マナビング基本情報技術者

コストプラス価格決定法は何を出発点に価格を決めるのか

基本情報技術者試験 平成30年度春期 午前 問69 / 経営戦略マネジメント › マーケティング

過去問にチャレンジ

平成30年度春期 午前 問69

コストプラス価格決定法を説明したものはどれか。

  1. ア

    買い手が認める品質や価格をリサーチし,訴求力のある価格を決定する。

  2. イ

    業界の平均水準や競合企業の設定価格を参考に,競争力のある価格を決定する。

  3. ウ

    製造原価又は仕入原価に一定のマージンを乗せて価格を決定する。

  4. エ

    目標販売量を基に,総費用吸収後に一定の利益率が確保できる価格を決定する。

会話形式の解説

講師講師
今回は価格の決め方の問題です。見分けるときは、それぞれの方法が何を出発点にして価格を決めているかに注目します。買い手の評価なのか、競合の価格なのか、原価なのか、目標利益なのかを見ていきましょう。
受験者受験者
コストプラスという名前なので、コスト、つまり原価に何かを足すのだろうと考えました。ただ、総費用を賄ったうえで利益率を確保するという説明もあって、どちらもコストに利益を足しているように見えます。
講師講師
そこがこの問題で一番迷いやすいところです。先に正解の根拠を確かめておきます。製造原価または仕入原価を出発点にして、一定のマージン、つまり上乗せする利益分を加えて価格を決める。これがコストプラス価格決定法です。
受験者受験者
では、総費用と利益率の説明は何が違うのでしょうか。
講師講師
その説明は、まず目標販売量を前提にしています。どれだけ売るかを決めたうえで、総費用を賄った後に必要な利益率を確保できる価格を求めます。販売量と利益の目標から価格を逆算する考え方で、目標利益法と呼ばれます。原価に一律でマージンを乗せる方法とは区別します。
受験者受験者
コストに利益を足すかどうかではなく、販売量の目標から計算を始めるかどうかで分かれるのですね。
講師講師
そのとおりです。残りの二つも出発点で確認しましょう。買い手が認める品質や価格を調べて決める説明は、どこが基準になっていますか。
受験者受験者
買い手の評価です。原価は出てきません。業界の平均水準や競合の価格を参考にする説明は、他社の価格が基準になっていると思います。
講師講師
正しいです。買い手の評価を基準にするのが需要志向の価格設定で、他社の価格を基準にするのが競争志向の価格設定です。どちらも自社の原価から始めていないので、コストプラス価格決定法には当たりません。
受験者受験者
整理すると、買い手の評価なら需要志向、競合の価格なら競争志向、販売量と利益の目標なら目標利益法、原価にマージンを乗せるならコストプラス価格決定法ということですね。
講師講師
よく整理できています。注意したいのは、マージンや利益という言葉だけで選ばないことです。何にマージンを乗せているのか、計算を何から始めているのかを確かめると、似た説明でも迷わずに判断できます。

まとめ

コストプラス価格決定法は、製造原価または仕入原価に一定のマージンを乗せて価格を決める方法です。価格設定の方法は、何を出発点に価格を決めるかで見分けます。買い手の評価を基準にするのが需要志向、競合の価格を基準にするのが競争志向です。目標販売量を前提に、総費用を賄ったうえで利益率を確保する価格を求めるのは目標利益法で、原価に一律で上乗せする方法とは区別します。

解答・解説

正解はウです

この問題のテーマ

コストプラス価格決定法で、価格の基準となるものを問う問題です。

解き方の考え方

各選択肢が何を出発点に価格を決めているかを見ます。買い手の評価、競合の価格、原価、目標利益を区別すると、コストプラス法に当たる説明を選べます。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  買い手が認める品質や価格をリサーチし,訴求力のある価格を決定する。
    買い手が認める価値を調べて価格を決める説明です。基準が買い手の評価にあるため、需要志向の価格設定に当たります。
  2. ×イ  業界の平均水準や競合企業の設定価格を参考に,競争力のある価格を決定する。
    業界水準や競合企業の価格を参考にしています。他社の価格を基準とする競争志向の価格設定です。
  3. ○ウ  製造原価又は仕入原価に一定のマージンを乗せて価格を決定する。
    製造原価または仕入原価を出発点に、一定のマージンを加えて価格を決めています。この決め方がコストプラス価格決定法です。
  4. ×エ  目標販売量を基に,総費用吸収後に一定の利益率が確保できる価格を決定する。
    目標販売量を前提に、総費用を賄った後で必要な利益率を確保できる価格を求めています。販売量と利益の目標から価格を決める目標利益法の説明です。

POINT

  • 価格設定の方法は、何を基準に計算や判断を始めるかで見分けます。
  • 「マージンを乗せる」とあっても、何に乗せるのかを確認します。
  • 販売量を前提に必要な利益を確保する考え方は、原価への一律の上乗せとは区別します。

※出典:平成30年度春期 基本情報技術者試験 午前 問69