ナレッジマネジメントと他の経営手法をどう見分けるか
基本情報技術者試験 平成30年度春期 午前 問70 / 経営戦略マネジメント › 経営管理システム
過去問にチャレンジ
ナレッジマネジメントを説明したものはどれか。
- ア
企業内に散在している知識を共有化し,全体の問題解決力を高める経営を行う。
- イ
迅速な意思決定のために,組織の階層をできるだけ少なくしたフラット型の組織構造によって経営を行う。
- ウ
優れた業績を上げている企業との比較分析から,自社の経営革新を行う。
- エ
他社にはまねのできない,企業独自のノウハウや技術などの強みを核とした経営を行う。
会話形式の解説
講師この問題では、経営に役立てるものが何かに注目します。ナレッジマネジメントの中心は何でしょうか。
受験者「知識」を扱うので、社内の人が持つ知識を共有する説明が近そうです。
講師その通りです。社内に散らばる知識を共有し、組織全体の問題解決に生かす説明が正解です。
受験者意思決定を速めるために階層を減らす説明も、会社をよくする点では似ています。どこで区別しますか。
講師それはフラット型組織です。変えているのは組織の形で、知識の共有を説明しているわけではありません。
受験者優れた企業と比べて改善する説明は、社内の知識よりも他社との比較が中心ですね。
講師はい。それはベンチマーキングです。比較で自社の改善を図る手法なので、着目する対象が違います。
受験者では、他社がまねしにくい自社の強みを核にする説明はどうでしょうか。知識や技術も関わりそうです。
講師それはコアコンピタンス経営です。焦点は自社独自の強みにあり、組織内で知識を共有することとは区別します。
受験者知識の共有か、組織の形か、他社との比較か、独自の強みかを見れば判断できますね。
講師その見方で整理できます。共有する知識には、文書に残ったものだけでなく、個人の経験も含まれます。
まとめ
ナレッジマネジメントは、社内の知識を共有し、組織全体の問題解決に生かす考え方です。階層を減らすフラット型組織、他社との比較を用いるベンチマーキング、自社独自の強みを核にするコアコンピタンス経営とは、着目する対象が異なります。知識には文書だけでなく個人の経験も含まれます。
解答・解説
正解はアです
この問題のテーマ
ナレッジマネジメントの意味と、目的が異なる経営手法との区別を問う問題です。
解き方の考え方
各選択肢が何を経営に役立てようとしているかを見ます。組織内の知識の共有と活用に着目したものを選び、組織構造、他社との比較、独自の強みを扱う説明と区別します。
選択肢ごとの解説
- ○ア 企業内に散在している知識を共有化し,全体の問題解決力を高める経営を行う。社内にある知識を組織で共有し、問題解決に生かすという説明です。知識の活用を通じて組織全体の力を高めるため、ナレッジマネジメントに当たります。
- ×イ 迅速な意思決定のために,組織の階層をできるだけ少なくしたフラット型の組織構造によって経営を行う。階層を少なくして意思決定を速めるという説明は、フラット型組織の特徴です。扱っているのは組織の形であり、知識の共有ではありません。
- ×ウ 優れた業績を上げている企業との比較分析から,自社の経営革新を行う。業績のよい企業と自社を比較し、改善につなげる手法はベンチマーキングです。比較対象が他社である点からも、社内の知識を共有する手法とは区別できます。
- ×エ 他社にはまねのできない,企業独自のノウハウや技術などの強みを核とした経営を行う。他社がまねしにくい自社の強みを経営の中心に据える考え方は、コアコンピタンス経営です。焦点は独自の強みにあり、組織内の知識を共有することではありません。
POINT
- 知識の共有対象には、文書に残された知識だけでなく、個人の経験も含まれます。
- フラット型組織は、階層を減らして意思決定を速める組織形態です。
- ベンチマーキングは、優れた企業との比較を改善に用います。
- コアコンピタンス経営は、模倣されにくい自社の強みを核にします。
