モードをもつシリアルインタフェース」は、名称も速度もUSB3.0の仕様と一致しています。
受験者整理すると、4対・1Gビット/秒は1000BASE-T、ATAのシリアル化はシリアルATA、ブロードキャストはIEEE 1394で、スーパースピード・5Gビット/秒がUSB3.0ということですね。
講師よく整理できています。補足すると、5Gビット/秒は規格上の理論値で、実際の転送速度はプロトコルのオーバーヘッド(制御のために余分にかかる分)や機器の性能によって低くなります。また、USB3.0系統のコネクタは内部が青色のものが多く、見分ける目安になります。
講師もう一つ、規格名の扱いにも注意してください。出題後にUSBの規格名は整理し直されていて、USB3.0の5Gビット/秒のモードは現在「USB 3.2 Gen 1」などと呼ばれています。ただ、スーパースピードが5Gビット/秒という内容は変わっていません。
まとめ
USB3.0は「スーパースピード」と呼ばれる5Gビット/秒の転送モードをもつシリアルインタフェースで、USB2.0のハイスピード(480Mビット/秒)より速いモードとして加わりました。4対の信号線で最大1Gビット/秒という説明は1000BASE-T、ATAをシリアル化したという説明はシリアルATA、ブロードキャスト転送モードをもつという説明はIEEE 1394の特徴です。アイソクロナス転送はUSBにもありますが、USBにはブロードキャスト転送がないため、その選択肢は不適切です。速度の値や特徴的な語句から規格を見分け、説明の全体が当てはまるかを確かめるのが解き方のポイントです。
解答・解説
正解はエです
この問題のテーマ
USB3.0の特徴を問う問題です。他の代表的なインタフェース規格(1000BASE-T、シリアルATA、IEEE 1394)の説明と区別できるかが問われています。
解き方の考え方
USB3.0について押さえるべき点は2つです。「スーパースピード」という転送モードをもつことと、その速度が5Gビット/秒であることです。各選択肢について、速度の値や「ATA」「ブロードキャスト」のような特徴的な語句から、どの規格の説明なのかを考えます。USB3.0以外の規格を説明している選択肢を外していくと、正解が一つに絞れます。
選択肢ごとの解説
- ×ア 1クロックで2ビットの情報を伝送する4対の信号線を使用し,最大1Gビット/秒のスループットをもつインタフェースである。4対の信号線を使い、最大1Gビット/秒で伝送するという説明は、LANケーブルで使われる1000BASE-Tの特徴です。USB3.0の最高速度は5Gビット/秒で、1Gビット/秒ではありません。速度の値からもUSB3.0の説明にはなりません。
- ×イ PCと周辺機器とを接続するATA仕様をシリアル化したものである。ATA仕様をシリアル化したという説明は、シリアルATA(SATA)のものです。SATAはハードディスクなどのストレージを接続するための規格で、USBとは別の規格です。
- ×ウ 音声,映像などに適したアイソクロナス転送を採用しており,ブロードキャスト転送モードをもつシリアルインタフェースである。アイソクロナス転送はUSBにもあります。しかし、ブロードキャスト転送モードをもつのはIEEE 1394の特徴です。USBの転送方式はアイソクロナス・割込み・バルク・制御の4種類で、ブロードキャスト転送はないため、USB3.0の説明としては合いません。
- ○エ スーパースピードと呼ばれる5Gビット/秒のデータ転送モードをもつシリアルインタフェースである。USB3.0はシリアルインタフェースで、「スーパースピード」と呼ばれる5Gビット/秒の転送モードを新たに加えました。名称と速度の両方がUSB3.0の仕様と一致しているので、これが正解です。
補足
5Gビット/秒は規格上の理論値です。実際の転送速度は、プロトコルのオーバーヘッドや機器の性能によってこれより低くなります。また、USB3.0系統のコネクタは内部が青色のものが多く、USB2.0以前のものと見分ける目安になります。
※出題後、USBの規格名は整理し直されています。USB3.0の5Gビット/秒の転送モードは、現在は「USB 3.2 Gen 1」と呼ばれています。ただし、スーパースピードが5Gビット/秒であるという内容は変わっていません。
POINT
- USB3.0の転送モード「スーパースピード」の速度は5Gビット/秒です。
- USB2.0の最大の転送モードはハイスピードで、速度は480Mビット/秒です。
- 4対の信号線で1Gビット/秒の規格は、USBではなく1000BASE-Tです。
- ATAをシリアル化したストレージ向けの規格はシリアルATAで、ブロードキャスト転送をもつのはIEEE 1394です。
