楕円曲線暗号の特徴を鍵長と方式から見分ける
基本情報技術者試験 平成31年度春期 午前 問39 / セキュリティ › 情報セキュリティ
過去問にチャレンジ
楕円曲線暗号の特徴はどれか。
- ア
RSA暗号と比べて,短い鍵長で同レベルの安全性が実現できる。
- イ
共通鍵暗号方式であり,暗号化や復号の処理を高速に行うことができる。
- ウ
総当たりによる解読が不可能なことが,数学的に証明されている。
- エ
データを秘匿する目的で用いる場合,復号鍵を秘密にしておく必要がない。
会話形式の解説
講師楕円曲線暗号の特徴は、暗号の方式と、同じ安全性を得るための鍵長に注目して考えます。
受験者短い鍵という点から、共通鍵暗号だと思ってしまいました。方式も確認するのですね。
講師はい。楕円曲線暗号は公開鍵暗号方式です。共通鍵暗号とする説明は、処理速度を検討する前に誤りと分かります。
受験者では、RSA暗号との比較では何をそろえて考えますか。
講師安全性の水準です。同程度の安全性なら、楕円曲線暗号はRSA暗号より短い鍵で実現できます。これが正しい特徴です。
受験者短い鍵だから安全性も低い、と決めつけてはいけないのですね。
講師そうです。鍵の長さだけを比べず、同程度の安全性という条件を確かめます。
受験者総当たりでは解読できないという説明も、安全性の高さを表しているように見えます。
講師安全性の根拠は、楕円曲線上の離散対数問題を解く計算が困難なことです。総当たりによる解読が数学的に不可能と証明されているわけではありません。
受験者データを秘匿する場合、復号鍵を秘密にしなくてもよいという説明はどうですか。
講師復号できる鍵を秘密に保つ必要があります。秘密にしなくてよいという説明は、データを秘匿する目的に合いません。
受験者公開鍵暗号方式で、同程度の安全性ならRSA暗号より短い鍵を使える、と整理できます。
講師はい。計算が困難なことと、解読が不可能と証明されていることも区別しておくと、紛らわしい説明を見分けられます。
まとめ
楕円曲線暗号は公開鍵暗号方式です。同程度の安全性なら、RSA暗号より短い鍵で実現できます。安全性は計算の困難さに基づくもので、総当たりによる解読が数学的に不可能と証明されているわけではありません。データを秘匿する際は、復号できる鍵を秘密に保つ必要があります。
解答・解説
正解はアです
この問題のテーマ
楕円曲線暗号の方式、安全性と鍵の扱いを問う問題です。
解き方の考え方
まず、楕円曲線暗号を公開鍵暗号方式として捉えます。次に、RSA暗号との鍵長の比較と、各選択肢が述べる鍵の扱いを確認します。
選択肢ごとの解説
- ○ア RSA暗号と比べて,短い鍵長で同レベルの安全性が実現できる。楕円曲線暗号は、RSA暗号と同程度の安全性を、より短い鍵で実現できます。鍵長と安全性の比較が合っているので、これが正解です。
- ×イ 共通鍵暗号方式であり,暗号化や復号の処理を高速に行うことができる。楕円曲線暗号は公開鍵暗号方式です。「共通鍵暗号方式」という記述が実際の方式と合わないため、処理速度の説明を検討するまでもなく誤りです。
- ×ウ 総当たりによる解読が不可能なことが,数学的に証明されている。楕円曲線暗号の安全性は、楕円曲線上の離散対数問題を解く計算が困難であることに基づきます。総当たりによる解読が数学的に不可能だと証明されているわけではありません。
- ×エ データを秘匿する目的で用いる場合,復号鍵を秘密にしておく必要がない。データを秘匿するには、復号できる鍵を秘密に保つ必要があります。復号鍵を秘密にしなくてよいという記述は、秘匿の目的と矛盾します。
POINT
- 楕円曲線暗号は公開鍵暗号方式です。
- 同程度の安全性なら、RSA暗号より短い鍵を使えます。
- 安全性の根拠は、計算が困難であることと、解読が不可能だと証明されていることを区別します。
- 秘匿に用いる復号鍵は秘密に保ちます。
