リスクファイナンシングと資金投入はどう違うか
基本情報技術者試験 平成31年度春期 午前 問40 / セキュリティ › 情報セキュリティ管理
過去問にチャレンジ
リスク対応のうち,リスクファイナンシングに該当するものはどれか。
- ア
システムが被害を受けるリスクを想定して,保険を掛ける。
- イ
システムの被害につながるリスクの顕在化を抑える対策に資金を投入する。
- ウ
リスクが大きいと評価されたシステムを廃止し,新たなセキュアなシステムの構築に資金を投入する。
- エ
リスクが顕在化した場合のシステムの被害を小さくする設備に資金を投入する。
会話形式の解説
講師この問題では、お金を使うかどうかより、何に備える対応かに注目します。
受験者複数の選択肢に資金を投入する話が出てきます。どれもリスクファイナンシングに見えて迷います。
講師リスクファイナンシングは、損失が生じたときの金銭的負担に備える対応です。この条件に合うものはありますか。
受験者保険を掛ける対応です。システムに被害が生じたとき、損失を金銭で補う備えになります。
講師そのとおりです。したがって、保険を掛けるアが正解です。
受験者リスクの顕在化を抑える対策にも資金を使いますが、これは発生を防ぐための支出ですね。
講師はい。被害につながる事象の発生確率を下げるので、リスクコントロールに当たります。
受験者被害を小さくする設備も、損失を金銭で補う備えとは違いますか。
講師違います。設備はリスクが顕在化した際の被害を軽減します。これもリスクコントロールです。
受験者リスクが大きいシステムを廃止する場合は、リスクそのものへの対応ですね。
講師はい。システムの廃止はリスク源をなくすリスク回避です。新しいシステムの構築に資金を投入していても、何に備える対応かを見ます。
受験者資金投入という表現だけで選ばず、損失の金銭的負担に備えるのか、発生や被害を抑えるのかを確かめます。
まとめ
リスクファイナンシングは、損失が生じた際の金銭的負担に備える対応です。保険は損失を金銭で補う備えなので、正解はアです。リスクの発生確率を下げる対策と被害を軽減する設備は、リスクコントロールに当たります。リスクが大きいシステムの廃止は、リスク回避です。
解答・解説
正解はアです
この問題のテーマ
リスクファイナンシングに当たる対応を、リスクの発生や被害を抑える対応と区別する問題です。
解き方の考え方
対策に資金を使うかどうかではなく、何に備える支出かを見ます。損失が生じた後の金銭的負担に備えるものを探し、リスクの発生や被害そのものを抑える対策と区別します。
選択肢ごとの解説
- ○ア システムが被害を受けるリスクを想定して,保険を掛ける。保険は、システムに被害が生じたときの損失を金銭で補う備えです。損失の金銭的負担に対応するため、リスクファイナンシングに該当します。
- ×イ システムの被害につながるリスクの顕在化を抑える対策に資金を投入する。リスクの顕在化を抑える対策は、被害につながる事象の発生確率を下げるものです。これはリスクの発生を抑えるリスクコントロールに当たります。
- ×ウ リスクが大きいと評価されたシステムを廃止し,新たなセキュアなシステムの構築に資金を投入する。リスクが大きいシステムを廃止する対応は、リスク源をなくすリスク回避に当たります。新しいシステムの構築に資金を投入しても、損失の金銭的負担に備える対応にはなりません。
- ×エ リスクが顕在化した場合のシステムの被害を小さくする設備に資金を投入する。被害を小さくする設備は、リスクが顕在化した際の影響を軽減します。これは被害の大きさを抑えるリスクコントロールに当たります。
POINT
- リスクファイナンシングは、損失が生じた際の金銭的負担に備える対応です。
- 保険への加入は、損失を金銭で補う備えです。
- 発生確率を下げる対策と被害の影響を軽減する対策は、リスクコントロールに当たります。
- リスク源となるシステムの廃止は、リスク回避に当たります。
